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2023.08.30

不飽和脂肪酸は犬の認知機能などに役立つ成分!ペット栄養管理士の解説

不飽和脂肪酸は犬の認知機能などに役立つ成分!ペット栄養管理士の解説

肥満の原因や、酸化などの影響で何かと悪者になってしまいがちな栄養素、「脂肪」。しかし、脂肪を構成する成分の中には犬の健康に役立つ成分として知られるものがあります。

代表的な健康維持に役立つもののひとつが、「不飽和脂肪酸」です。
不飽和脂肪酸とはどのように犬の健康貢献してくれるのか、そしてよく言われる「認知機能」と脂肪酸にはどのような関係があるのか、摂取方法などについてペット栄養管理士がご紹介いたします。

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

不飽和脂肪酸とは?

■脂肪酸ってどんなもの?

脂肪酸とは、「脂質」の主要な構成要素です。
食品中の脂肪の9割が脂肪酸でできていて、肉の脂肪、牛乳の脂肪、魚の油、植物油など…一見違った脂肪に見えますが、その成分はほとんど脂肪酸であることは共通しています。

 

■脂肪酸の種類

脂肪を構成する脂肪酸は、分子の構造的な違いから様々な脂肪酸に分類されます。
それらの脂肪酸の中で構造が安定しているグループを飽和脂肪酸、不安定なグループを不飽和脂肪酸と呼ばれています。
飽和脂肪酸はエネルギー源として使われやすく、犬たちも体内で合成することができます。
一方、不飽和脂肪酸は、エネルギー源として使用される以外にも様々な形で活用されますが、体内で合成することができません。そのため、食事を通して一定量を摂取する必要がある「必須脂肪酸」と呼ばれるものすべては不飽和脂肪酸です。
また、脂肪酸は体内で代謝されて、例えばαリノレン酸がEPA、さらにDHAといったようにさまざまに変わります。

 

■不飽和脂肪酸まとめ

・不安定(酸化しやすい)な脂肪酸のグループ
・食事から摂取する必要がある
・エネルギー源以外の用途もある

不飽和脂肪酸の分類と特徴

不飽和脂肪酸の中にもいくつか分類があります。
それぞれの特長について紹介していきます。

 

■多価不飽和脂肪酸

犬の健康維持に最も関係する脂肪酸のグループが、多価不飽和脂肪酸と呼ばれるもので、ここにはオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸と呼ばれるものが含まれます。
代表的なものでは、オメガ3脂肪酸でαリノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコペンタエン酸などが知られています。
オメガ6脂肪酸では、リノール酸、γリノレン酸、アラキドン酸などが代表的です。
これらの脂肪酸はいずれも体内で合成することができず、食事から一定量を摂取する必要がある必須脂肪酸と呼ばれます。

 

■一価不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸は、オリーブオイルやナッツオイル、紅花油のほかアボカドなどに含まれる主な脂肪酸で、比較的酸化に強く、エネルギーとして使われにくい傾向があります。
飽和脂肪酸の代わりに摂ると人間の動脈硬化の原因となる悪玉(LDL)コレステロールを減らす働きがあるといわれていますが、犬では動脈硬化自体が多くはないと考えられていますので、人間ほどのメリットは感じられないかもしれません。

 

犬の健康維持に役立つ不飽和脂肪酸

■EPA(オメガ3脂肪酸)

EPAの正式名称は、エイコサペンタエン酸と言います。
EPAからは、体内で抗炎症作用がある成分が作られます。この成分が関節や皮膚などで起こっている炎症にも働きかけるとされています。
EPAは、筋肉が本来持っている柔軟性を維持する働きも持っていることが分かっています。関節の痛み、動きが悪くなりがちなシニア犬たちの筋力維持の両輪の働きから、関節が気になる犬の健康維持成分として、幅広い支持を集めています。

 

■DHA(オメガ3脂肪酸)

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、EPAと同様に主に魚油に含まれています。DHAは脳や神経系の健康維持に重要な役割を果たすことが知られていて、高齢になった犬の認知機能の維持に必要不可欠な栄養と考えられています。
また、パピー期の脳や神経系の発育においても必須の栄養となっていて、EPAと共に摂取量の下限が定められています。
健康的な血流を維持する働きがあることも知られていて、血流が悪くなりやすい高齢犬にとっても非常に重要な栄養素となっています。

 

■リノール酸(オメガ6脂肪酸)

リノール酸はオメガ6系の不飽和脂肪酸であり、主に植物油や種子、ナッツ類に含まれています。
リノール酸は必須脂肪酸であり、細胞膜やホルモンの合成に関与しています。適度な摂取が前提であり、とくにオメガ3脂肪酸とのバランスが重要です。
皮膚や関節に見られる炎症反応の調節に関わるといわれているため、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をバランスよく摂取することが大切だと考えられています。
また、オメガ6脂肪酸だけを過剰に摂取することはバランスを崩し、炎症の促進や慢性疾患のリスク増加につながるとの指摘もありますので、バランスのとれた食事を意識してください。必要な場合は獣医師やペット栄養管理士に相談することがおすすめです 。
また、リノール酸から代謝によって産生されるγリノレン酸には抗炎症作用で注目されています。

■ γリノレン酸について

γリノレン酸は、オメガ6系の不飽和脂肪酸で、別名「ビタミンF」とも呼ばれています。(脂肪酸なのに、別名がビタミンFです)
また必須脂肪酸の一種でもあります。

γリノレン酸は、皮膚の健康的な構造と機能を維持するために必要な成分です。不足すると水分の調節異常が起こり、乾燥を引き起こす上、皮膚のバリア機能が低下するといわれています。

