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2026.11.02

シニア犬だからこそ「高タンパク食」を。知っておきたいシニア向けの食事の新常識

シニア犬だからこそ「高タンパク食」を。知っておきたいシニア向けの食事の新常識

シニア犬と一緒に生活する人が増えています。
シニア期の犬たちにとって大切なのは、ただ長生きすることではありません。少しでも長く元気で若いころに近い暮らしを送っていてほしいと思うのが飼い主心理というもの。
医療や飼い主のサポートを特別必要とせず、健康的に過ごすことができる期間を健康寿命と呼びますが、この健康寿命を延ばすことが近年のトレンドとなっています。
犬の健康寿命を延ばすことを考えたとき、初めに思い浮かぶのは「食べること=犬の食事」ではないでしょうか。
食事で意識するべきポイントについて、今回は「タンパク質」を中心にご紹介いたします。

健康寿命を左右する「筋肉」という資産

人間の健康に関する情報で時々見かけるキーワードとして「貯筋(ちょきん)

」というものがあります。これは加齢に伴い徐々に減っていく筋肉量をどれくらい維持できるかが健康的に過ごせる時間を左右するという考え方に基づいて、意識して適度な筋力を維持しましょうという働きかけです。将来に備えて資産を蓄え貯金をするような感覚で、筋肉も育てていきましょうね、ということですね。

人間にしても、犬にしても、高齢になればなるほど筋肉は健康維持において重要な役割を果たすようになります。

見逃されがちなシニア犬のサルコペニア

ところで「サルコペニア」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
動物医療だけでなく、高齢者の介護の現場などでも比較的よく登場する言葉なのですが、これは加齢や栄養不足、運動量の減少によって筋肉量や筋力が低下する疾患を指します。

具体的には、座りや伏せの状態から立ち上がることができなかったり、よろけたり。うまく歩くことができなくなったりするほか、段差を登れなくなる、歩き始めてもすぐに座り込んでしまうというケースも少なくありません。こういった変化は「シニアだから」とつい見過ごしてしまいがちですが、そのままにしているとあっという間に筋力が衰えてさらに深刻な事態につながるケースも。
食事をする際に立って首を上げる姿勢を維持するのが困難になったり、自力での排せつに困難が伴うようになり、寝たきりになってしまう犬も少なくありません。

■ こんな変化は要注意。見逃しやすい初期サイン

シニア期の犬の普段の様子で、以下のような変化が見られたら筋力の低下が始まっているかもしれません。

 • 歩行中にふらつく
 • ちょっとしたことで躓く、よく躓いている
 • 活動量が極端に減り、寝てばかりになる
 • 段差を避けるようになり、散歩でも座る時間が長くなる

また、筋力低下だけでなく、関節の痛みなどが起こっている可能性もありますので、気になる様子がある場合は動物病院で相談してみるのもオススメです。

★筋肉量の低下が健康寿命に与える影響

犬が特別なケアや治療を必要とせず、健やかで元気に楽しく日常生活を送れる時間=健康寿命であるという前提で考えると、普段から筋力・筋肉量を維持することは非常に重要です。
犬の日常生活は筋力によって成立していることが思っている以上に多いからです。

犬の筋肉は、歩く、立つ、座る、階段を上る、ジャンプする、食べる、排泄するといった日常のあらゆる動作を支えています。筋力が低下すると、これまで当たり前にできていた行動が少しずつ難しくなり、結果として犬の健康寿命や生活の質(QOL)にも大きな影響を与える可能性があります。

また筋肉が果たしている役割は、運動機能だけでありません。

■基礎代謝が低下する

筋肉は体の中でも多くのエネルギーを消費する組織です。筋肉量が減ると基礎代謝も低下し、太りやすくなる、脂肪がつきやすくなる、運動量がさらに減るという悪循環が起こりやすくなります。

