犬のphが高いと尿路感染症になることも!専用フードで犬のphをコントロールしよう

専用フードで犬のphをコントロール

人間と生活環境を共にしている犬は、野生の状態では起こり得ないような体調異常に見舞われてしまうことも少なくありません。 そのため、飼い主が責任を持ち、必要に応じて専用フードなども活用しながら犬の健康を管理していくことが大切です。 ただし、犬の健康問題にはさまざまな種類が存在し、外から見てもすぐに分かるような症状が出る場合もあれば、共に暮らす飼い主でさえなかなか不調を見抜けないような場合もあります。 そこで今回は、特に飼い主が注意していなければ気が付きにくい、尿のpH(ペーハー)の異常と、pHをコントロールするための専用フードについてご紹介します。

そもそもpHって何?

phについて

化学の授業などで登場することもあるpHは、7.0を基準にして、より大きい数値であれば塩基性(アルカリ性)、小さい数値であれば酸性であることを示すものです。 犬の尿は正常であればpH6.2〜6.4前後となっており、やや酸性寄りです。この数値を大きく逸脱している場合、犬の健康に何かしらの問題が生じる可能性があります。 より酸性が強くなっている場合は、「シュウ酸カルシウム結晶化」と呼ばれる病気を起こす可能性があります。また、反対にpH6.8〜7.2前後の場合には、「ストラバイト結晶化」に注意が必要です。これら2種類の異常はそのままにしておくと、いわゆる「尿路結石」と呼ばれるもので、排尿時に強い痛みを伴う病気へ発展します。 さらにアルカリ性が強く、pH7.4を超えるような場合には、腎臓の働きが著しく低下している可能性も考えられます。食事療法では対処できない問題に発展していることもあるため、速やかに獣医の診察を受けましょう。

危険な症状、尿路感染症に注意

尿路感染症について

尿のpH異常から引き起こされる犬の病気として、尿路結石症のほかにもう1つ、尿路感染症にも注意が必要です。この病気は、尿のpHが過度にアルカリ性となり尿路内の抵抗力が低下状態にある際に、尿路に細菌やウイルスが侵入してしまうことで感染します。 感染を起こした場合、放置していると腎不全や敗血症などの重篤な病気につながる恐れもあるため、異常に気が付いたら必ず獣医に相談してください。

普段の食事からpHをコントロールしよう

pHコントロールフード

尿のpHは、腎臓機能の状態によって変化しています。そのため、毎日の食事をしっかりと管理し、犬の腎臓機能を良好に保つことができれば、ある程度pHの異常を原因とする病気の予防を行うことが可能です。 pH異常の予防においては、第一に、犬が普段摂取する水分量を多く保つことが大切です。尿の水分量が多くなると、その分結晶化を引き起こす成分も薄まり、尿路結石症にかかりにくくなります。さらに、尿の量を増やすことにより、悪い菌を排出しやすくなる点もポイントです。利尿作用や抗菌作用があるとされる「デトックス・ハーブ」が含まれた専用フードも市販されており、通常の食事とあわせ副食として適量を与えることにより、排尿の促進が期待できます。 このほか、タンパク質やリンの量を制限している管理フードなども、尿路結石の予防に効果的であるとされています。専用フードをする利用する際には、まず犬の体調状況を把握するために尿のpHチェックを行い、結果に応じて適切な製品を選択しましょう。

ポチのペット栄養管理士でもあるコンサルからひと言


イラスト画像

あまり水を飲まない犬には市販の犬用レトルトスープや鶏ささみをゆでた後のスープをいつものご飯にプラス!だけでも補うことができます。
尿のpHを測るには、朝1番のご飯前のおしっこを測って下さい。ご飯の後だと正確ではないのでご注意を。

 おわりに

犬のpH異常の概要と、pH異常を原因とする病気の予防策についてご紹介しました。 外見や臭いから尿の異常を判断することは難しいため、市販されている専用の試験紙などを利用して定期的に測定を行うと良いでしょう。 犬の尿の状態については、飼い主が積極的に気に掛けなければなりません。ぜひ今回の記事をご参考に、必要に応じて専用フードなども活用しながら、犬の健康を守りましょう。




このコラムのTOPページへ

こちらの記事もおすすめです