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2021.08.10

ドイツの街角から ~ドイツの夏のお楽しみ、ごちそうベリー~

ドイツの街角から ~ドイツの夏のお楽しみ、ごちそうベリー~

*1 この記事を書いた人:pochinski スペインのマジョルカ島で保護され、家族になった犬と現在ドイツで暮らす旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

いつもの散歩道や昼間のマルクトなど、今、ケルンの街はどことなく人がまばらです。学校が夏休みに入ったこともあり、2,3週間のバケーションで国内外へと出かける人が多いためでしょう。いつもの夏ならばケルンへも多くの人々が観光に訪れますが、旅行制限などのためか、昨年に続き今年も観光客の姿は少ないような気がします。

そんな7月、やや閑散としたマルクトの八百屋には旬の果実、ベリーがたくさん並びます。ひと口にベリーと言っても種類は豊富。イチゴに始まり、ラズベリーやブルーベリー、ブラックベリー、グースベリー、カラントなど、その時々の旬のベリーが次々と店頭を飾ります。

 

レッドカラントとホワイトカラントのソースを作りました。



わが家ではマルクトに通い始めてからは、できるだけ地元産や国産、ヨーロッパ産の旬のものを買うことを心がけるようになりました。ただ、旬や産地にこだわると、フルーツが少ない冬の間はリンゴやナシを食べる日が続き、それはそれでおいしいのですが、やはりほかのフルーツの旬になる春や夏が本当に待ち遠しいのです。なので、マルクトでベリーを見かけるとついつい買い過ぎてしまいます。

 

さまざまなベリーが並ぶ八百屋さん。手前から左方向へブラックベリー、ラズベリー、ブラックカラント、2列目は右から左方向へブルーベリー、グースベリー、レッドカラント。


ところで、グースベリーやカラントなどは、日本ではあまりなじみのないベリーかもしれません。まず、グースベリーは日本語で「セイヨウスグリ」「オオスグリ」などとも呼ばれるベリーです。マスカット程度の大きさで、緑色の実が熟すにつれて赤紫色になります。熟したグースベリーをかむと、酸味のある皮の中から甘い果肉がはじけて口いっぱいに広がります。

 

買い過ぎたベリーも、ヨーグルトに入れたり、コンポートにしたり、ソースにしたりしていると、あっという間に消費してしまいます。


また、カラントもスグリの一種で、レッドカラント、ホワイトカラント、ブラックカラントなどの種類があります。房状に実るベリーで、1粒はブルーベリーよりも小さめです。特にレッドカラントやホワイトカラントは、見た目は可愛らしいのですが、酸味が強く、渋みもあり、甘味もあまりありません。このため、わが家ではサラダのトッピングに使ったり、砂糖やリキュールなどと一緒に煮てソースにしたりして頂いています。

さて、マルクトではベリーの種類が少なくなってくる頃、アプリコットやミラベル、グリーンゲージなどスモモ亜属のフルーツが目を引き始めます。ベリーとは来年までのお別れとなりますが、リンゴの季節が再び来る前に、さまざまなフルーツを思う存分味わいたいと思います。

 

我が家の小さなバルコニーでもいくつかのイチゴを育てています。イチゴの前でのひなたぼっこは、ポチンスキーの日課です。