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2023.08.21

犬にサンマを食べさせるなら。適量はどれくらい?調理法は?ペット栄養管理士のオススメ

犬にサンマを食べさせるなら。適量はどれくらい?調理法は?ペット栄養管理士のオススメ

夏の終わりから秋にかけての旬の味わいである「サンマ」。脂がのったサンマは本当に美味しいですよね。美味しいものなら、犬と一緒に食べたい…と思う方も多いはず。
しかし、犬にサンマをどれくらいの量までなら与えていいの?オススメの調理法は?など、あいまいなことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、ペット栄養管理士が犬にサンマを食べさせるときの疑問にお答えいたします。
どんな栄養が含まれていて、どんな時に与えるのがオススメなのか、給与量の目安やオススメの調理法、レシピまでをまとめてみました。

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

サンマは犬にぜひ食べさせたい食材です。


サンマには犬にとって重要な栄養素が豊富です。
タンパク源としてはもちろんのこと、ミネラル類、ビタミン、そして不飽和脂肪酸などが含まれるサンマは、健康維持に大いに役立つ食材です。

とくに、旬を迎えたサンマに豊富に含まれるオメガ3脂肪酸、中でもEPAは犬の皮膚と被毛の健康維持に役立ち、関節や皮膚などの炎症をコントロールする働きを持っています。EPA同様オメガ3脂肪酸に含まれるDHAは認知機能の健康維持、神経系の健やかな成長に必須の成分です。

サンマにはタンパク質やビタミンDも含まれており、犬の筋肉の発達や骨の健康的な成長にも役立ちます。成長期の犬たちにとっては欲しい栄養がたっぷり詰まった食材となっていますので、ぜひ取り入れたいところ。
必須となる栄養素をきちんと含むサンマは手作り食の材料としてはもちろん、総合栄養食のようなバランスの取れた食事にトッピングなどの形で取り入れることもオススメです。サンマの豊富な栄養が犬の健康維持の心強い味方となってくれるはずです。

犬にサンマをオススメしたい理由について

それでは、具体的にどのような栄養素がサンマに含まれているのかをご紹介します。

■サンマに含まれる栄養価をチェック

サンマ(生)の成分表/100g中

エネルギー:287 kcal
たんぱく質:18.1g (DM:40.7%)
脂質:25.6g (DM:57.6%)
炭水化物:0.1g (DM:0.2%)

EPA:1500mg
DHA:2200mg

カルシウム:28mg
鉄:1.4mg
亜鉛:0.8mg

サンマの最大の特長は、犬の健康維持に役立つEPAやDHAといったオメガ3脂肪酸をとにかく豊富に含むこと。
なんと、オメガ3脂肪酸が豊富なことで知られるサーモン(EPA:240mg/100g、DHA:460mg/100g)や イワシ(EPA:780mg/100g、DHA:870mg/100g)をはるかにしのぐ量を含んでいるのです。
旬を迎えたサンマは脂が乗って美味しいものですが、栄養価の面でも非常に嬉しい食材という訳ですね。
それから、注目したいのはカルシウムや亜鉛といったミネラル類。サンマにはこれらのミネラル類が豊富です。とくに亜鉛は、手作り食では不足しやすい栄養素の一つとなっていて、皮膚や被毛の健康維持のためにはしっかりと摂取させたいところ。内臓や骨までしっかり食べさせることでこれらの栄養も補えますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

こんな時に犬にサンマを食べさせてみよう

とくにオススメなのが、以下の犬たちになります。

・成長期の子犬
・シニア期に入った犬たち
・認知機能の衰えが気になるハイシニア犬
・関節炎が気になる大型犬
・皮膚トラブルを起こしやすい体質の犬

犬にサンマを与えるときの目安となる量

一般に、1日のエネルギーのうち、オヤツはその1割くらい、トッピングは2割くらいまでといわれていますので、試してみるときの目安量として1割で計算してみました。

小型犬(5kg) 約39kcal(約35kcal)
中型犬(15kg) 約90kcal(約80kcal)
大型犬(30kg) 約170kcal(約150kcal)


小型犬(5kg) 13~15g
中型犬(15kg) 30~35g
大型犬(30kg) 55~65g

犬にサンマを食べさせるときのオススメ調理法

犬にサンマを食べさせるのであれば、できればその豊富な栄養素を余すことなく取り入れたいですよね。
実はサンマに豊富なオメガ3脂肪酸は高温に弱いので、オメガ3脂肪酸をとくに意識するのであれば生の刺身の状態で与えるのが理想的。ですが、新鮮な刺身は手に入りにくいので、塩はふらずに焼いてほぐしたものをトッピングとして与えてみてください。焼いた状態でも取り入れられる栄養素は豊富です。

また、豊富なミネラル類を取り入れるのであれば、内臓や骨といった部分もしっかり食べられるミンチやつみれがオススメです。
健康的な成犬(5kg以上)であれば、サンマの骨程度なら、飲み込んでも消化できます。ただ 、超小型犬の場合は骨を取り除いておくと安心です。

ペット栄養管理士がオススメするサンマを使ったレシピ

■【犬の手作りレシピ】サンマの柔らかトマトスープ煮込み

■《足りない栄養、簡単チェック付》手作り食チャレンジ!青魚を練り込んだ『お魚バーグ』。

おわりに

犬にとってサンマは、適量を与えれば健康維持に役立つ成分を豊富に含む食材の一つといえます。脂がのった魚は、与えすぎると軟便になりやすかったり、エネルギー過多になる可能性もあるので注意しましょう。

調理法については、EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸に重きを置くのか、タンパク質やミネラルといった栄養に重きを置くのかによって、オススメの調理法は変わります。小型犬や子犬に与える場合、骨はなるべく取り除くか、細かくミンチにしてから与えることをオススメします。ブレンダーなどの調理器具はとても進化していて使いやすいので、活用したいですね。

犬の健康の基本はバランスのとれた食事です。体に良い成分が含まれるからと言ってそればかり与えると、体調を崩すきっかけになってしまいかねません。いつでもバランスの良い食事をベースに、お楽しみは適量を与えるようにしましょう。

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