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2025.11.20

秋こそ犬の健康診断を!半年に1回が理想な理由と秋の注意点

秋こそ犬の健康診断を!半年に1回が理想な理由と秋の注意点

春は予防接種やフィラリア予防で自然と動物病院へ足を運ぶ飼い主さんが多いですが、秋は通院の頻度が下がる傾向があります。
しかし、犬は人よりもはるかに早く年を重ねるため、健康診断は半年に1回が理想です。
本記事では、秋に健康診断を受けるべき理由と、チェックしたいポイントを解説します。

犬の健康診断、なぜ秋にも受けるべき?

春に比べて病院へ行く機会が少ない秋こそ、体調の変化を見逃しやすい季節です。
夏の暑さ疲れが残っている犬も多く、知らないうちに内臓や関節に負担がかかっていることもあります。
人よりも早く年を取る犬にとって、秋の健康診断は「体のリセット」と「冬への備え」の意味を持ちます。


【春と秋の違い】秋は受診が減りやすい

春は狂犬病予防接種やフィラリア検査など、予防医療の季節であるため、自然と病院へ行く機会がある一方で、秋はイベントも多く、また天気が変わりやすいので通院を後回しにしがちです。

しかし、夏の疲れが出る時期こそ体調変化に気づくチャンスともいえます。
とくに高温多湿の時期を乗り越えた後は、肝臓や腎臓に負担が残るケースもあるとされています。
秋に健診を受けることで「夏バテの影響」や「冬に備える体調づくり」を反映した健康管理がしっかりできます。

また、動物病院は秋~冬が比較的すいていることが多く、ゆっくり丁寧に検査を受けやすい時期です。
健康診断では、血液や尿検査、レントゲン、エコーなど複数の項目があり、1頭あたりの検査時間が長くなりがちです。混雑期を避けることで、落ち着いた環境で健康チェックが行えます。


犬の加齢スピードを考える

犬は人間よりも速いスピードで年を取ります。
一般的に、犬の1年は人間の7年に相当するといわれています
そのため、年1回の健診では、わずかな変化を見逃してしまうリスクも考えられるでしょう。半年ごとにチェックすることで、早期発見、早期対応がしやすくなります。


シニア犬こそ年2回の健康診断をすすめる理由

一般的に7歳を過ぎると「シニア期」と呼ばれますが、犬種や体格によっては3~5歳ごろから加齢変化が始まることもあります。
腎臓病、心臓病、関節疾患など、加齢にともないリスクが高まる病気を早めに見つけることが大切です。

実際には「もっと早く気づけていたら」と後悔する飼い主さんの声も少なくありません。定期的な血液検査やレントゲンで異常を早期発見できれば、治療費の負担も体へのストレスも軽く済みます。

秋の健康診断でチェックしたいポイント

病院での検査と聞くと、「病気が見つかったときだけ受けるもの」と思われがちですが、健康診断は今の健康状態を知るための大切な機会です。
とくに季節の変わり目である秋は、夏の疲れや気温差の影響で弱い部分が出やすい時期です。
ここでは、秋にチェックしておきたい主なポイントを紹介します。


夏の疲労による内臓のダメージ

夏の暑さや湿度による脱水、食欲不振、軽い下痢などは、一見回復して見えても内臓には負担が残ることがあります。
とくに肝臓や腎臓は、体の老廃物を処理する臓器のため、夏の疲れが蓄積しやすい部位です。

秋の健康診断では、血液検査で肝機能(ALT・AST)や腎機能(BUN・クレアチニン)を確認してもらうと安心です。早期に数値の変化を捉えることで、慢性疾患の早期発見にもつながります。
「元気そうに見えるけれど数値が悪くなっていた」といったケースも珍しくありません。季節の変わり目こそ、目に見えない内側のケアを心がけましょう。


体重増加・秋太り

涼しく過ごしやすい秋は、犬の食欲も戻りやすく、文字通り「食欲の秋」を迎えます。
一方で、夏の運動不足が続いてしまうと、摂取エネルギーが消費量を上回り体重増加や肥満につながることもあるでしょう。

肥満は糖尿病や関節疾患、心臓病などのリスクを高めるため、健康診断時に体重と体型(BCS)を確認してもらうことが大切です。
普段より体重が増えている場合、食事量やオヤツの見直しを検討しましょう。栄養バランスを保ちながら、脂質控えめかつたんぱく質が豊富なフードに切り替えるのも効果的です。


関節や筋肉の衰え

夏の暑さで散歩時間が短くなると、犬の筋肉量や関節の柔軟性が低下しやすくなります。
とくにシニア犬では、運動不足が続くことで足腰の衰えや関節痛につながることもあります。

秋の健康診断では、歩行状態や関節の可動域、筋肉量のチェックもしてもらいましょう。
普段の生活では、無理のない軽い運動やストレッチを取り入れ、筋力維持と血流促進を意識すると、冬の寒さにも強い体づくりにつながります。

病院が落ち着く時期を活かして医療と栄養の両面で健康チェックを

春は狂犬病ワクチンやフィラリア検査などの予防医療が集中し、夏は暑さによる体調不良で来院が増えるため、病院はどうしても混み合いがちです。
秋の健診は、病気の早期発見だけでなく、食事や生活を見直す絶好の機会でもあります。
季節の変化に合わせて栄養バランスを調整することで、体調維持や免疫力アップにもつながります。


秋~冬は病院が落ち着くシーズン

秋から冬は1年の中でも比較的落ち着く病院が多いため、検査や診察の時間をじっくり確保しやすい点が大きなメリットです。
健康診断は血液・尿検査、エコーなど複数の項目を行うため、1頭あたりに時間を要します。
混雑する季節よりも、落ち着いて丁寧に検査が進めやすい他に、静かな環境は犬の緊張を和らげ、ストレス軽減にもつながります。


診察後は生活・食事面の見直しも一緒に

健診で得たデータをもとに、日常のケアをアップデートしましょう。
たとえば肝機能や腎機能の数値に変化があれば、低脂肪、高タンパク質の食事やオメガ3脂肪酸の補給を検討するなど、早めの栄養調整が大切です。

獣医師や動物看護師に相談することで、食事や運動を含めた総合的なサポートを受けられます。
秋の閑散期は、医療と栄養の両面から犬の健康を見直すチャンスです。

まとめ

犬は人よりも早く年を取るため、健康診断は半年に1回が理想です。
秋は「夏の疲れをチェックし、冬に備える」体調管理に適した季節で、病院も落ち着いており、ゆっくりと検査や相談ができるタイミングです。

定期的な健診に加えて、日々の食材選びやストレスケアを見直すことで、年齢を重ねてもいきいきと過ごせる体づくりができます。
今の元気を長く保つためにも、この秋はぜひ犬の健康診断を受けてみましょう。