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2025.04.14
犬のための、安心して寝られる環境づくりを《RETRIEVER + POCHI archive014》
イラスト=花島ゆき
構成・文=RETRIEVER編集部
「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)
「うちのコ、寝てばかり」と言う飼い主は多いと思います。
それもそのはず。昼寝に夜の熟睡と、犬は人間以上に寝る生き物なのです。
犬達の快眠のために飼い主がすぐにできることをご紹介します。
そもそも睡眠とは?
人や動物が生きていくために、睡眠は欠かせません。脳を守り、修復し、よりよく活動させていくエネルギー源が寝ることなのです。
人の場合、23時~7時ぐらいまでの約8時間が睡眠に適した時間帯といわれますが、犬はそれ以上、昼寝も含めてトータルで一日12~15時間寝るのが一般的です。
人間がレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(熟睡)を繰り返すように、犬も短い周期でこの二つを繰り返し、ほとんどはレム睡眠が占めています。そのため犬はすぐに起きるのです。
犬には人間以上に睡眠が必要
人や動物の「睡眠」については、まだ解明されていないことが多いですが、実際、犬は人間よりも多くの睡眠時間を取り、子犬や老犬ならさらに一日の多くの時間を寝ることに費やします。
ただし、犬の睡眠は、野生の名残もあって、そのほとんどがノンレム睡眠なので、家族のそばで昼寝をしているような場合は、すぐに起きてしまうでしょう。もともと夜行性だった犬が、人間との生活に合わせて現在は昼行性に変わっているので、夜は熟睡させてあげることが望ましいです。そうすると、ストレスなどからの体力のリカバリーや身体的成長が促されます。
大型犬の場合は、通常よりもこまめな温度や湿度の調節を心がけ、その他、シニア犬の過度の睡眠には病気が隠れていることもあるので、かかりつけ医に相談してみるといいと思います。
より心地よく寝るための、安眠条件
★刺激が必要だけど、非日常は苦手
夜の安眠のために、昼間できることをしておきましょう。
例えば、十分な運動や遊びによる刺激です。特に午前中にたくさん動けば、交感神経と副交感神経のバランスがよくなり、 夜の熟睡につながります。
また、犬は非日常行動(動物病院、シャンプーやトリミングなど)が苦手です。そうしたイベントからの帰宅後は、 疲れから爆睡するはずです。
不慣れな非日常行動はできるだけ短めにすませましょう。
★安心して寝られる寝床を用意
犬が安眠できる快適な自分の巣(寝床・寝場所)を設けることです。
昼寝のためでも、犬用ベッド(ふかふかだったり、アゴがのせられる縁があるものや弾力性のあるものなど)、暗くて中にこもれるクレートなど、 犬が好みで選べるよう、できれば数カ所用意をします。
家のリビングであっても、犬が昼寝中は人の出入りを避けて、室内は適切な温度管理をしましょう。
★飼い主と一緒に寝る それが犬の幸せ
飼い主と一緒に寝るのが、犬にとって一番の安心なのです。ただ、お互いに熟睡できる工夫も必要です。
一緒に寝るベッドのサイズを大きくしたり、飼い主のベッド横に犬のベッドを置くなどするといいでしょう。
非常時に備えて、飼い主の指示でベッドからすぐに下りたり、そのベッド以外の場所(クレートなど)でもきちんと寝られるようにしつけることも大切です。
出典:『RETRIEVER』Vol.107/安心して寝られる環境づくりを
*1 監修=石野孝、相澤まな いしのたかし。『かまくらげんき動物病院』院長。麻布大学大学院獣医学研究課程終了。日本ペットマッサージ協会理事長。最新の西洋医療と伝統的な東洋医療を融合させた動物達に優しい治療を行なっている。 あいざわまな。『かまくらげんき動物病院』副院長。麻布大学大獣医学部卒業。日本ペットマッサージ協会理事。ホリスティック医療を得意とし、治療に取り入れている。著書に『犬のツボ押しBOOK-ワンちゃんの病気予防と健康管理に-』(石野院長と共著、医道の日本社)他、多数。


