犬とのコミュニケーションのために知っておきたい「犬がしっぽを振るときの感情・気持ち」

犬がしっぽを振るときの感情

「嬉しいときにしっぽを振る」という犬の感情表現方法は、犬を飼っていない方の間でも広く知られています。しかし、実際は「しっぽを振る」という行為が、常に喜びを示しているとは限りません。 犬のしっぽを注意深く観察してみると、さまざまな振り方があることに気が付きます。また、しっぽの振り方だけでなく、しっぽの位置や高さによっても犬の感情をある程度見分けることが可能ですので、しっぽを使った感情表現を理解することで、犬とのコミュニケーションがより円滑にとれるようになります。 それでは、犬の感情は具体的に、どのようにしっぽの振り方に表れるのでしょうか。 この記事では、しっぽを使った犬の感情表現についてご紹介します。

犬のしっぽの役割

犬のしっぽの役割

犬のしっぽはコミュニケーションツールとしての役割を担っています。上述の通り、犬はしっぽを振ったり位置を変えたりすることにより、自分の気持ちをある程度周囲に伝えることが可能です。 また、犬のしっぽは感情表現以外にも、主に2つの働きを担っています。 1つは体のバランスを保つ役割です。走る際、犬はしっぽを使って体のバランスをとると言われています。 そしてもう1つは、防寒具としての役割です。犬が体を丸め、長いしっぽで鼻から顔を包むようにしている際は、寒さで体が冷えすぎないように調整していると考えられます。

感情が高まっているときのしっぽの位置と振り方

犬は緊張が高まると、しっぽを高く上げ、静止させます。例えば、遠くから知らない誰かが近づいてきた際などには、警戒心を抱き緊張を感じ、しっぽを高く上げる犬が多いです。 反対に知っている人や好きな人が近づいてきたときなど、緊張ではなく、喜びから来る高揚感を示そうとしている際には、しっぽを大きく速く振る傾向があります。

自信がないときのしっぽの位置と振り方

道で他の犬に遭遇したとき、相手の犬の方が自分より強そうだと感じたときには、しっぽの位置を低くします。しっぽを下げることにより、自分は争うつもりはないという気持ちを伝えようとしているのです。 また、恐怖心がさらに強くなると、しっぽを後ろ足の間に挟んで畳み込んでしまいます。しっぽを垂らしたりしまいこんだりする行動は、できるだけ自分の体を小さく見せようという気持ちの表れです。

挨拶をするときのしっぽの振り方

挨拶をするときのしっぽの振り方

犬は相手に挨拶をするときにもしっぽを振ります。 挨拶の場合、しっぽの振り幅はあまり大きくなく、先端を少し動かす感じです。目が合ったときに犬がしっぽを少し揺らしたら、「こんにちは」と挨拶をしていると考えて良いでしょう。

飼い主に対して左右に大きく振っているときの気持ち

犬は、自分と周囲の立場を大切にする動物です。そのため、自分より上の立場にあると考えている相手に対し、腰も使いながらしっぽを大きく振る行動には「へりくだり」や「甘え」の意味もあると考えられます。 飼い主が外出から帰ってきたとき、しっぽを大きく振る犬は多いです。「会えて嬉しい」という気持ちのほか、「もう僕を置いていかないで」という甘えの気持ちも表しているのでしょう。

敬意を表すときのしっぽの振り方

敬意を表すときのしっぽの振り方

犬が自分より優位だと考える相手に対して敬意を表すときには、腰を落とした態勢で、しっぽを使って地面をはらうように左右に大きく振ります。特に飼い主に対して、このような振り方を見せる犬が多いです。

ポチのペット栄養管理士でもあるコンサルからひと言


イラスト画像

しっぽをはじめ、目や耳、顔全体、体全体で感情表現をする犬。
顔は笑っててもしっぽが下に入っている…なんてことも。
よく観察してると今まで知らなかった気持ちを見つけられますよ。

 おわりに

しっぽを使った犬の感情表現についてご紹介しました。 一言で「しっぽを振る」と言っても、その行動には警戒心や喜びなど、さまざまな感情が込められています。 日頃から犬をよく観察すれば、同じ動きでも表情や姿勢に違いがあることに気が付くでしょう。犬とより円滑なコミュニケーションがとれるよう、飼い主の方は今回の記事もご参考に、共に暮らす犬の感情表現について理解してあげてください。 わかるとさらにたのしくなって、ますます絆が深まりますよ。




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