犬の「目やに」は病気のサイン?肝臓の調子は?老化による犬の病気チェックリスト

老化による犬の病気チェックリスト

人間の何倍ものスピードで歳をとる犬は、一般的に7歳から10歳で老齢期(シニア期)を迎えると言われています。 老化に伴い、犬の体調にはさまざまな変化が現れます。犬の健康をより長く保つためにも、老化による症状を見逃さずに、早い段階からの対処が大切です。 そこで今回は、老化と共に現れやすい犬の病気を見つけるためのチェックリストをご紹介します。

 犬の老化による病気チェックリスト

【1】目やにが溜まったり、涙が出たりする

目やにが溜まったり、涙が出たりする

年齢を重ねた犬に、目やに、もしくはといった異常が見受けられることがあります。
このような症状は、犬の眼球の角膜にある傷や炎症などを原因として現れる可能性が高いと言われています。 目やにの色が黒く、目のふちに少し付いているような場合には、それほど問題はありません。ただし、黄色い膿のような目やにが出ているときには注意が必要です。目の病気にかかっている可能性が高いため、かかりつけの獣医に診てもらってください。
目の異常は年齢を重ねるごとに発生しやすくなります。視力の低下や失明は、散歩を怖がるようになり、犬の寿命を大きく縮めかねないため、十分に注意してください。

【2】食欲不振や下痢の症状が出る

食欲不振や下痢の症状が出る

人間と同様、犬にも食欲不振や下痢の症状が発生することがあります。
このような症状は多くの場合、日々の食事を見直すことにより改善します。ただし、特に高齢犬において2日以上にわたり食欲・排便に異常が見られた際には、肝臓の病気が原因となっている可能性もあるため、すぐに獣医の診察を受けましょう。 肝臓は、体内の免疫を保ち毒素を分解しつつ、血糖値の調節、脂肪の代謝、ビタミンの生産なども担う、非常に重要な臓器です。この肝臓の障害が進むと、肝臓が硬化し、働きを失う「肝硬変」に発展します。さらに、肝臓の大部分に肝硬変が及ぶと「肝不全」となり、見当識障害(混乱症状)やけいれん、昏睡などの重篤な症状に至る可能性もあります。
肝臓の健康を保つためには、食事への配慮が重要です。高品質な年齢相応のフードに加え、適度にサプリメントを与えるなど、シニア犬の場合は特に、肝臓に負担をかけず良質なタンパク質を摂取させる工夫を心掛けましょう。

【3】睡眠時間の増加や散歩中の息切れが出る

睡眠時間の増加や散歩中の息切れが出る

犬は高齢になるにつれ、睡眠時間が長くなる傾向があります。しかし、過度な睡眠時間の増加は、病気を原因としている可能性もあります。 特に老齢の小型犬にこのような症状が見られた場合、「慢性僧帽弁疾患」をわずらっている疑いがあります。この慢性僧帽弁疾患は、心臓にある弁膜の状態が悪くなり、心不全につながる病気です。 犬が長く眠るようになるだけではなく、散歩時の息切れなどの症状が併発している場合、病気にかかっている可能性が高いと言えます。ただし、睡眠時間の増加や疲れやすさは、シニア犬であれば多かれ少なかれ発生する症状であるため、病気かどうかの判断が困難であることも事実です。異常を早期に発見するためにも、定期的な健康診断の受診をおすすめします。

ポチのペット栄養管理士でもあるコンサルからひと言


イラスト画像

一般に7歳くらいからシニア期に突入するといわれていますが、7歳の誕生日を迎えたからといってシニア犬用フードにすぐ変える必要などありません。 前と変わらない運動量であったり、食欲もそんなに変化がなければ7歳になっても急いで変える理由はないのです。ただ、シニア犬用フードの特長として、関節にいい成分(コンドロイチンやグルコサミン)やタウリンがプラスされていたり、健康を維持する上で大切なタンパク質がしっかり摂れるよう高品質で、かつ、低カロリーになっていたりするので、成犬用フードよりは、シニア犬が罹りやすい病気の予防を考えたレシピになっていると言えます。 まずは、今どういう時期かを見定めてから、フードの見直しをはじめてみてはいかがでしょうか。

 おわりに

老化に伴い発症しやすくなる犬の病気について、具体的な症状などをご紹介しました。 今回ご紹介した各病気は、あくまでも老化によって発生する可能性が高いものに限られます。老化が進むにつれ、上記以外の病気にかかる可能性も高くなります。そしてもちろん、若い犬であっても、肝硬変や心疾患のような症状が現れた場合には、早期に獣医の診察を受けさせなければなりません。 また、特に老犬の場合は体力維持のため、体に負担をかけることなく、一定のカロリー・タンパク質を与える工夫が必要です。犬に健康で長生きしてもらうためにも、シニア犬の食事内容には最大限配慮したいですね。




このコラムのTOPページへ

こちらの記事もおすすめです