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2022.10.13

人気ブロガー・マーティンゆうさんにインタビュー!NZのライフスタイルファーマーとは?~南半球のDog's letter~

人気ブロガー・マーティンゆうさんにインタビュー!NZのライフスタイルファーマーとは?~南半球のDog's letter~

*1 メイン画像はマーティンゆうさん宅の犬たち。右からチェイス、フォレスト、サニー。

ニュージーランド南島ワナカで小さなファームを開き、3頭の大型犬や3匹の猫、羊、アヒル、ニワトリなどたくさんの動物たちと暮らすマーティンゆうさん。ブロガー、引退補助犬サポーター、そして"ライフスタイルファーマー"として活躍するゆうさんに、NZらしい犬との生活についてお話を伺いました。

DOG's TALK

語り手:マーティンゆう

語り手:マーティンゆう

2013年よりニュージーランドの南島にて小さなファームを始め、ラブラドール・レトリバーを中心とした犬を筆頭に羊やアヒル、ニワトリや猫などの動物たちと暮らす、大人気犬ブロガー。著書に「羊の国のラブラドール絵日記」シリーズ。
日本の引退補助犬たちのサポーターとしても活動中!

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

ライフスタイルファーマーとは?

ゆうさん宅の羊。羊もペットとして育てるとかなり人に懐くらしいです

ゆうさん宅の羊。羊もペットとして育てるとかなり人に懐くらしいです

日本では馴染みのないライフスタイルファーマーですが、ニュージーランドでは特別な存在ではありません。
一般的なファーマーとの違いは、メインとなる収入源を持っていて、ファームはあくまでも副収入であること。ニュージーランドの不動産エリアはResidential(居住)とRural(田舎)に分かれており、Ruralのライフスタイルブロックと呼ばれる区画にライフスタイルファームを作ることができます。

私の暮らす南島ワナカのライフスタイルブロックは新興住宅地で、子どもたちをのびのび育てたい若いカップルやファミリーが住んでいます。
おそらく我が家の近所の区画はライフスタイルブロックとしてはサイズが小さめで(1~2ヘクタール)、どちらかといえば初心者向けだからかもしれません。
これ以上大きなサイズのライフスタイルブロックは素人には管理が大変なので、引退後のファーマーに人気が高めのようです。

 

我が家では羊、ニワトリ、アヒルなどを飼育していますが、ライフスタイルファーマーは馬好きが主流。馬と一緒に暮らしたいからライフスタイルファーマーになったという声をしばしば聞きますね。
ほとんどのファームでファームアニマル以外に犬も飼っており、馬と犬を一緒に散歩させている飼い主さんもよく見かけます。
ニュージーランドでいちばん人気の犬種はラブラドール・レトリバーで、私の住む集落で飼われている犬も21頭中9頭がラブです。でも、馬のファームではハンタウェイやジャックラッセルテリアが多いですね。
馬の餌を狙って現れるネズミを追い払うためにこうした犬種が選ばれているようです。ラブラドールは友好的過ぎてネズミを退治してはくれませんから(笑)。

ほかの動物と共存する犬たち

とってもハンサムな元保護犬、チェイスは羊と仲良し。

とってもハンサムな元保護犬、チェイスは羊と仲良し。

ファームで育った犬は羊、馬、ヤギ、豚といったほかの動物に慣れています。そのため、ファームアニマルたちを追いかけたり襲ったりといった事故が起こりにくい。
そこが都会の犬との大きな違いだと思います。

ニュージーランドではファームアニマルを襲った犬にはかなり厳しい処分が待っています。最悪の場合は安楽死も…。
時折、都会から田舎に遊びに来た犬がファームアニマルを追いかけたり傷付けてしまい、改善が難しい場合には非常に厳しい処分を下されたという悲しいニュースを聞くことがあります。

田舎には田舎のルールがあり、犬もそれに従わなくてはなりません。これも犬とファーム、そして自然の生き物がお互い安全に暮らすための決まりです。なんとなく農場というとフリーなイメージがあるかもしれませんが、犬もその飼い主もルールを守ることが前提になっていて、それを理解したうえでの自由というのが正しいのかもしれません。

ファームで生活すると、犬もほかの動物と共存することをごく自然に学ぶようです。

DOG's TALK

多くの方が犬は家族、と感じるのと同じように、ニュージーランドの人々にとっては他の動物たちも大切な家族に等しい存在だからこそ、厳しい処分となるのでしょうね。犬との暮らしには、飼い主がしっかりと他の動物たちとも上手く暮らせるように育てることがある意味「義務」ともいえるのかもしれません。

マーティンゆうさん家の先代犬、クロエとエビス。他の動物とも上手に暮らせるようになりました。

マーティンゆうさん家の先代犬、クロエとエビス。他の動物とも上手に暮らせるようになりました。

私は以前この国最大の都市オークランドに住んでおり、先代犬のクロエとエビスを連れてワナカへ引っ越してきました。
クロエはワナカ出身なのでファームアニマルへの抵抗はありませんでしたが、エビスは都会育ちだったため、来た当初は馬や牛にびっくりしていましたよ。
我が家にいるようなラブラドールがファームアニマルを襲うことは性質的に考えにくいのですが、都会から田舎へ移住した場合、犬種によってはファームアニマルに慣らすトレーニングが大変かもしれませんね。

ファームドッグになるには?

羊とラブラドール2頭。種は違っても仲良しの遊び仲間です。

羊とラブラドール2頭。種は違っても仲良しの遊び仲間です。

ニュージーランドも日本同様、犬は登録制です。
犬を登録する際にはカテゴリを選ぶ必要があり、ペット、ファームドッグ(牧羊犬)、サービスドッグなどがあり、牧羊犬として登録すると登録料がおよそ3分の1に割り引かれます。
また、飼育頭数の数も増やすことが可能に。自治体によって異なりますが、ワナカではペットの場合は1家庭につき犬は原則2頭までしか登録できないのですが、ファームドッグであれば牧場のサイズに応じて頭数を増やすことができるのです。

 

ファームドッグ登録をする場合、役所の人が訪ねてきて、本当に牧羊犬として働いているのか・その能力があるのかをチェックします。
そこでファームドッグとして認められなければペット登録になります。我が家は3頭の大型犬がいますが、全員ペット登録。役所に申請して、3頭まで飼育してよいという許可をいただきました。

私のファームには羊が8頭しかいないので、訓練次第でファームドッグ登録できそうな気もしています。近所にファームドッグを飼育している元ファーマーがいるので、トライするとしたらその人に訓練をお願いすることになるでしょう。

 

ゆうさん宅のアヒルたち。のびのびと農場で犬や猫たちとも暮らしています。

ゆうさん宅のアヒルたち。のびのびと農場で犬や猫たちとも暮らしています。

マーティンゆうさんについて

大人気ブログ「羊の国のラブラドール絵日記シニア!!」を更新中

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個性豊かな犬たちと様々な動物が織りなすNZドッグライフをお届け!

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