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2019.11.12

犬の故事成語・ことわざ講座 ~粤犬雪に吠ゆ(えっけんゆきにほゆ)~

人々と長く過ごしてきた犬たちは、さまざまな形で私たちの文化にも関わって来ました。昔の人々から伝えられてきた言い回しや表現にも、犬たちが登場します。そこには「犬って○○だよね」という昔の人々が犬たちに抱いてきた印象やイメージなどが反映されています。
昔の人々が見てきた犬たちの姿を映す鏡として、犬たちが登場する故事成語やことわざ、慣用句を紹介します。

~粤犬雪に吠ゆ(えっけんゆきにほゆ)~

粤犬雪に吠ゆ(えっけんゆきにほゆ)

《出典》
中国の古典 柳宗元『答韋中立論師道書』


《意味》
暖かい粤(越・えつ)の国で育った犬たちは、初めてみた雪には吠えてしまうのが当たり前だ。同じように、初めて見たものや聞いたものには大げさな反応を示してしまったり、警戒してしまう人もいるだろう。

どういった場面で使われる?

11月も半ばになると、北海道や高度が高い地域ではそろそろ初霜が見られたり、雪が降るようになってきますね。日本では童謡の『ゆきやこんこ』で犬たちは雪が降ると喜んで庭を駆け回る、と表現されていますが、温暖化の影響なのか、POCHIのある東京では雪が降るのは珍しいことになっています。日本で暮らしている犬たちの中にも、普段の散歩コースが雪で覆われて、いつもと違う!という経験が少なくなっているかもしれません。

今年生まれたパピーたちや、暖かい地域で育った犬たちにとっては、雪は不思議がたくさん詰まった存在のはずです。そんな犬たちは警戒してしまうことも、大げさに吠えてしまうことも自然な反応ですよね。
でも、雪に向かって「これ、なんだろう!?」と興味津々で吠えている犬の姿を想像すると、なんだかちょっぴり微笑ましくありませんか?

今年の冬も犬たちのワクワクした声の「ワンワン」が聞こえるといいですね。