●クリバース 学名:Galium aparine 別名:ヤエムグラ、グースグラス 科名:アカネ科 使用部位:全草(地上部) 有効成分: タンニン、ルビクロビック、クエン酸、ガリタニック酸、配糖体アスペルロシド、サポニン、クマリン こんな犬に: ・体質を改善したい犬に ・尿をたくさん出したい犬に ※子宮収縮作用があるため妊娠中、授乳中の犬への使用量は控えめにしましょう。 |
立春を過ぎてもまだ寒さが残っていますが、犬と一緒に散歩していると、時折春の気配を感じることと思います。 でも、毎年花粉症で悩まされている飼い主さんや皮膚アレルギーの犬には、 せっかくの春の訪れも気が重い季節に感じるかもしれません。 早めの予防と対策で、今年こそたのしい気分で春を迎えたいですね。 2月のハーブは「クリバース」。 この春、新しい健康づくりを目指してスタートしませんか? |
春の新生活スタートといえば、まずお掃除してキレイにしてからはじめますよね。
カラダにとっても同じなんです。春からはじめる体質改善にはカラダのお掃除からスタートさせましょう。
でも、「カラダの掃除」ってなんでしょう?
はい、デトックスです。
デトックスと深いかかわりがあるのは肝臓や腎臓ですが、 実は忘れてはいけないのが「リンパ」なんです。
「リンパ」とは、静脈に沿って全身に網の目状に張り巡らされた「リンパ管」、 その中を流れる体液「リンパ液」、 わきの下や太もものつけ根などにある、 リンパ管が合流して粒状に集まっている「リンパ節」の総称です。
「リンパ」は体内の細胞から老廃物や疲労物質を回収・ろ過し、 尿として体外へ排出する大切な働きをしています。
また、体内に入りこんだ細菌や異物をリンパ節でとらえて退治し、病気になるのを防いでいます。 「リンパ」って、カラダの「浄化作用」と「免疫機能」という、大変重要な役割を果たしているんですよ。
リンパは血管と違って心臓のポンプ作用が及ばないため、とてもゆっくり流れていますが、 冬の寒さによる血行不良、運動不足、ストレスや気温差による自律神経の乱れなどによっては、 血管が収縮し流れにくくなることがあります。
リンパの流れが滞ると余分な水分や老廃物、毒素が体内に蓄積され、身体の機能が低下し、 むくみ、痛み、肥満、疲労、体調不良、アレルギー症状など様々な障害を引き起こしやすい状態になります。
リンパ液の循環が良くないと、その老廃物がそのまま血液へと流れ、汚れた血液が全身を巡ることになります。
ホリステックな観点では、全身に老廃物が滞り、汚れた血液が身体をめぐっている状態は、 アレルギー症状を起こしやすく、皮膚トラブルが起こりやすいと言われています。
また、老廃物がリンパ系で浄化されず、更に肝臓や腎臓で濾過されず身体から排泄されないと、 関節炎や皮膚の痒み・ベタつき、といったトラブルが現れると考えられています。
これらのトラブルは、リンパ系の循環が良くなることで老廃物が処理され、治癒を促進する場合が多くあります。
春がツライ季節になってしまう飼い主さんや動物たちにとって、 デトックス効果に大きな影響を及ぼすリンパ液の浄化と循環をよくし、機能をしっかり維持させて老廃物を排泄する事がまずは大切。
それには「クリバース」というハーブがオススメなんですよ。
日本でも幾重にも葉が重なって茂ることから「ヤエムグラ」と呼ばれ、春の若芽が優れた浄化強壮薬として用いられてきた歴史があり、 昔から春の初めのデトックスとして使われています。
ヨーロッパでは、以前ご紹介した「ネトル」と同様、血液浄化、デトックス、体質改善を目的としてフレッシュのクリバースから作られるジュースが毎年春によく飲まれていたり、 野菜としても食されています。
イギリスでは春先のメニューに、新芽をサラダやスープに入れる料理が出てきます。
日本でも春の野草を摘んで炒めたり、揚げたりしますよね。
● ちょっと一息
緑が少ないこの時期でも、お散歩中に道ばたや公園で目にする元気な雑草。
実はハーブとして用いられているものがあるんですよ。
まずはシェパーズパース[Capsella bursa-pastoris]といって和名は「なずな」。止血などに利用されています。
「なずな」と共に春の七草にある「はこべ」は、チックウィード[Stellaria media]といって
かゆみをやわらげ、リウマチ体質に浄化剤として用いられているんですよ。
ハーブときくとヨーロッパの植物のような気がしますが、
日本に馴染み深い春の草がハーブとして役立つなんて、ちょっと愛着でてきませんか。
クリバースは、利尿作用に優れ、身体の毒素を取り除き、炎症の緩和、洗浄効果が高い治療薬として、何世紀にもわたって伝承医学の中で伝えられてきたハーブです。
現代の植物療法士(フィトセラピスト)も、湿疹、乾疥癬、ニキビ、膿腫などの皮膚疾患や泌尿器系の感染症、結石や結砂、関節炎、 痛風、リンパ腺の腫れ、胸部鬱血などのリンパ系の疾患などに用い、 皮膚疾患にはダンディライオン、ミルクシスル、バードック、イエロードッグ、 泌尿器系の疾患にはマシュマロウやカウチグラス、関節系疾患にはネトル、ダンデライオン、ローズマリーを、 リンパ系の疾患には、エキナセアやカレンデュラなどのハーブを組み合わせて使っています。
クリバースに含まれる苦味物質は、
肝臓機能を刺激し、消化吸収を高めるためにも役立ちます。
外用薬としても使用され、生の葉は傷口に貼ると出血を止め、
治癒を促進すると言われ、絞り汁や浸出液は火傷、日焼け、湿疹などの炎症をやわらげ、
傷跡やニキビ跡をキレイにすると言われています。
クリバースの働きはあまり科学的な研究はなされていなませんが、
民間療法として長い間安全に使用されてきたハーブです。
(⇒ 更に詳しく!植物療法士によるハーブ講座はこちらへ)
今回ご紹介したクリバースは以下の場合にオススメしたいハーブです。
・ 体質を改善したい犬に
・ 尿をたくさん出したい犬に
【この特集の資料提供】Urara Herb Design Lab. フィトセラピスト 堂山うらら氏
現在、ホリステックケアアドバイザーとして人と犬へのフィトセラピーを中心としたカウンセリング 『Dog Life Design(東京・駒沢)』のインストラクターとして、人と犬のクオリティ・オブ・ライフに役立ち、犬と一緒に楽しめるフィトセラピー講座、ハーブ講座を行っている。
現在、ホリステックケアアドバイザーとして人と犬へのフィトセラピーを中心としたカウンセリング 『Dog Life Design(東京・駒沢)』のインストラクターとして、人と犬のクオリティ・オブ・ライフに役立ち、犬と一緒に楽しめるフィトセラピー講座、ハーブ講座を行っている。