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2026.09.16
犬の聞こえは老化のサイン?シニア犬の聴覚と認知機能の関係を解説



監修:獣医師 菱沼 篤子
犬の栄養指導や犬の健康に関する専門知識を持つコンサル担当スタッフとして、さまざまな飼い主のお悩みを聞いている。
シニア期は、穏やかに過ごす時間が多くなります。その一方で、「最近名前を呼んでも反応しない」「来客に気づかなくなった」といった変化に気づくことはありませんか。
そんな様子を「年齢のせいかな」と感じていても、実は聴力の低下が関係しているかもしれません。
シニア犬では加齢に伴って聴力が低下していくことがあります。また近年では、聴覚と認知機能との関係にも注目が集まっています。
この記事では、耳が遠くなったサインや聞こえの変化が生活に与える影響、認知機能との関係、そして聞こえの健康を支えるためにできることをご紹介します。うちの子との穏やかな毎日をより長く続けるために、ぜひ参考にしてください。
シニア犬の聴力低下とは?耳が遠くなる原因
犬は人間よりも優れた感覚を持っているといわれています。
代表的なものは、やはり嗅覚。人と犬の鼻の違いのポイントは、“嗅上皮の大きさ”、“におい受容体の種類の数”、“鼻の外側の構造”です。犬は人の30倍の大きさの嗅上皮を持っていて、受容体の種類は約2倍。さらに、人にはない鼻鏡という鼻先の構造が、空気を効率よく取り込むのを助けるため、犬は人よりもはるかに嗅覚が優れているといいます。
犬種にもよりますが、犬は人間の約100万倍~1億倍鋭い嗅覚を持っているといわれています。
また、嗅覚についで素晴らしいのが聴覚。
聴覚の鋭さを表す指標はいくつか存在しますが、とくに犬が優れているといわれているのが、可聴範囲(聞こえる音の周波数範囲)です。
人間が聞き取ることができる周波数は、約20キロヘルツが上限となっていますが、犬は約65キロヘルツの音まで聞き取ることができるとされています。周波数が高い音ほど高音となるので、人間が聞き取れない音域まで犬たちは聞き取ることができているということですね。
また、犬は1km以上離れた場所で出た音であっても聞き取ることができるともいわれています。とくに興味、関心を持った音に対する反応は素晴らしく、飼い主が帰宅する足音などにいち早く気が付くということはご存じの方も多いのではないでしょうか。
■飼い主とのコミュニケーションと聴覚

犬と暮らす人間は、毎日たくさん犬に話しかけています。
名前を呼んだり、「ゴハン」「オヤツ」「散歩」といった言葉、「マテ」「オスワリ」「ヨシ」といったコマンドなど、犬たちは多くの言葉を浴びて過ごしているものです。
犬同士のコミュニケーションではフェロモンやニオイで情報交換を行いますが、犬と人間の間では「音」が非常に重要なメッセージを持つツールになっています。
2014年学術誌「サイエンス」にて発表された研究では、犬は人の声の感情を脳の特定の部分で処理していることが判明しました。これにより、犬は言葉だけでなく、その口調や感情にも反応していることがわかります。現在では、犬は「言葉を理解している」というよりも「音と感情」を理解していると考えられるようになっています。
これだけ素晴らしい能力を持っているということは、同時に様々な情報を聴覚からも得ているということにつながります。人間と暮らすうえで犬にとっての聴覚は嗅覚と並んで(それ以上に)非常に重要な感覚の一つになっているのです。
老犬の耳が遠くなったときに見られるサイン
■ 加齢による聴覚の変化とは
シニア犬になると、耳の中で音を感じ取る細胞や、その情報を脳へ伝える神経の働きが徐々に低下していきます。
・感覚細胞の減少
耳の奥にある内耳には、音の振動を電気信号に変換する「有毛細胞」と呼ばれる感覚細胞があります。こうした細胞は加齢とともに減少し、一度失われると再生しにくいとされています。
そのため、犬も人間同様に高い音や小さな音から聞こえにくくなり、次第に日常生活のさまざまな音への反応が鈍くなっていきます。
・神経機能の衰え
音を感じ取れていても、その情報を脳へ伝える神経機能が低下すると、音を正しく認識する力が弱まります。
若い頃はすぐに反応していた呼び声や物音に気づくまで時間がかかったり、どこから音が聞こえているのかわかりにくくなったりすることもあります。

■ こんなサインはありませんか
聴力の低下はゆっくり進行するため、毎日一緒に過ごしている飼い主さんほど変化に気づきにくいものです。次のような様子が見られたら、年齢による聴覚の衰えが始まっているかもしれません。
・呼んでも反応しない
以前は名前を呼ぶとすぐ振り向いていたのに、何度呼んでも反応しないことが増えていませんか?
「わざと無視しているのかな」と思ってしまうこともありますが、実は声が聞こえづらくなっているかもしれません。
・寝起きで驚く
近くまで行って声をかけても気づかず、触れた瞬間にびっくりして飛び起きることはないでしょうか?
これは周囲の音を十分に察知できなくなり、人の接近に気づきにくくなっているサインの一つです。
・後ろから近づくと気づかない
これまでなら足音で反応していた犬が、後ろから近づいても振り向かなくなった場合も聴力の衰えが影響しているかもしれません。
聴力が低下すると、特に自分の見えていない方向からの音を捉えにくくなるためです。
・来客に反応しない
インターホンや玄関ドアの開閉音に敏感だった犬が、来客時にも眠ったままだったり、反応を示さなくなったりすることも。落ち着いて過ごせるようになって、静かになって安心した……とも言っていられないのが現実です。
それは犬が年齢を重ねて耳が聞こえにくくなってきた証拠なのです。
聴力の衰えは完全に防ぐことは難しいものの、犬の変化を理解し、驚かせないよう正面から声をかけたり、ジェスチャーを取り入れたりすることで、これまでと変わらない密度でコミュニケーションを取ることができます。
犬の聞こえと認知機能の関係

