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2025.09.25

特典が満載!優秀な犬の飼い主が得られる資格「RDOL」とは?~南半球のDog's letter~

特典が満載!優秀な犬の飼い主が得られる資格「RDOL」とは?~南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報を、自然豊かな南半球に位置するニュージーランドからお届けします。今回は、ドッグフレンドリーな環境ならではの責任ある飼い主にだけ与えられるライセンスについてご紹介します。

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドこの記事を書いた人:グルービー美子ブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

犬の飼い主に与えられるNZのユニークな資格

 日本とニュージーランドでは犬を飼う上でのルールが異なりますが、そのうちのひとつがRDOL(Responsible Dog Owner Licence)。日本語に訳すると「信頼できる犬の飼い主ライセンス」で、優秀と認められた飼い主に与えられる資格です。一体どのような資格なのか、どのように取得するのか、RDOLを詳しくご紹介します。

RDOLを取得できるのはどんな飼い主?

RDOLのパンフレット。主な犬ルールが記載されており、これを読んで理解すれば試験に合格できます。

RDOLのパンフレット。主な犬ルールが記載されており、これを読んで理解すれば試験に合格できます。

RDOLの認定を行っているのは各自治体。取得プロセスは自治体によって異なりますが、システムはほぼ同じです。そのため、例えば南島クライストチャーチでRDOLを取得した後、北島オークランドに引っ越したとしても同等の資格として移行することができます。

筆者が暮らすオークランドのRDOL申請条件は、①飼い主の年齢が16歳以上であること、②初めて犬を登録してから1年以上が経過していること、③過去1年間に犬管理法に違反していないこと、④犬の登録料を滞納していないことなど。条件を満たしている飼い主が犬の飼育に関する筆記テストに合格すると、RDOLが得られます。この資格は一度取得すれば生涯有効ですが、犬管理法に違反したり、期限までに犬の登録料を納めするとはく奪されることがあるそうです。

RDOLの筆記試験とは?

RDOLの筆記試験はどのようなものなのでしょうか?
オークランドの場合、試験は全20問。そのうち18問以上正解すれば合格となります。20年前に資格を取得した知人によると、当時は市役所へ出向いたそうですが、現在は申請も受験もオンラインまたは郵送で可能。20問中18問とはなかなか狭き門なのでは?と思いましたが、実施に試験を受けてみると設問は全て四~五者択一で、公式サイトからダウンロードできるパンフレットを読みこめば解けるシンプルな問いばかりでした。また、もし不合格となっても合格するまで再受験できます。ただし自治体によっては受験料がかかるので、しっかり勉強して一発合格を目指したいものです。

RDOL取得者の特典とは?

RDOLを取得するいちばんのメリットは毎年支払う犬の登録料が割引されることでしょう。ニュージーランドでは毎年犬の登録料が必要で、国の財政年度7月1日~6月30日を一区切りとしています。登録料は自治体によって変わりますが、オークランドの場合、2025/26年度は1頭につき未去勢177NZドル(約1万5399円)、去勢済み127NZドル(約1万1049円)と決して安くありません。
これがRDOLとなると1頭につき未去勢89NZドル(約7743円)、去勢済み76NZドル(約6612円)とおよそ半額に。その年度の割引を受けるには5月30日までにRDOLを取得しておかなければなりませんが、もし間に合わなくても次年度から割引されます。

犬にまつわる法律

ニュージーランドには1996年に定められた犬管理法があり、RDOLを維持するには前述のとおりこの法律に反しないことが絶対条件。そのなかには2006年に改正となったマイクロチップ装着義務も含まれており、違反すると資格がはく奪されるだけでなく、300~700NZドル(約2万6100~6万900円)程度の罰金が科せられます。
犬管理法以外にそれぞれの自治体が設けている犬ルールもあり、随時アップデートされるのでうっかり規則を破らないよう定期的にチェックしなければなりません。例えばオークランドでは2026年1月施行の犬ルール改正で1人が一度に散歩できる犬の数が最大4頭(認可を受けているドッグウォーカーの場合は12頭)に変更されるそうです。

日本よりさまざまな面でゆったり緩い印象のあるニュージーランドですが、実は犬のルールひとつとっても意外と細かいのです。RDOLならずとも犬を飼うということはそれだけ責任を持たなければならないのだと感じます。