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2023.12.06

ドイツの街角から ~わが家に新しい"家族"がやってきました~

ドイツの街角から ~わが家に新しい

*1 pochinski: スペインのマジョルカ島などで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。

10月末、わが家に新しい“家族”がやってきました。スペイン生まれの1歳4カ月、雄のTabi、タビィです。
タビィが私たちの元へとやってくるまでの道のりについてお話します。

 

スペインから動物たちを運んできたバン

スペインから動物たちを運んできたバン

私たちが新しく家族となる犬を探し始めたのは9月頃のこと。
6月に天国へと旅立ったポチンスキーの性質と私たちとの相性が良かったことから、同じ犬種であるボーデグェロ(Bodeguero)と再び暮らすことにしました。

ボーデグェロはもともとスペインの犬ですが、ドイツにはこの犬種に特化した支援団体が仲介役となって、スペインの保護施設と連携して犬たちの引き取り手を探しています。
私たちも支援団体のサイトでタビィを見つけ、引き取りを申請。
その後、支援団体の方がわが家を訪れて簡単なインタビューを行い、結果をスペインの保護施設に報告して最終的に引き取りが認められました。

 

車内にはケージが整然と並び、犬が1頭ずつ入っています。携帯用のケージには猫の姿も。新たな家族との出会いを求めて大移動です

車内にはケージが整然と並び、犬が1頭ずつ入っています。携帯用のケージには猫の姿も。新たな家族との出会いを求めて大移動です

ボーデグェロに限らず、スペインの保護犬と暮らすことを選んだ人がドイツには多くいます。
そうした背景もあり、仲介をお願いした保護団体は、複数の保護団体と共同で毎月1回ほど、スペインからドイツへと動物たちを車で輸送しているとのこと。
通常、1台の運搬車がスペイン各地の保護施設で動物たちを乗車させてドイツへと向かい、ドイツ各地の引き渡し場所で下車させていきます。

 

長旅を終えたタビィ。移動中にお世話になったスタッフさんと

長旅を終えたタビィ。移動中にお世話になったスタッフさんと


10月末にタビィと一緒に40頭ほどの犬と猫がドイツへとやってきました。南スペインから北ドイツまで約2500㎞の距離を、動物のピックアップとデリバリーの時間を含めた日程は2日間。タビィがいた保護施設は輸送旅行の出発点だったため、私たちが暮らすケルンまでは30時間以上も乗車することになる長旅だったようです。

ケルンに降り立ったばかりのタビィ。「動きたくない」という時は、前足をクロスさせて意思表示する、面白い子です

ケルンに降り立ったばかりのタビィ。「動きたくない」という時は、前足をクロスさせて意思表示する、面白い子です

当日、ケルンの引き渡し場所で下車したのは15頭程度の犬。
1頭ずつ新しい飼い主へと迎えられる様子を見ていると、犬種はさまざまなうえ、長旅から解放されて生き生きとしている犬、おどおどとして檻から出るのを怖がる犬など、性格も千差万別でした。

さて、タビィはと言えば、下車した犬の中では1,2番の怖がり屋という印象です。
人とほとんど接することなく育った環境も大きく影響しているのでしょう。
私たちの元では安心して暮らせるのだという信頼を、ゆっくりと時間をかけて得ることが、飼い主としての私たちの最初の仕事となりそうです。