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2026.09.28

犬が咬んだ時、咬まれた時、さぁどうする!? 咬み犬110番! ②《RETRIEVER + POCHI archive080》

犬が咬んだ時、咬まれた時、さぁどうする!? 咬み犬110番! ②《RETRIEVER + POCHI archive080》

イラスト=meeg

監修=奥田順之

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

獣医師・奥田先生が解説 犬が咬むのはしつけの問題か?

【Q6】散歩中に他の犬に吠えかかります。

しかも、吠えかかった時にリードを引いて止めると今度は私に咬みついてきます。太モモを咬まれて、アザだらけです。 どうしたらいいでしょう。

【A6】獣医師・奥田先生

この場合、「転嫁性攻撃行動」といって、他の犬を攻撃しようとしているものの、リードで止められてできないため、手近な咬める対象である飼い主を八つ当たりで咬んでいる状態ですね。頻繁に起こるようなら、まず他の犬が通らない時間帯に散歩に行くなど、安全確保を優先した対策を取りましょう。大型犬でこうした攻撃が出る場合、非常に危険な上に大きな事故につながりかねません。早急に行動診療科や専門のトレーナーに相談することをオススメします。専門家の指導の下、他の犬がいても落ち着いていられるようにトレーニングすることで、改善が見込めるでしょう。

【Q7】他の犬とかかわっている時に時々興奮します。

ほとんどの犬は大丈夫なのですが 大きめの黒い犬にお尻のにおいを嗅がれた時に 急に怒り出して、相手に飛びつき 咬みつこうとします。そんな風に興奮した犬を制御できる自信がありません。今後、どうしたらいいのでしょうか。

【A7】獣医師・奥田先生

大きめの黒い犬に反応する背景には、特定の犬に対する嫌悪感や恐怖心が結びついている可能性があります。そうした苦手な犬との無理な交流は避けるようにしましょう。犬にとって不特定多数との交流は必ずしも必要ではありません。絶対に安全だとわかっている犬とだけ接触させるのが望ましいです。もし攻撃が出そうになったり発生してしまったりした場合は、まず引き離し、オヤツを与えて落ち着かせてみてください。

【Q8】普段、なでるのは平気なのですが目薬をさしたり、歯磨きしたりができません。

首輪付近も触ろうとすると嫌がり下手をすると咬みついてきます。対策はありますか?

【A8】獣医師・奥田先生

顔を拘束されて何かをされることに嫌悪感があるようですね。無理やり押さえ込んで目薬をさしたり、歯磨きをしたりするのはご法度です。犬が状況を理解し、協力的に動いてもらうことが大切になります。普段はなでることができるとのことですので、そこからステップアップしていきましょう。触られることや拘束されることに徐々に慣らしていくためには、オヤツの使い方が重要です。オヤツを使いながら顔付近を触る練習や、犬のほうから自発的に手のひらにアゴをのせて保定される練習を、気長に行うといいでしょう。こうした受診やお手入れに協力してもらうためのトレーニングを「ハズバンダリートレーニング」と呼びます。

〈POINT!〉ハズバンダリートレーニングを取り入れる

ハズバンダリートレーニングとは、動物がストレスなく日常のケアや受診を受け入れられるようにする「受診動作」のトレーニングです。足拭きやブラッシング、歯磨き、爪切りといった普段のお手入れから、病気やケガのホームケア、病院での診療まで、犬が嫌がらず協力的に動いてくれるようになります。「お手」や「アゴのせ」などもその一例です。あらかじめ習得しておくことで、お互いにスムーズで負担のないケアが可能になります。

①犬がアゴをのせるのにちょうどいい高さのイスなどを用意し、オヤツで誘導します。アゴをのせたらオヤツをあげましょう。
②1のアゴのせができるようになったら、布などを使って繰り返す。それも習得できたら、この布があればどこでもアゴのせができるよう訓練します。
③最後には、飼い主の手の上でもアゴのせができるようになれば OKです。さらに口の中に指を入れたり、マズルをつかんだりする訓練もあります。

出典:『RETRIEVER』 vol.122/「犬が咬んだ時、咬まれた時、さぁどうする!? 咬み犬110番!」

*1 監修=奥田順之 おくだ よりゆき。獣医行動診療科認定医/鹿児島大学共同獣医学部講師。ぎふ動物行動クリニック院長として年間150件以上の問題行動を診察する傍ら、犬のしつけ教室「ONELife」の運営や、NPO法人「人と動物の共生センター」理事長としてペット産業の適正化に取り組む。動物行動学の専門家として講演活動も多数。著書に『犬の問題行動の教科書』『犬の咬みグセ解決塾』など。