「ネトル」の歴史 ネトルの特長 花粉症のしくみとネトルの働き 春のケアに良い理由
こんなことが気になったら・・・


●ネトル
学名:Urtica dioica
科名:イラクサ科
別名:西洋イラクサ
使用部位:開花前の葉部

有効成分
フラボノイド、フラボノイド配糖体、アセチルコリン、スコポレチン、ケルセチン、ケンフェロール、ルチン、クロロフィル、カロテノイド、鉄、ビタミンC、葉酸、ケイ素、カルシウム、カリウム、ビタミンB、ビタミンKなど


●ハーブの注意:
・植物アレルギーがある場合は、 ネトルにも過敏に反応することがありますので、パッチテスト後の使用が安心です。

・腎不全の場合には使用を避けましょう。

・開花したネトルには砂のような粒子成分ができるため、それが腎臓に刺激を与えることがあるので、通常、開花前に収穫したものを使用します。

・ネトルは、血液凝固を促進させるビタミンKを含むため、ワルファリン(Coumadin)のような抗凝血性薬の作用を減少させるかもしれないということが若干懸念されますので、念のために併用は避けましょう。

 
犬と共に晴れやかな新しい年をお迎えになられたことと思いますが、暦の上ではもうすぐ立春ですね。
まだまだ寒さが続きますが、今月は春を快適に過ごすために役立つハーブのお話をさせていただきます。

昨年の記録的猛暑の影響で今年の春の花粉飛散量は全国的に昨年の5倍とも言われており、花粉症の方にとっては辛いニュースが発表されました。
今まで花粉症でなかった方も油断できないシーズンとなりそうです。 
犬に花粉症は稀と言われていますが、飼い主さんが花粉症になってしまうと、春の心地良いお散歩が楽しめなくなりますし、 昨年は犬も花粉症に似た症状で相談に来られる方もいらっしゃいました。
地域により異なりますが、2月以降は徐々に花粉飛散数が増えていくので、早めに事前対策をしっかりとしておくと安心ですね。

そこで、今月ご紹介させていただくハーブは、以前花粉症についてのお話させていただいた際に登場しました、春の野草「ネトル」です。

「ネトル」の歴史


古代の多くの詩人たちはこのハーブを詩に詠み、薬草家たちはこのハーブを強力な薬草として利用してきました。
アンデルセン童話「白鳥の王子」の中にも登場しており、白鳥になった兄弟の呪いを解くための王女が紡ぐ糸にはネトルが使われています。
また、17世紀の英国のハーバリストであるニコラス・カルペパーによる、「冬の間に過剰になった粘液を消滅させる」という記述が残されており、 ネトルは長い冬が終わり、季節の変わり目(木の芽どき)に体調を崩すことなく過ごすための活力を身体に与え、春の倦怠感や様々な不調を解消するために用いられてきたことがわかります。

古くからヨーロッパでは「春季療法」といって、春先に起こる血液の汚れに伴うアレルギーなどの疾患を予防するための浄化強壮薬としてネトルは親しまれてきました。近年、日本でも花粉症の予防に役立つことで有名になったネトルは、世界中の温暖な地域に数種類が分布し、和名を西洋イラクサと言います。
現在でも若葉を滋養に富んだ春野菜として料理に利用したり、アトピーや花粉症などのアレルギー疾患やニキビ、蕁麻疹、また、痛風、リウマチ、関節炎の改善にハーブティー、エキス、ティンクチャー、サプリメント、それにホメオパシー製剤(レメディ)などで内用されています。

き、焼けつくように激しく痛むため、採取の際には手袋と長袖のシャツが必要になります。この痒みや痛みの原因となっているタンパク質や蟻酸は、調理や乾燥させることで中和され、素晴らしい様々な恩恵を受けることができるようになります。