■免疫力の低下

筋肉はタンパク質の貯蔵庫でもあります。病気やケガなどで体に負担がかかった時、体は筋肉に蓄えられたアミノ酸を利用して免疫細胞や組織修復に役立てます。
そのため、筋肉量が少ない犬では、病気からの回復が遅くなったり、手術後の回復力が低下する、体調を崩した時の予備力が少なく、リスクが高くなるといった影響が考えられます。

■基礎的な体力低下の悪循環

筋肉は「貯金」のような存在です。手術や病気の治療で食事が十分に取れなかったり、栄養状態が偏ってしまうような状況でも、若くて筋肉量が十分ある犬は、筋肉を分解してアミノ酸などを栄養として消費することで体力を維持することができるのです。

そのため、入院を伴う手術や、食欲不振、病気があっても耐えやすい傾向があります。

一方で筋肉量が少ないシニア犬は、数日食べられないだけでも急激に体力が低下してしまうことがあります。

■体温維持が苦手になる

筋肉は熱を生み出しています。筋肉量が減ると、寒さに弱くなる、冷えやすくなる、冬場に活動量が落ちる、といった変化が見られることがあります。シニア犬が寒がりになる背景の一つです。

シニア犬の体重管理は「増やさない、減らさない」

犬の体重管理では、主に太らせすぎないことが重要視されることが多いです。でも、シニア期の犬の体重管理では「増やさない」だけではなく「減らさない」ことも同じくらい重要なのです。

シニア期の犬たちの体重管理の意識もアップデートしていきましょう。

■体重減少=健康とは限らない

まず、前提としてシニア期の体重減少は、必ずしも健康的な変化ではありません。

若い頃であれば、適正体重へ近づくための減量が健康につながることもあります。しかしシニア犬の場合、体重が減ること自体が健康につながる良い変化とは言えません。
シニア期になると、体重が増えることよりも食欲が低下したり、病気の影響などで体重が低下する機会の方が多くなるためです。
また、筋肉量を維持することを考える上でも、体重計が示す「体重の総量」が減ったことは必ずしも良いことだとは言えないのです。
例えば同じ1kgの体重減少でも、余分な体脂肪が減ったのか、水分が減ったのか、筋肉が減ったのかでは意味が大きく異なります。

■ 筋肉量が減ってきたサインを知ろう

通常、加齢に伴い犬の体では徐々に筋肉が減っていきます。
この変化が表れ始めたころの犬の体にみられるサインをご紹介します。


・背中がゴツゴツしてきた
・後ろ足(太もも)が細くなった
・お尻周りが痩せてきた
・尻尾が上がらなくなってきた
・首を下げていることが増えた

といった変化は、犬の筋肉量が低下し始めていることを示している可能性があります。

体重が維持されていても筋肉が減っているケースもあれば、体重が減った原因の多くが筋肉だったというケースもあります。

シニア犬の食事を考えよう

筋力を維持することの重要性を意識したうえで、改めてシニア期の犬たちにとってどんな食事が最適なのかを考えていきましょう。
これまでのシニア犬の食事というと、「カロリーを減らすこと」が重視されてきました。ほかには「タンパク質を控えること」も見られます。しかし、筋力を維持することを踏まえるとこの常識は最適なシニア期にとって適した食事とは言えなくなってきています。

繰り返しになりますが、シニア期に目指したいのは、単純に体重を減らすことではありません。余分な脂肪は増やさず、筋肉をしっかり維持しながら健康的な体を保つことです。そのためには、筋肉の材料となるタンパク質をはじめとした栄養素を適切に摂取することが重要。体重や年齢だけで食事内容を判断するのではなく、犬の体型や活動量、健康状態に合わせてフード選びをしていきましょう。

