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2022.08.17

【#大きな犬と】分譲高層マンションで大型犬と快適ライフ。その秘訣と楽しみ方

【#大きな犬と】分譲高層マンションで大型犬と快適ライフ。その秘訣と楽しみ方

同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、遊びや食事や健康といった暮らしの情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)



今回のとっておき情報住環境

分譲のタワーマンションで大型犬と暮らす飼い主さんに、大きな犬とのマンション生活のメリットや楽しみ、ちょっとした工夫ポイントまで、幅広くうかがいました。

一軒家から大型犬OKの分譲マンションへ

東京都23区内在住の内山さんは、6歳のゴールデン・レトリーバーのロータスくんと快適なタワマン高層階ライフを送っています。
内山さんは25年前から、複数のゴールデン・レトリーバーと暮らしてきました。最大で3頭の多頭飼育をしていたことも。
「ずっと一軒家に住んでいて、マンション暮らしを始めてからまだ5年も経っていません。けれども、マンションでの大型犬との生活は予想していたよりも良いものですね。というのは、一軒家にいた頃より、マンションだと敷地内でたくさんの方に会うこともあって、ロータスをかわいがってくれる人との交流がぐっと増えたんです。夕方よく会うお子さんにも『あ、ローちゃん!』と声をかけてもらってロータスもうれしそうです」とのこと。

都内中心部でも快適なお散歩コースがたくさん

都内中心部でも快適なお散歩コースがたくさん

5代目ゴールデンのロータスくんと分譲マンションに移り住むにあたり、内山さんが重要視していたはマナー面です。
「賃貸マンションならば、もし犬が原因のトラブルなどが発生したら退居するという解決策が取りやすいでしょう。けれども、分譲マンション購入後はそう簡単には引っ越せません。なので、うちの子がみなさんに好かれてマナーよく過ごせるように、人慣れや犬慣れには力を入れました」
このように語る内山さんはマンション入居前から、多くの子どもたちや犬と、ロータスくんを散歩中などに触れ合わせたと言います。
その甲斐もあり、そしてもともとロータスがおとなしい性格だったこともあり、マンションに引っ越してから一度もほかの人や犬に吠えたりしたことはないそうです。

空や屋外の景色を眺めるのもロータスくんの日課

空や屋外の景色を眺めるのもロータスくんの日課

もうひとつ吠えにくい理由として、タワマンの高層階には外を歩く人の話し声やバイクや台車の音など、犬が警戒心を抱きやすい音が聞こえにくい点もあるでしょう。
実際に、外界音が届きにくいうえ、内廊下がカーペット敷きで台車の音が気にならないタワマンに引っ越してから警戒吠えが減った犬も少なくありません。
タワマンの中~高層階で犬と暮らすメリットは、こうした点も挙げられます。

マンション共有部の大型犬との利用時の便利アイテムとは?

内山さんが住んでいるマンションには、複数のエレベーターがあります。
「ロータスと乗っているのは、運送や宅配業者さんなどが主に使用するエレベーターです。マンションの規約では、犬とエレベーターに乗る際は抱っこまたはカートに入れることとなっています。うちの子はもちろん抱っこできるサイズではないので、全身を隠せる大型犬用カートを使用しています」
実は1度、カートのタイヤの空気が抜けてしまって内山さんが自身の手で空気を入れたものの失敗し、自転車店でメンテナンスを行ったとか。
「ロータスは36kgあって重いから、カートにも毎日使用していれば負荷がかかりますよね。カートが壊れるとタワマンからうちの子を外に連れ出せなくなってしまうので、これからは年に1回はカートのメンテナンスを心がけます」

エレベーター利用時はこのカートを活用

エレベーター利用時はこのカートを活用

なお、全国には、犬が乗車していることを知らせるサインが点灯するエレベーターを備えているマンションもあります。
ほかの犬や人が苦手な大きな犬とのマンション暮らしを考えている場合、このような工夫がなされたマンションを探すのも良いでしょう。

「カートに関しては、前面がビニールになっているタイプを選びました。
理由のひとつは、ロータスはそれほど体臭がしませんが、前面がビニールなだけでも臭いが漏れにくいので。私はうちの子の臭いは愛おしく感じますが(笑)、犬を飼っていない方は気になるかもしれないですよね。
もうひとつは、ロータスもまわりの様子が見えると安心できて、警戒心がむしろやわらぐみたいだから。
また、このカートは前輪が回転するので、広くないエレベーターやマンション共有部の廊下でも小回りが効いて扱いやすいんですよ。このようなカートが、マンション生活にはおすすめです」

カートから出て楽しい散歩。「ボクはドッグショーに出たこともあるから颯爽と歩くよ」

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大型犬とのマンションライフでの災害時への備え

大きな犬とのタワマン生活で内山さんが特に気をつけているのは、フードなどの備蓄です。
「地震や台風など、日本は災害が多いですからね。もしエレベーターが止まったら、高層階は買い物に苦労するはず。私は内山商店という犬連れOKのワインバーを経営していますが、お客さんから聞いたアドバイスをもとに、最低1ヵ月分のドッグフードはローリングストックをしながら備蓄しています。もちろん、私と共有できる飲料水も」

停電してしまうと、冷蔵庫が使用できません。
ウェットフードの場合は1回使い切りのパウチタイプが、ゴミの量も少なく便利です。

ゆったりマンションライフ。発災時の家具の転倒や落下物が少なくなるよう、部屋はなるべくすっきりと

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大きな犬とのタワマンライフの楽しみは?

内山さんは、出かけるのが億劫になりがちなタワマン高層階ライフでも、ロータスくんがいるからこそ散歩に出かけて生活のメリハリがつくと語ります。
「毎朝6時頃にロータスと家を出て、1時間半ほど散歩します。上層階からの景色とまた違う眺めに、私だけでなくきっとロータスもワクワクしているのではないでしょうか」
夕方は、さまざまなカフェをロータスくんとめぐるのも、内山さんの楽しみのひとつ。
「『15分ほどすると、さぁママ帰宅の時間だよ』とロータスが促してくれるんですよ(笑)」

自宅で内山さんがロータスくんと遊ぶスペースには、タイルカーペットが敷かれています。
「ロータスの足腰に負担がかからないのと、下層階への音を軽減したいので敷きました」

誰でも大好き! お客さんにもこのとおり甘えています

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ロータスくんは遊び疲れると、そのカーペットに後ろ脚を投げ出して外を眺めたりもするそうです。
「たまたま、ベランダ柵が透明なガラス素材なので、目線の低い犬たちでも外を見られるんです。犬は近視なので、どの程度、どのように見えているかはわかりませんが」

そして夜は、一軒家時代よりも物音が気にならない静かな寝室で、ロータスくんは内山さんと同じベッドでぐっすり。ときどきニヤっとした表情を浮かべるというロータスくんは、翌朝の散歩で出会うガールフレンドの夢でも見ているのかもしれません。

最近は全国的に、ペット可物件のなかにも大型犬と暮らせる分譲マンションが増えています。物件紹介サイト内に「大型犬可」という検索項目が設けられていたり、大型犬OKマンションを専門に探せるサイトもあります。
大きな犬とのマンションライフには、内山さんが語るとおりメリットも楽しみも多いもの。大きな犬とマンションで暮らすという選択肢も、みなさんも工夫次第で十分に実現可能です。

内山さんとロータスくん。低めのソファなのでロータスくんも昇降がラク

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ライター:臼井 京音



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