ネトルは犬、猫、馬はもちろん、ウサギ、乳牛、鳥やアヒルなどの餌にも、栄養補給や病気の改善、 健康維持のために日常的に用いられてきたハーブです。
天然のマルチビタミンとも呼ばれるネトルは、 タンパク質、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、クロロフィル、βカロテン、カリウム、ビタミンB、C、D、 食物繊維などの有用な栄養素をバランス良く、豊富に含んでいるため、 手軽にローフード(生食)や手作りご飯の栄養バランスを補うために役立つため、初心者用ハーブとしてお勧めしています。

ネトルの緑色の色素は葉緑素(クロロフィル)で、人間の血液の赤い色素(ヘモグロビン)と構造が似ていることから、 「植物の血液」とも呼ばれ、「浄血」と「造血」の目的で用いられてきた歴史があります。
鉄分やビタミンC、葉酸などを含むことから、妊娠授乳期の栄養補給、貧血の改善に役立ち、安心して使用することができます。
更に、体内のクリーニング工場である腎臓機能を活性化し、血液の中に溜まった毒素を排出して血液浄化しながら、利尿作用により身体の中の老廃物を排泄してくれるデトックスに優れていると言え、同時に鉄分などの栄養を補給し血液をきれいに保ち、花粉症、皮膚アレルギー、関節炎、痛風、リウマチなどの体質改善に役立つハーブです。



花粉症は、アレルギーを起こす物質(花粉やダニ、ホコリ)が体内に入ると、 痒みやくしゃみ鼻水などのアレルギー症状の原因となるヒスタミンが放出されます。
そのヒスタミンの生理作用を抑える薬が抗ヒスタミン薬です。

ネトルの薬効に関しては諸説ありますが、ネトルに含まれる抗ヒスタミン成分にアレルギーを鎮める作用があることから、 コミッションE(ドイツの保険庁にある専門委員会で、ハーブを医薬品として利用する場合の効果と安全性を協議、審査する、世界的権威をもつ委員会)により、 アレルギーの炎症を抑える効果が非常に高いと承認されています。


 ネトルは、アレルギーの炎症だけではなく、古くから抗炎症剤としてリューマチや関節炎の治療にも用いられており、 ネトルの持つ抗炎症作用のメカニズムは、サイトカイン、プロスタグラジン、 ロイコトレインといった体内において炎症を引き起こす免疫細胞の生産や作用を阻害することによるものであることが示唆され、 炎症性免疫細胞を抑止することにより、炎症の有効な治療手段として可能性が確認されつつあります。


花粉症やアレルギーに対する様々な研究から、花粉症に対処するための自然な薬のひとつは「ケルセチン」ということがわかってきました。
ケルセチンは花粉の反応を媒介するヒスタミンを放出する細胞の膜を安定させる働きがあるとされています。
ケルセチンはタマネギの外皮、ソバ、柑橘類に豊富なフラボノイドの一種で、ネトルにも含まれており、 ハーブの無駄のなさ、ネトルの有効成分のバランスの良さがここからもわかります。



●春のデトックス
以前のハーブ便りでもお話しましたが、春は、暖かさによって新陳代謝が活発になるとともに、 身体が冬の間に溜まった毒素や老廃物を排泄しようと働きはじめます。
冬の間、寒さや運動不足により血流が停滞するため、老廃物が蓄積しやすく血液も汚れがちになります。
その汚れた血液が春の訪れとともに全身を巡り、その状態がアレルギーを引き起こしやすいといわれています。
ですから、ネトルにダンディライオンをブレンドして、今から腎臓機能と肝臓機能を活性化させ、体内のデトックスをしておくのが理想的です。

