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2021.05.19

タピオカをドッグフードの原材料目線でチェック!犬も太りやすくなる?アレルギーの可能性は?

タピオカをドッグフードの原材料目線でチェック!犬も太りやすくなる?アレルギーの可能性は?

ドリンクですっかり定着したタピオカ。もちもちとした食感がくせになる、と話題になりましたが、タピオカはドッグフードの原材料としても広く使用されている食材のひとつです。もちろん、ドッグフードにモチモチ食感はほとんどありませんが、一体なぜドッグフードの原材料としてタピオカは使われているのでしょうか?
今回はドッグフードの原材料としてタピオカを使用する際のメリットと特長についてご紹介します。

タピオカってどんなもの?

まずは基本情報として、タピオカがどんなものなのかについてご紹介します。
タピオカはキャッサバという芋の仲間のデンプンから作られます。キャッサバには人間にも犬にも毒性を示す物質・シアン化水素が含まれています。そのため、キャッサバをそのまま食べることはできません。
もちろん、タピオカに加工する際にはキャッサバから有毒な成分を取り除く工程が存在していて危険性はありません。
キャッサバ自体は非常に栽培が楽な作物で、なんと地面に根を刺すだけで増やすことができるそうです。そのため、南米やアフリカでは広く炭水化物源として栽培、使用されている作物です。

毒を抜く加工が必須なこともあり、日本国内では生の状態で輸入されることはほとんどなく、毒性がないタピオカパウダーなどの形で輸入されています。
タピオカパウダーはドッグフードにも使用される食材ですが、ドッグフード視点で見るとどんなメリットがあるのでしょうか?

タピオカの炭水化物に注目!

タピオカをドッグフードに使用するメリットを考えるために、タピオカの成分をチェックしていきましょう。
タピオカの特長のひとつは、炭水化物(デンプン)にあります。
タピオカに含まれるデンプンは、日本の米と同じような分子で構成されており、そのため日本米に近いもちもちとした食感を生み出しています。タピオカはほかのデンプンと比較しても粘りが強く糊のような使い方もできるので、ドライフードの粒形成に最適です。グレインフリーのレシピにも穀物の代わりとして使用されます。


【100gあたりのタピオカパウダーの成分分析】
エネルギー:346kcal
タンパク質:0.1g
脂質:0.2g
炭水化物:85.3g
灰分:0.2g


タピオカの成分分析表をチェックしてみると、タンパク質や脂質がほとんど含まれておらず、ほとんどが炭水化物となっています。炭水化物にはデンプン、水溶性・不溶性の食物繊維が含まれています。

タピオカをドッグフードに使用するメリット

これらの特長を持っているタピオカをドッグフードに取り入れるメリットには以下のものがあります。

 

■ドッグフードの形を整えるのに役立つ

タピオカには強い粘り気があるので、栄養源というよりドッグフードの粒の形を一定にするために使用されることがほとんどです。ドッグフードの製造においては、生肉の含有量を増やすとドッグフードの粒の大きさや形を維持することが難しくなります。嗜好性を上げるために生肉を増やしているフードとタピオカの相性は良いといえます。

 

■水溶性、不溶性食物繊維の両方を含む

食物繊維には、腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維と便のかさを増やし、腸を刺激してウンチをしやすくする不溶性食物繊維の2種類があります。タピオカには水溶性食物繊維、不溶性食物繊維がどちらもバランスよく含まれています。

 

■タンパク質をほとんど含まずアレルゲンになりにくい

タピオカを構成する栄養素のほとんどが炭水化物で、タンパク質はほとんど含まれていません(0.1g/100g)。じゃがいも(1.6g/100g)やさつまいも(1.2g/100g)などの他のイモ類と比較してもとくにタンパク質量が低い食材といえます。
食物アレルギーは、食べ物に含まれるタンパク質に対して免疫細胞が反応することで起こります。タンパク質を含む食材は等しく食物アレルギーのリスクがあると言えますが、同じようにドッグフードの粒を形作るなどの使われ方をするイモ類などの中では、とくにアレルギーになるリスクが低い食材のひとつであると言えます。

おわりに

今回は、ドリンクに使用されることでおなじみのタピオカをドッグフード目線でチェックしてみました。
タピオカは穀類を含まないドッグフードを作る際には、非常によく使われている原材料のひとつです。
ドッグフードの原材料としても長く使用されてきたタピオカですが、犬にとっての炭水化物源として、そしてドッグフードの製造のサポートとして再度注目されつつあります。
人間にとってはタピオカは嗜好品としての特長(モチモチとした食感など)がありますが、ドッグフードではフードの粒を形作るために重要な役割を担っている材料の一つといえます。