γリノレン酸は、食べ物から摂取する以外にも、体内でリノール酸から合成されます。
限られた食材にしか含まれていないため、γリノレン酸は、リノール酸を通じて間接的に摂取されることが多い成分です。
しかし、リノール酸(マヨネーズや油などに多く含まれる)の摂りすぎや、ホルモンバランスの乱れ、アルコールの過剰摂取により、γリノレン酸への変換が止まり、体内のγリノレンが結果的に不足することもあります。

ちなみに、γリノレン酸の代謝が苦手でアトピー性皮膚炎になっている人間の子どもに月見草オイルを与えたところ、症状が改善されたという実験結果も出ています。

不飽和脂肪酸の摂取量

犬の不飽和脂肪酸の摂取量は、犬の体重や年齢、活動レベルなどによって異なります。一般的な目安としては、総摂取エネルギーの約5~10%が不飽和脂肪酸から供給されることが推奨されます。
オメガ6系脂肪酸(リノール酸)とオメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸、EPA、DHA)のバランスも重要です。一般的なガイドラインでは、オメガ6とオメガ3の比率は5:1から10:1の範囲を目指すことが望ましいとされています。

不飽和脂肪酸を摂取する方法

■オメガ3脂肪酸を摂取するなら

オメガ3脂肪酸を摂取する方法はいくつかあります。
一つは、魚や魚油サプリメントを摂取することです。
サーモン、マグロ、サバなどは豊富なEPAとDHAを含んでいます。
また、亜麻の種子やチアシード、くるみなどの植物性食品もα-リノレン酸を提供します。これらの食品をバランスよく食事に取り入れることが重要です。さらに、オメガ3脂肪酸のサプリメントも利用できますが、適切な摂取量や医師や栄養士の指示に従うことが大切です。健康な食事習慣とバランスのとれた食品選択が、適切なオメガ3脂肪酸の摂取をサポートします。

オメガ3脂肪酸たっぷり!サーモンオイル

オメガ3脂肪酸たっぷり!サーモンオイル

ドクターハーヴィーズ ヘルス&シャインオイル 90粒

●原材料:サーモンオイル  (カプセル成分として)ゼラチン  植物性グリセリン  水

●保証成分値
オメガ3脂肪酸 210mg以上  EPA 75mg以上  DHA 90mg以上

●給与目安量(1日量)
体重9kgあたり1カプセル、超小型犬は2~3日に1カプセル与えてください。

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ナチュラルハーベスト クリルオイル

●原材料
クリルオイル  (カプセル成分として)ゼラチン(豚由来)  植物性グリセリン

●保証分析値
粗タンパク質 33%以上  粗脂肪 44%以上  粗繊維 0%以下  粗灰分 3.5%以下  水分 7.5%以下  
○代謝カロリー 532kcal/100g

●1粒あたりの含有量(450mg中オイル260mg)
EPA 31mg以上  DHA 14mg以上  アスタキサンチン 20ppm以上  総リン脂質 104mg以上  オメガ3脂肪酸 57mg以上  オメガ6脂肪酸 8mg以下  リン 4.8mg

●給与目安量(1日):体重5kgあたり 1~2粒

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■オメガ6脂肪酸を摂取するなら

オメガ6脂肪酸を摂取する方法はいくつかあります。主な方法は植物油を使用することです。大豆油、とうもろこし油、ひまわり油など、これらの油はリノール酸を豊富に含んでいます。料理やサラダにこれらの植物油を使うことで、オメガ6脂肪酸の摂取を増やすことができます。また、ナッツや種子もオメガ6脂肪酸の良い供給源です。アーモンド、ピスタチオ、チアシード、ひまわりの種など、これらの食品を間食や食事に取り入れることで摂取量を増やすことができます。ただし、過剰な摂取は避け、適切な量を守ることが重要です。

アーガイルディッシュ ボラージオイル 30粒

ボラージオイル(低温圧搾)  ゼラチン(カプセル )

●脂肪酸組成
γリノレン酸 23.6 %  リノール酸 36.8 %  パルミチン酸 9.9 %  オレイン酸 15.2 %  ステアリン酸 4.0 %  イコセン酸 4.0 %
○代謝カロリー 10kcal /カプセル

●給与目安量(1日量)
小型犬&猫(9kg未満)   …1/3カプセル
中型犬(9kg~18kg)   …1/2カプセル
大型犬(18kg以上)    …1カプセル~
を食事の回数にわけて与えてください。
(18kg以上は9kg毎に1/4カプセルずつ増量して下さい)

対象商品を見る

不飽和脂肪酸は摂取しすぎに注意

ここまで、犬の健康維持に役立つことをお伝えしてきた不飽和脂肪酸ですが、一定量以上を摂取するとデメリットがあります。
まずは、一度に大量の不飽和脂肪酸を摂取すると、下痢や軟便になりやすくなることがあります。一般的に脂質はウンチを柔らかくし、排出させやすくするといわれています。不飽和脂肪酸も脂質を構成する要素の一つですから、不飽和脂肪酸を多く摂取しようとすると、結果的に脂質を多く取り入れることになり下痢や軟便を起こしやすくなる、という訳です。

また、不飽和脂肪酸は健康維持に役立つとはいえ、脂質ですから過剰に摂取する状態を長く続けると肥満の原因になることもあります。

おわりに

今回は犬の健康維持に役立つ成分、不飽和脂肪酸について改めてご紹介いたしました。普段与えている総合栄養食ドッグフードには必ず含まれている不飽和脂肪酸。
不飽和脂肪酸の中には健康維持に役立つといわれるオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸だけではなく、その仲間には悪さをするトランス脂肪酸もあります。
不飽和脂肪酸は、体内で色々変換されたり、使われたりしている難しい栄養素。日々の健康管理として毎日使うなら魚系のオイルがオススメです。

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