血液をきれいに保つために役立つネトルは過剰になってしまった尿酸を排泄する働きにも優れており、古くから痛風、 リウマチの治療、関節炎などに利用されてきました。
尿酸の排出がうまくいかず高尿酸値を引き起こすと、血液中に溶けきれない尿酸が尿酸塩の結晶となって体内に沈着し、 それが関節の骨膜にたまり関節が痛む痛風発作が起こります。それはプリン体を含む食品の過剰摂取や腎機能の低下が一因といわれています。
おせち料理など、年末年始のご馳走にはプリン体を多く含むものも多く、年末年始、忘年会、新年会とお酒を飲み過ぎたかな・・・ 美味しいご馳走を食べ過ぎたかな・・・という飼い主さんにもお勧めです。

●歯、爪の生成
ネトルには、ホーステール(スギナ)の有効成分として有名な「ケイ素」も含まれています。
ケイ素という成分は、骨や歯、髪、爪などにカルシウムと共に存在し、丈夫な身体の骨格作り、および健康的な歯、髪、爪の生成に不可欠なものです。
また、コラーゲンなどの結合組織にも働きかけ、強い構造を(結合組織を強化する)保つために使われます。
人も犬も老化とともにそのケイ素は減少してゆくため、ネトルやホーステールで補うことで、 爪や髪、皮膚の弱質化を防ぐことができ、瘢痕の修復作用もあるため植物皮膚学やフィトエステの領域でも利用されています。 
ケイ素の体内吸収を高めるのにかかせない栄養素がビタミンCです。
ホーステールを利用する際にはローズヒップとブレンドするのがお勧めですが、ネトルにはビタミンCが含まれているため単体での使用も可能です。

●春の換毛期の前
ネトルリーフ(葉)の浸出液の外用は、動物の被毛に栄養を与え、艶を取り戻し、 皮膚の痒みや軽度の傷、ノミに刺された後の症状をやわらげるなど、皮膚と被毛の健康を保つための洗浄液として役立ちます。
その他、ネトルは止血や組織の修復の目的で、鼻血や痔疾、皮膚の炎症などにパウダー剤(粉末剤)や湿布で用いられます。

育毛に関してはネトルルート(根)のほうが有効とされ、脱毛とフケを予防するコンディショナーとして、古くから用いられてきました。
ネトルルートの煎出液を洗髪に用いると、地肌を強壮し血行をよくする結果、毛髪が強くなり抜け毛を防げると言われています。
現在でも、ヘアケア用品に育毛の目的でローズマリーバードック、紫根(シコン)などと併用されることが多く、フケや脂肪過多の改善、頭皮のケアに有効です。

●その他
ネトルルート(根)は多糖類やフィトステロールを含み、良性の前立腺肥大の排尿痛や頻尿、残尿感などの症状の緩和にも用いられます。




○ローフード(生食)、手作りご飯の栄養バランスを補うために。
○病中病後、術後の体力回復・強壮や腎臓機能サポート、貧血予防・改善に。
○アレルギー、関節炎、リウマチなどの体質改善のサポートに。
○妊娠授乳期の動物への栄養補給に。
○健康な皮膚と被毛のために浸出液をリンスとして。


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ネトルは春に限らず、健康維持にとても役立ちますし、和食にも合いやすい風味なので、ご家族皆さんで楽しんでいただけると嬉しいです。
花粉症の飼い主さん、春に体調を崩しやすい、皮膚アレルギーの症状が悪化してしまう傾向がある場合は、今からしっかりと取り入れて春に備えてくださいね。
さぁ今年も引き続き、ハーブのやさしいチカラをかりて、今よりもっとHappyな毎日を。


 今回の特集に関連したアイテムをこのページの右側に少しずつご紹介しています。 )

【この特集の資料提供】
Urara Herb Design Lab. フィトセラピスト 堂山うらら氏
現在、ホリステックケアアドバイザーとして人と犬へのフィトセラピーを中心としたカウンセリング 『Dog Life Design(東京・駒沢)』のインストラクターとして、人と犬のクオリティ・オブ・ライフに役立ち、犬と一緒に楽しめるフィトセラピー講座、ハーブ講座を行っている。


(*サイト内、堂山氏のページ)
ハーブ便り


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