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生肉とミールの違いについて

インターネット上には昔の古い情報と最新の情報が入り乱れ、さらに圧倒的な情報量が私たちを混乱させます。
たとえば「家禽肉」。家禽(かきん)とは、その肉・卵・羽毛などを利用するために人が飼育している鳥の総称ですが、なぜか悪いイメージを持っている人もいます。 また、「レンダリング」という言葉もそうですが、これは人用に原料を加工する際のある工程を指します。しっかり理解したうえで、ここでは、ドッグフードに使われている原材料の中でも、とくに体を作るタンパク源で一番気になるところでもある「肉」についてのお話です。
鶏胸肉とチキン(生・骨抜き)とチキンミール、いずれもドライフードの原材料として使われるもので、ペットフードの安全基準も厳しくなりつつありますが、乱暴な輸入元は原材料表示をすべて日本語の「鶏肉」としてしまうことも見受けられます。確かに鶏肉製品ではありますが、今まで誰も語らなかった具体的な違いを少しだけ検証したいと思います。

 鶏胸肉

商品名:カット胸肉
国産のブロイラーの胸肉です。輸入キチンよりは高価なものの、地鶏やブランド鶏、オーガニックチキンよりは安く、牛肉などに比べ、日本で手に入る肉としてはかなり安価といえます。食料品店、スーパーで販売されるもの、つまり、私たちの食卓に登場するものです。比較的安価な肉とはいえ、フードの原材料としてはかなり高価な部類となり、国産のこだわりフードでしか使われていないと思われます。

●メリット
なんといっても人間用食品基準に合致した安全性の高い原材料になります。また、生肉を使うということは加工工程が少なくなり、タンパク質変性が最小に抑えられると思われます。

●デメリット
ササミ肉やヒレ肉のように極端に脂肪分のない部位以外の肉は、大体タンパク質と脂質が同程度、鶏肉でタンパク質の方が弱冠高め、牛肉になると逆転も見られます。すなわち、生肉を多く使うと脂肪分も多くなる傾向が見られますので、栄養バランスの調整が難しいといえます。
生肉は、当然ですが同じ種類・部位であっても脂質の含有量などは個々に違いがあります。
生肉には水分が65%以上含まれていますので、ドライフードの原材料としては大変扱いにくいものです。生原材料が多いと製造過程でドロドロになり、うまく粒にまで持っていけないようです。

●スペック
580円/kg・・・ある国産フードメーカーがかなりがんばって仕入れたときの価格目安。
若鶏胸肉皮付き:タンパク質19.5% 脂肪 11.6% 水分 68%(五訂増補 食品成分表より)
この値から胸肉から得られるタンパク質は、100gあたり約297円となります。

 チキン(生・骨抜き)

正式原材料名は、MDM(Mechanically deboned meat):機械でガラから剥ぎ取った肉です。
チキンナゲットの原材料で有名になってしまいましたが、ソーセージ、ハンバーグ、ハムなどの原料に使われるれっきとした人間用の食材です。

●メリット
生肉を取った後の副産物的要素もあり、生肉に比べ安価。また、人間用の食品基準にも合致しており、安全性についても安心できます。

●デメリット
ミンチ状となっており、混ぜものがあってもわかりにくい。たとえば、骨を砕いても混ぜても分かり難い。チキンの場合、生肉に比べ脂肪分が高く、ドライフードの配合する場合、タンパク質を高くすると脂肪分まで高くなってしまいす。

●スペック
120円/kg・・・ある国産フードメーカーがかなりがんばって仕入れたときの価格目安。
タンパク質 15% 脂肪 18% 水分65%
MDMから得られるタンパク質は、100gあたり約80円となります。

 チキンミール

チキンミールは、ト畜の際に出る脂身、クズ肉、皮、筋、腺など(AAFCO基準では骨は入っても許されており、羽、頭(head:鶏頭)、足(feet:もみじ)、内臓は入れてはならないことになっている)を集め、加熱して脂肪分(鶏脂肪)を取る工程(レンダリング)をした残渣(ざんさ)を乾燥させて粉状にしたものです。
生肉を取った残渣からレンダリングで得られる動物性脂肪は人間の食材として販売できるため、その残渣は非常に安く入手可能です。

●メリット
脂肪分を取っていますから、タンパク質含有比率が高く、ドッグフードでは脂質分を上げずにタンパク質含有量だけをあげたい場合に適しています。
他のタンパク質源に頼らず、高タンパク低脂質フードを作ることが可能です。
乾燥肉粉ですから、ドライフードの原材料としては扱いやすく、栄養成分値も一定に保つための調整が可能です。

●デメリット
もともと動物性脂肪の抽出を目的に工程が進むため、残渣の品質にはあまりこだわられない。
高温の熱が使われ、さらに乾燥工程も加わり、生肉に比べタンパク質変性はかなり進んでいると思われます。

●スペック
85円/kg・・・少量での見積のため割高になったと思われます。本格的なドライフード工場が仕入れる量ならばまだまだ安価になるはずです。
チキンミールの一般的タンパク質含有量は 65% 水分10%(小動物の臨床栄養学 第4版より)
ここから導き出されるチキンミールから得られるタンパク質は、100gあたり13円となります。

実際に、タンパク質30%のドライフードを作る場合の価格は?

実際にタンパク質30%のドライフードを作る場合

タンパク源を鶏胸肉、MDMチキン、チキンミールのいずれかを単体で使うとして、できたドライフード1kgには、タンパク質30%だから、300gのタンパク質が含まれていることになります。
タンパク質300gを得るためには、
鶏胸肉 891円
MDMチキン 240円
チキンミール 39円
かかるということになります。

ドライフードの粒画像


【ご注意】
今回の価格表示は、現時点(2016/11)で、POCHIで調べられた場合の金額です。
一般に大規模な工場が年間契約などの企業努力で、かなり安い仕入れが可能であると思われます。



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