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2018.06.08

ローズヒップ

ローズヒップ

今回ご紹介するのは、ハーブティーや入浴剤の材料としても大人気の「ローズヒップ」。
梅雨の時期にオススメのハーブ、「ローズヒップ」は、今の時期はもちろんのこと、 現代の動物をとりまく環境を考えると、一年を通して、ぜひ食事にプラスしておきたいハーブのひとつです。なんと言っても他のハーブや食材と合わせやすく、またローズヒップのすばらしい栄養素をほとんど壊すことなく身体に吸収できるとても器用な食材といえます。
少し長くなりますが、「なるほど!」や「使えるかも!」を、少しずつ説明していきますね。

6月のおすすめハーブ「ローズヒップ」

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●ローズヒップ
学名: Rosa canina
別名:ドッグローズ
使用部位:実部
有効成分:

フラボノイド配合体、フラボノイド(ルチン・ケルセチン)、リコピン、ビタミンC、A、D、B、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、カルシウム、鉄、ケイ素、セレン、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛など

こんな時に:
健康維持、老化防止、免疫強化のためのビタミンC補給にオススメです。

ローズヒップって、どんな植物?

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ローズヒップは、ブルガリアやチリをはじめ東欧、北欧などが原産の植物で、 ヨーロッパ北部、西部アジア、北アフリカに分布する落葉低木の植物です。

現在では、ハイビスカスとブレンドされ、鮮やかなルビー色のハーバルティーとして有名でもあり、 世界中でよく知られている野バラの実。

別名「ドッグローズ」と言われる由来は、ローマ時代に狂犬病によいとされたことから、ラテン語で「犬のバラ」を意味する名前がつけられ、 また、犬が散歩中に自らローズヒップを食べることから、英語ではそのまま「ドッグローズ」、 動物たちの美味しくて栄養のある自然の治療薬と言われ親しまれています。
現在では、成分的にビタミンCを豊富に含有し、果実が手榴弾のような形をしていることから、「ビタミンCの爆弾」なんて物騒な呼ばれ方も。

ローズヒップの歴史

ちょっとだけ逸れますが、ローズヒップの歴史を少しだけ。
チリに自生するローズヒップの原種のバラ(ローサモスケータ)は、 ヨーロッパの侵略に最後まで戦った部族の守護神として祀られていたそうです。
ビオビオ地方に住むアラウカノ族では、ローサモスケータこそが スペイン支配者達が数世紀にわたり捜し求めていた「不老の秘薬」であったと言い伝えられているそうです。
ローマ時代には薬物誌に記され、中世ドイツの最初の女医であり、医学・薬草学にたけ、 音楽家、詩人でもあった修道女ヒルデガルド・フォン・ビンゲンの著書にもローズヒップの処方が残されています。

一般的に知られているローズヒップの栄養素

ほのかな酸味があるローズヒップは、 古くから食品として、お茶、ジャム、スープなどとして利用されてきた経緯があり、 中国の伝統医学では、ナニワイバラ(Rosa laevigata Michx.)の果実が 「金桜子(キンオウシ)」と呼ばれ、腎臓や泌尿器の不調時に使用されています。

ローズヒップは、多くのビタミンやミネラルを含有し、注目すべきはオレンジの10倍、レモンの20倍と豊富に含まれるビタミンC。
ローズヒップ100gに、およそ1000mgのビタミンCを含有しているといわれています。
ビタミンC以外にもビタミンE、P(バイオフラボノイド)、 鉄分、リコピン、ミネラルなどの天然の栄養素を豊富に含みます。

1年を通しておすすめしたい理由

ローズヒップの栄養素は、それぞれが単独で働くのではなく、 お互いのバランスをおぎない相乗効果を発揮する成分構成になっているところ。
ローズヒップからとりいれたい栄養素をほとんど壊すことなく身体に吸収できるので、 ドライフード・手作り・生食など、どんな食事スタイルにも、ぜひ、犬の食事にプラスしていただきたいのです。

