• コラム
  • フォトエッセイ

2023.08.17

Dog Snapshot R 令和の犬景Vol.29 「いつも一緒がいいね」 − 犬と入れる水族館訪問記

Dog Snapshot R 令和の犬景Vol.29 「いつも一緒がいいね」 − 犬と入れる水族館訪問記

写真・文 内村コースケ

犬は太古より人類と一緒に歩んできました。令和の世でも、私たちの暮らしにさまざまな形で犬たちが溶け込んでいます。このフォトエッセイでは、犬がいる情景を通じて犬と暮らす我々の「今」を緩やかに見つめていきます。

ペットと同伴できる希少な屋内施設

8月は夏のレジャーシーズン真っ盛り。愛犬とのお出かけを楽しみにしている人も多いだろう。でも、ただでさえペットと入れる場所が少ない日本で、年々厳しさを増す酷暑を避けられるスポットとなるとさらに限られている。日本は「ペット禁止社会」だと、ある有識者が言っていたけれど、言い得て妙だと思う。犬連れでの公共空間への出入りは原則禁止で、例外には「ペットOK」という表現が使われる。僕が子供の頃住んでいたイギリスや犬事情を取材したことのあるドイツをはじめ、多くの西欧諸国はその逆。ペットと一緒に入れるのが原則で、例外的に受け入れられない場合にNGのアナウンスがあるのが普通だ。とはいえ、最近は日本でも社会全体のバリアフリー化が進み、それに呼応するように「ペットOK」よりもハードルを下げた「ペットフレンドリー」「ペットウエルカム」な施設も増えている。

その一つ、ペットと一緒に入れる『蓼科アミューズメント水族館』に、先日、うちのラブラドール・レトリーバー「マメスケ」と一緒に行ってきた。海のない長野県の高原にある日本一標高の高い淡水魚専門の水族館。それ自体も珍しいが、カートに乗せなくてもOK、大型犬もOKと、ほぼ制約なくペットと入れる(※)屋内レジャー施設となるとさらに貴重だ。今回は、マメスケの案内で、そんな涼しげな水の世界へ!

※ペット入館規定への同意と誓約書の提出が必要。




さあ、一緒にお魚を見よう!

『蓼科アミューズメント水族館』は、八ヶ岳に登る「北八ヶ岳ロープウェイ」の乗り場のすぐそば。標高1750mの高原にあって、真夏でも30度を超えることはほとんどないんだよ。



受付だよ。ペットの入館料は310円。館内でのトラブルは自己責任だから、ここで誓約書にサインするんだよ。僕は足が悪いのでカートに乗っているけれど、館内は自分の足で歩いても大丈夫。



中はこんな感じ。お魚がいっぱい。







ぼく、本当は水が怖いんだ。でも、水のせかいは水槽の中だけだから平気だね。泳ぎ回るお魚を見て喜びすぎちゃうような子は、お魚をびっくりさせないように飼い主さんがしっかり見ててあげてね。











最初はちょっと怖かったけど、慣れるとお魚ってかわいいね。





屋根つきのドッグランも

ウーパールーパーにカミツキガメ。お魚以外にも水のいきものがいっぱい。







なんと、テラスにはドッグランもあったよ。僕たちを歓迎してくれているね。








最後に、館内のプリクラでみんなで写真を撮ったよ。家族と一緒に過ごすのが、僕たちの一番の幸せ。



■ 内村コースケ(写真家)

1970年ビルマ(現ミャンマー)生まれ。少年時代をカナダとイギリスで過ごした。早稲田大学第一文学部卒。中日新聞の地方支局と社会部で記者を経験後、カメラマン職に転じ、同東京本社(東京新聞)写真部でアフガン紛争などの撮影に従事した。2005年よりフリーとなり、「撮れて書ける」フォトジャーナリストとして、ペット・動物愛護問題、地方移住、海外ニュース、帰国子女教育などをテーマに撮影・執筆活動をしている。特にアイメイト(盲導犬)関係の撮影・取材に力を入れている。ライフワークはモノクロのストリート・スナップ。日本写真家協会(JPS)正会員。