近年は、シニア犬の健康を考えるうえで、「聞こえ」と「認知機能」の関係にも注目が集まっています。
犬にとって音は、ただ耳に届く情報ではありません。飼い主の声や家族の足音、散歩中に聞こえる鳥の声や風の音など、日々の暮らしを彩る大切な刺激。だからこそ、聞こえの変化は生活の質だけでなく、心や脳の活動にも影響する可能性があると考えられています。
犬は毎日、さまざまな音から周囲の状況を理解しています。
朝起きて家族が動き始めたこと。大好きな人が帰宅したこと。キッチンから聞こえるごはんの準備の音。そんな何気ない音のひとつひとつが、犬にとっては「今日もいつも通りだね」と安心と幸せを感じるメッセージなのです。
しかし、聞こえが低下すると、そうした情報が少しずつ届きにくくなります。
これまで自然に受け取っていた刺激が減ることで、外の世界とのつながりが薄れたように感じてしまうかもしれません。音情報は脳への重要な刺激のひとつであり、その刺激が減少することが認知機能の健康に影響する可能性が指摘されています。実際、人間の認知症では難聴が認知症の進行リスクとして広く認知され、対策を取られるようになってきました。
もちろん、聞こえの低下だけで認知機能の変化が起こるわけではありません。しかし、高齢になった犬の健やかな毎日を考えるうえで、「まだ聞こえているかな?」と普段から気にかけてあげたいですね。
シニア犬の聴覚ケアでできること

聞こえの変化は加齢とともに起こる自然な現象です。しかし、日々の暮らしのなかで工夫を取り入れることで、犬が受け取る刺激を維持したり、コミュニケーションをサポートすることで犬たちの聞こえ・認知機能の低下を緩やかにすることは可能です。
これからも変わらない時間を一緒に過ごすために、今日からできることを考えてみましょう。
■ 日常的なコミュニケーションを大切にする
犬の聞こえを意識するうえで、最も大切なのは毎日のコミュニケーションです。
優しく名前を呼ぶ。
一緒に遊ぶ。
散歩に出かける。
そんな当たり前の時間こそが、犬にとって大切な刺激になります。
たとえ聞こえが少しずつ低下していても、飼い主の表情や動き、触れ合いから伝わる情報はたくさんあります。散歩中に立ち止まって景色を眺めたり、好きな場所の匂いを嗅いだりする時間も、脳への良い刺激になりますよ。
シニア犬との暮らしでは、「何か特別なことをする」よりも、「いつも通り一緒に過ごす」ことが何より大切なのかもしれません。
聞こえの健康を支える栄養ケアという選択肢

体の健康と同じように、聴覚や認知機能の健康も日々の栄養と深く関係しています。
シニア期は若い頃と比べて身体機能が変化するため、年齢に合わせた食事や栄養サポートを検討することも選択肢のひとつです。
最近では、聴覚や認知機能の健康維持に着目した成分やサプリメントの研究も進められています。
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POCHI 認知・聴力 H61株 乳酸菌
難聴予防に関する研究データがある乳酸菌H61株を配合。
これまでにないアプローチでシニア期の健康維持を支えます。
※乳酸菌H61株は、マウスを使用した実験で乳酸菌H61株を含有する飼料を与えた結果、加齢に伴う聴覚神経細胞死の割合が軽減されることが実証されています。
POCHI 認知・聴力 H61株 乳酸菌 は、これまでにない「犬の聴力」を維持することを目的として作られたサプリメント。
H61株 乳酸菌は、継続的に摂取することで加齢に伴う聴覚神経細胞死を緩やかにするサポートができることが分かっています。つまり、継続的な摂取で聞こえの健康維持ができる、これまでにない乳酸菌なのです。
無味無臭なので、こだわりが強い犬にも与えやすく、そのまま食べさせるほか、砕いて粉末状にしたり、フードに混ぜてみても嫌がる子が少ないのもポイント。頑固になってきた老犬がへそを曲げてしまうと厄介ですが、大好きなゴハンは美味しいまま、これからも健やかな聞こえを維持するために始められる新習慣です。
もちろん、乳酸菌ですのでおなかの健康維持にも役立つ成分。お腹の調子を崩しやすい子のお守りとして、末永く飼い主とのコミュニケーションを取るために、ぜひシニア犬にお試しいただきたい自信作です。
おわりに
犬にとって聞こえは、飼い主との絆を感じるための大切な感覚です。名前を呼ぶ声、ごはんの準備をする音、家族が帰ってくる足音。そのひとつひとつが、犬たちの日常を彩るかけがえのないメッセージです。年齢を重ねるにつれて聞こえは少しずつ変化していきますが、家族とつながりたい気持ちまで変わることはありません。
だからこそシニア期には、見た目や足腰の変化だけでなく、「聞こえ」の健康にも目を向けてあげることが大切です。聴覚の変化を理解し、接し方を工夫しながら、コミュニケーションや栄養面からサポートしていくことは、老いを迎えた犬の安心感やQOLの維持にもつながります。
いつもの声、いつもの暮らし、いつもの幸せを少しでも長く届けるために。シニア犬との毎日をより豊かなものにする新しい健康習慣として、ぜひ今日から「聞こえのケア」を意識してみてはいかがでしょうか。
参考文献
*1 農研機構「乳酸菌H61株によるマウス聴力老化の抑制」Oike H. et al. (2016) Scientific Reports 6:23556.Andics et al. (2014) Voice-sensitive regions in the dog and human brain. Science. https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nfri/2016/nfri16_s03.html