ローズヒップには熱からビタミンCを保護するといわれているバイオフラボノイド(ビタミンP)や酵素が含有されており、
たとえば、ビタミンCは熱に弱く加熱すると壊れやすい栄養素ですが、 更にリコピンにより体内で吸収されやすくなっています。
また、ローズヒップ全体を摂取することで、 ビタミン、ミネラルが同時に補うことができ、相乗効果から新陳代謝を促し、様々な病気予防、健康維持にも役立ちます。

マンガン、カルシウムなどの身体の生理機能の働きを良くするミネラルも豊富に含み、ペクチンや果実酸によって尿や便への自然な働きかけも行います。

ローズヒップの抗酸化作用と犬たちの健康

ビタミンCは犬の体内で作られるので、プラスして取り入れるのにあまり意味がないように思われていましたが、 血液中の活性酸素を除去する働きがあることから、「抗酸化ビタミン」のひとつとして、また、 ウィルスや癌の増殖を阻止するインターフェロンという物質の生成を促進し、 コラーゲン生成を促進するためにもかかせ

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ない

養素だったり、 抗ストレスホルモンであるステロイドの合成にも関わっていたりするので、 様々な病気予防、健康維持はもちろんのこと、 健康な皮膚、粘膜、関節組織を保つために外せな

い栄養素なんです。
ビタミンCは水溶性なので過剰の場合は尿から出ます。

でももし、不足しているようだったら‥‥。
自然の木の実、ローズヒップは、とっても使いやすくてありがたいハーブですよね。

そして最近、微量のタンニン酸が胃腸の粘膜の保護や便通を整えるのに有効であるという研究結果も得られています。 また、ローズヒップのホールの中に入っている種に、 内臓脂肪を減らす成分(ポリフェノール類のティリロサイド)が含まれていることがわかり、 ローズヒップはますます注目を集めているんですよ。

ココロにもひと役かっています。

実は、精神的なことにも関係しているビタミンC。緊張・不安・恐れなどの精神的なストレスが過度にかかると副腎皮質ホルモンを分泌させて、全身の防衛体制を整えようとします。
その防衛体制を整えるために貢献している栄養素のひとつがビタミンC。
犬は体内でビタミンCを生成することができますが、日常生活でのストレスや暑さ・寒さ・有害物質の 多い環境の影響などから、現代社会の中で犬が十分なビタミンCを生成しているかは疑問が残ります。

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現代だからこそプラスしたい大切な栄養素が、ビタミンCなんです。
特に、大型犬、シニア犬、仔犬、妊娠・授乳中の犬のほか、 合成能力を低下させるような病気や疾患をもつ犬なら、より多くのビタミンCが必要です。

ぜひ、意識的に補給することを心がけたいですね。

そしてなにより、今回ピックアップした理由は「ストレス」。
梅雨の季節は、気温差による体調不良、湿気、ストレスなどで免疫力が低下しやすく、感染による皮膚トラブルが起こりやすかったり、 もともとアレルギーがある犬は皮膚の状態が悪化しやすくなる傾向があります。
梅雨を元気に過ごし、これから迎える暑い夏に負けない丈夫な身体作りのために、 ハーブの中でも使いやすくて、効率よく栄養素の吸収が出来るローズヒップを、どうぞ、お役立ててください。

■ こんなときにオススメ

★ローフード(生食)、手作りご飯の栄養バランスを補うための天然のサプリメントとして
★病中病後など、ビタミンCを生成する機能が落ちているときのビタミンC補給に
★夏の暑さによるダメージ回復やアジリティ、長時間のお散歩の疲労回復を補うために
★怖がり、過敏な愛犬、緊張しがち、興奮症気味な愛犬のストレスを感じたら
★粘膜の保護、便通を整える、皮膚、関節組織を保つためなど、日々の健康維持に

*1 【この特集の資料提供】Urara Herb Design Lab. フィトセラピスト 堂山うらら氏 現在、ホリステックケアアドバイザーとして人と犬へのフィトセラピーを中心としたカウンセリングや、人と犬のクオリティ・オブ・ライフに役立ち、犬と一緒に楽しめるフィトセラピー講座、ハーブ講座を行っている。

DOG's TALK

フィトセラピスト 堂山うららさん

さぁ、ハーブのやさしいチカラをかりて、今よりもっとHappyな毎日をスタートしましょう。