■加齢とともに変化するタンパク質利用効率

シニア犬では、若い頃と比べて体のさまざまな機能が変化します。そのひとつが、摂取したタンパク質の利用効率です。

筋肉は常に分解と合成を繰り返していますが、加齢に伴って筋肉をつくる働きは少しずつ低下していきます。そのため若い頃と同じ栄養を同じくらいの量、同じように摂取していても、以前と同じように効率よく筋肉を作れなくなっていくのです。さらにシニア犬では、食が細くなったり、一度に食べられる量が減ったりすることも少なくありません。ただでさえ減少していく筋肉が、さらに合成されにくくなり、食事量の低下によってタンパク質摂取量そのものも不足すると、筋肉量の減少はさらに進みやすくなっていきます。

■筋肉維持のために必要な栄養とは

筋肉を維持するために最も重要な栄養素は、筋肉の材料となるタンパク質です。

特に肉や魚などに含まれる動物性タンパク質は、必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、吸収を考えるとシニア犬の筋肉維持のサポートで重要な役割を果たします。
また、筋肉の健康を維持するためにはタンパク質だけでなく、適切なエネルギー摂取も必要です。エネルギーが不足すると、体は筋肉を分解して不足分を補おうとするため、筋肉量の減少につながることがあります。
さらに、オメガ3脂肪酸やビタミン、ミネラルなども健康維持には欠かせません。これらの栄養素は体のコンディションを整え、活動的な毎日を支える役割を担っています。

つまり、シニア犬の食事では「タンパク質だけを増やせば良い」のではなく、筋肉維持を助ける栄養素もバランスよく摂取することが大切なのです。

腎臓が心配な犬はどう考えるべき?


シニア犬の食事について調べていると、「高タンパク」と「腎臓への負担」という言葉を目にすることがあります。そのため、「筋肉維持のためにタンパク質は必要だと分かっていても、腎臓のことを考えると増やしてよいのか不安」という飼い主さんも少なくありません。

実際のところ、シニア犬の食事管理では「年齢」だけで判断するのではなく、「現在の健康状態」を基準に考えることが大切です。

特に腎臓については、健康なシニア犬と腎臓病を抱える犬とでは食事の考え方が異なります。犬の状態を正しく把握したうえで、その子に合った栄養管理を選択することが重要です。

POCHIが考えるシニア期の栄養管理

シニア犬の食事を考える際、つい「何歳になったからシニア用フードへ切り替える」といった年齢で判断をしがちです。しかし実際には、同じ年齢でも活動量や筋肉量、体型、健康状態は一頭ごとに大きく異なります。

POCHIでは、シニア期の栄養管理において大切なのは、健康寿命を支えるためのコンディション維持だと考えています。

年齢を重ねた犬で特に意識したい、筋肉量。それには筋肉は歩く、走る、立ち上がるといった運動機能だけでなく、代謝や免疫、病気からの回復力にも関わる重要な組織です。
シニア期の食事では、必要以上にタンパク質を制限するのではなく、良質な動物性タンパク質をしっかり摂取しながら適切な体型を維持することが大切だと考えています。

たとえば、POCHI ボディヘルスシリーズは、元気で美しいシニア期を迎えるために、若いうちからできることをコンセプトに開発したドッグフードです。
うちの子がいつまでも自分の足で歩き、食事を楽しみ、元気な毎日を送るための取り組みをサポートします。

まとめ

シニア犬の健康寿命を考えるうえで、筋肉は大切な「資産」です。加齢とともに筋肉量や筋力は少しずつ低下し、サルコペニアが進行すると運動機能だけでなく、代謝や免疫力、病気からの回復力にも影響を及ぼします。そのため、シニア期の体重管理では単に体重を減らすことではなく、筋肉を維持しながら適切な体型を保つことが重要です。

うちの子の筋肉量や活動量、健康状態に合わせて若いうちから栄養管理を行うことが、健康寿命を延ばすことにつながります。

年齢だけで食事を判断するのではなく、犬がいつまでも自分の足で歩き、元気に暮らせる体づくりのために、今日の食事選びが、数年後の犬の健康を支える第一歩になる可能性を大切にしていきたいですね。