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2019.12.06

日本の犬の縁起物、犬張子ってどんなもの?健康と犬の関わり[#selfishな歴史犬聞録]

ポチスタッフもそうなのですが、日本人は縁起物が好きな民族といわれます。この時期だと、商売繁盛の熊手を新調した、という方もいるかもしれませんね。もう少しすると年末年始の羽子板や獅子舞が、そういえばおせち料理なんかは縁起の良い食材ばかりを使いますし、来年も福よこい!という気持ちになります。年末年始はなにかと縁起物と触れ合う時期ですね。

さて、そんな日本の縁起物の中にも「犬」がいます。今でも変わらず熱心なコレクターがいるという犬張子。改めてみると顔つきは犬…よりも猫?というような気もしなくはないですが、犬です。くるん、と巻いた尾が日本の犬らしくて可愛いですよね。

本日はそんな犬張子の由来の縁起の良いお話をお届けします。

日本の縁起物・犬張子とは?

犬張子は生まれたばかりの子どものお宮参りに使われる、子犬の形をした人形のこと。お宮参りといえば、生まれたばかりの赤ちゃんが神様にご挨拶をすると同時に、無事に1ヶ月育ったことを報告することで、その地域の神様にこれからも健康と健やかな成長を願う機会でもあります。

この犬張子、愛知県の熱田神宮が発祥の地と言われています。生まれたばかりのパピーたちは最初は目も見えず、ころころとした見た目で弱々しく鳴いて、ママのミルクを飲むくらいしかできませんが、数ヶ月もすると犬らしく成長していくようになりますよね。
このパピーのようにすくすくと大きく成長して欲しい、という願いを込めて作られたものと言われています。

犬は健康な成長の象徴

実は犬たちが子どもの成長と結び付けられるようになった歴史は古く、平安時代から存在している風習でした。平安時代には、「子どもの額に犬の文字を書いておまじないにする」ということが広く行われていたようで、貴族の子どもたちや東宮(天皇の息子)もこのおまじないを行って、「犬のように元気いっぱいに育つように」と願いを込められていたのだそうです。
この子どもたちの額にかかれた文字は「いんのこ(犬の子)」と呼ばれて、子どもが成長してからもおまじないに使われていたのだとか。例えば、子どもが病気に苦しんでいたり、なかなか寝付かないときには「いんのこ、いんのこ」と唱えることでなだめたりもされていたのだとか。

犬の成長の様子は、昔の人々にとっても非常に身近だったということですね。また、当時は現代と比べて子どもが健康的に成長し、大人になることが非常に少なかったといわれています。そんな人々にしてみれば、ぐんぐん成長してあっという間に大人になる、そんな犬たちの姿は一種の憧れでもあったのかもしれません。

パピーの時間は一瞬、だからこそ素晴らしい

犬たちの成長は嬉しくもありますが、飼い主としては可愛らしい時期が一瞬で過ぎ去っていってしまうのは寂しさも感じます。でも、その成長の早さも犬たちが健康で元気だからこそのものですよね。
昔の人々が犬の子どもたちが瞬く間に大きくなり、立派に犬としての務めを果たしていくことを見て、犬のように元気に育って欲しいと願ったように、私たちも犬たちのように元気いっぱいに楽しく過ごしていきたいものです。
冬の寒さが厳しくなっていくと、体調を崩しやすくなってきます。そんな時期こそ、犬たちの姿から元気をもらい、健康に気を遣って過ごしていきましょう。