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2025.09.29

大切なのは散歩の長さより内容だった!《RETRIEVER + POCHI archive034》

大切なのは散歩の長さより内容だった!《RETRIEVER + POCHI archive034》

写真=今井卓
構成・文=RETRIEVER編集部

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

肥満や健康状態に影響する「散歩の内容」

忙しい飼い主にとって、散歩の時間を今より長く確保することはなかなか難しいかと思います。しかし、時間の長さだけでなく内容が大切なのは、人間の運動と同じです。犬にとってどんな散歩内容がいいのか、考えてみましょう。

ながら散歩禁止!歩く速度も意識しよう

散歩の運動量を考える時、つい散歩の頻度と時間の長さに注目しがちです。ですが、2013年スコットランドの研究で、肥満の犬は日常生活での身体活動の総量が少ないという結果が出ています。つまり、運動の時間の長さだけではなく、内容に注目する必要があるのです。例えば、普段の犬との散歩の時、どのぐらいの速度で歩いているでしょうか。実は、大型犬が普通に歩く速度は、人間にとって速歩きから小走りぐらいなのです。人間が普通に歩く速度だと、大型犬にはゆっくりに感じます。最近はスマホを見ながらダラダラと散歩している飼い主を見かけることもありますが、これではほとんど犬の運動にはなりません。せめて普通の速度で歩き、たまに速歩きや小走りを取り入れましょう。
今回は、犬の満足度を上げて頭と筋力を使わせることができる運動として、犬版パルクールを紹介していきます。

筋力と頭を使う犬版パルクールに挑戦:Challenge1【脚のせ】

街中にある段差や切り株に、あえて脚をのせさせてみましょう。前脚を上げる動きは、太モモの前側の筋肉を使う運動になります。最初は面積が大きく、段差の低いものから始めます。ただし、人間が土足でのらない椅子などには、犬がのるクセをつけないように気をつけましょう。

■Step1

脚をのせたい対象に近づけたら、ごほうびをあげます。嫌がる素振りが見えたら、ここでやめます。

■Step2

対象に前脚をのせたら、ごほうびをあげます。 最初は片脚だけにしたり、短時間から始めて、徐々に時間を延ばします。

■Step3

両前脚をのせられるようになったら、今度は後ろ脚ものせて、4本脚がのったらごほうびをあげます。

■Step4

対象から下りる時に、後ろ脚だけのった状態でも止めて、ごほうびをあげます。

筋力と頭を使う犬版パルクールに挑戦:Challenge2【くぐり抜け】

首から背中と下半身の筋肉を使うのが、くぐり抜ける動きです。街中にある柵などを使ってもいいですが、飼い主の両脚の間をくぐらせる動きなら、何もなくてもできます。飼い主の体勢をだんだん低くして、運動強度と難易度を上げていきましょう。

■Step1

犬にマテをさせた後、片手にごほうびを持ち、犬の前に足を広げて立ちます。

■Step2

股の間から犬にごほうびを見せて、誘導でくぐらせます。「スルー」などの合図をつけてもいいでしょう。

■Step3

股の間をくぐれたら、ほめてごほうびを与えましょう。徐々に誘導なしでもくぐれるようにします。

■Step4

飼い主が立った状態でできたら、 次の段階では飼い主の体勢を低くしていくと、より筋力を使う運動になります。

筋力と頭を使う犬版パルクールに挑戦:Challenge3【スラローム】

公園や道にあるポールや柵を使って、ごほうびで誘導し、ジグザグに通らせたり、8の字で回らせたりしてみましょう。胴体を曲げる動きが斜筋に効きます。できるだけ 左右両方を均等に行うようにすると、バランスがよくなります。

出典:『RETRIEVER』vol.114/「大切なのは散歩の長さより内容だった!」

*1 監修=浅野里実。あさのさとみ。犬との暮らし方コンサルタント、ドッグトレーニングインストラクター 。「Perrito」主宰。ほめて教える基本のトレーニングに加えてスケボーやサーフィンの講習も。