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2026.10.14

そもそも「好き」って何だろう? ①《RETRIEVER + POCHI archive082》

そもそも「好き」って何だろう? ①《RETRIEVER + POCHI archive082》

イラスト=テメル華代

監修=和田美帆

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

「楽しい」「うれしい」「心地よい」etc 犬にとっての「好き」って何だろう。

犬にとって「好き」には、生まれつき持つ先天性のものと、飼い主との暮らしの中で生まれる後天性のものがあります。食べることや安心できる環境など、本能的な欲求を満たすものに加え、「飼い主と一緒にいると安心する」「好きな遊びをすると楽しい」といった経験の積み重ねからも「好き」は生まれます。

「好き」という感情は、犬の心身にもさまざまな影響を与えます。飼い主との見つめ合いやスキンシップによって、オキシトシンというホルモンが分泌され、幸福感や安心感を引き出し、信頼関係の形成につながります。また、好きなことを通してにおいを嗅いだり遊んだりすることは、知的好奇心を満たし、ストレス解消や脳の活性化にも役立ちます。犬にとって「好き」は、幸せを感じるだけでなく、心身の健康や飼い主との絆を育む大切な要素なのです。

「好き」から生まれる幸せ

犬が「好き」と感じるものは、単なる気晴らしになるだけでなく 犬の心とカラダを活性化&安定化し、健康で幸せな毎日を送るための土台になっています。

■1.心身の欲求が満たされ満足感を得られる

毎日決まった時間に与えられる食事や、安心できる場所での休息、清潔な生活環境など、生きるための基本的な欲求が満たされることは、満足感を得るために欠かせないものです。また、においを嗅ぐことやカラダを動かすことを含め、探索や狩猟など、犬種や個々の性格に合った「好き」を楽しむことで、本能的な欲求を満たすと同時に、精神的な満足感を得ることもできます。

■2.習慣化することで安心できる


犬は本質的に習慣を好む動物です。散歩、食事、就寝・起床などの時間を一定にさせると、犬は一日の流れを理解し、「もうすぐ食事がもらえる」「次は散歩に行ける」など、毎日の生活リズムを予測できることで安心感を得ます。犬も一日1回は7時間以上眠り続ける必要があることからも、よりリラックスして眠るためには規則的なパターンが大切です。質の高い睡眠は、疲労や病気からの回復を促したり、記憶を定着させたりする働きがあります。

■3.喜び&達成感でヤル気や意欲がアップ

遊びやトレーニングなど、「好き」を通して本能的な行動欲求を満たすことは、脳にいい刺激を与えてくれます。そこから犬が幸せを感じるのはもちろん、好奇心や探求心が刺激されるため、報酬(ごほうび)として食べ物を得た時には、単に食べ物を与えられるよりも達成感があります。達成することで飼い主にほめられたり認められたりすることは喜びとなり、やる気や意欲の向上にもつながります。

■4.体力や認知機能の向上&維持で心身が健康に

散歩や遊びなど、「好き」を通して運動量が増えることで、肥満の予防や筋力の維持、心肺機能の向上など、身体的な健康維持につながります。また、飼い主との触れ合いや他の犬との交流など、さまざまなコミュニケーションで五感を使い、脳機能を刺激することは、認知機能の維持にも役立ちます。さらに、適切な運動習慣に加え、「好き」によるリラックスした状態は、心拍数や血圧の安定など、生理的な効果をもたらすともいわれています。

■5.幸せホルモンでリラックスが向上&ストレスを軽減

飼い主との触れ合いやアイコンタクトなどにより、「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンやセロトニンが分泌されます。これによりストレスが軽減して気分が安定します。不安や孤独感が和らいで、安心感と幸福感がもたらされます。また、ほめられた時や欲求が満たされた時などには、エンドルフィンやドーパミンというホルモンが分泌され、快感をもたらし、やる気や意欲の向上にもつながります。

出典:『RETRIEVER』 vol.122/そもそも「好き」って何だろう?

*1 監修=和田美帆わだ みほ。獣医師。日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)卒業。2003年に「ファミリー動物病院」(現・千葉どうぶつ総合病院)を開業し、現在副院長、動物行動診療科医長。2011年に「犬と猫の学校 amie」設立、2015年に獣医行動診療科認定医取得。