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2026.01.28
ビーツはシニア犬におすすめ?栄養素・効果・与え方を管理栄養士が解説
ビーツは「奇跡の野菜」とも呼ばれる野菜です。真っ赤な色が特徴的ですが、実はシニア犬の健康維持に非常に役立つパワーを秘めています。
今回は、ペット栄養管理士の視点から、なぜビーツがシニア犬におすすめなのか、理由と注意点を解説します。
ビーツはシニア犬に良い?
ビーツはシニア犬にとってメリットの大きい食材です。特に「巡り」と「守り」の力が、衰えを感じ始めた体に優しく作用します。
+抗酸化作用・スムーズな血流の維持・免疫サポートが期待できる
ビーツの鮮やかな赤色は、ベタレイン系ポリフェノールによるものです。この成分には強い抗酸化作用があり、体内で増えやすい活性酸素の除去に役立つとされています。また、ビーツに含まれる硝酸塩は体内で一酸化窒素に変換され、血管を広げて血流をスムーズにする働きがあります。
シニア犬では末梢血流の低下が起こりやすく、次の不調にオススメです。
✔ 冷え
✔ 関節のこわばり
✔ 疲れやすさ
寒い季節は血行不良や免疫低下が起こりやすく、冬のシニア犬と特に相性の良い野菜といえます。
+与えすぎNGや腎疾患への注意点もある
ビーツは体によい野菜ですが、何事も与えすぎることによる注意点があります。
❏ 繊維が多いため、与えすぎると下痢を起こすことがある
❏ カリウム含有量が比較的多いため、カリウム制限が必要な犬には注意(特に腎疾患のある犬は、かかりつけ獣医師に相談してから取り入れましょう。)
❏ 他の野菜より比較的多く糖質やカロリーを含む
+ビーツパウダー=天然の赤色着色料
ビーツパウダーは栄養目的ではなく着色目的のみで使われているケースも多く、多くのドッグフードやおやつで天然の赤色着色料として使われています。見た目を良くする目的で配合されることが多く、必ずしも栄養価を期待して入れられているとは限りません。
原材料表示では「ビートレッド」「ビートパウダー」と記載されるのが一般的です。そのため、ビーツが含まれているからといって健康効果が得られるとは限らない点は、あらかじめ理解することが大切です。
ビーツに含まれる栄養素とシニア犬へのメリット
ビーツは見た目の鮮やかさだけでなく、シニア犬の体を内側から支える栄養素を含む野菜です。加齢とともに増える酸化ストレスや血流低下、腸内環境の乱れは、さまざまな不調の原因になります。
ビーツに含まれる栄養素とシニア犬へのメリットを解説します。
✔ベタレインによる強力な抗酸化作用
体内で発生する活性酸素は、細胞や組織を傷つけたり、老化や病気の進行に関与していますが、シニア犬ではこの酸化ストレスが特に増えやすくなります。ベタレインは活性酸素の除去を助け、皮膚や血管、内臓といった全身の細胞を守る働きが期待できます。人では抗酸化野菜として知られていますが、犬にとっても同様に、老化対策の一助となる成分です。
✔NO(一酸化窒素)によるスムーズな血流の維持
ビーツに含まれる硝酸塩は、体内で一酸化窒素(NO)に変換されます。一酸化窒素は血管を拡張し、血流をスムーズにする役割があります。シニア犬は加齢により末梢の血流が低下しやすく、冷えや疲れやすさ、関節のこわばりにつながることがあります。スムーズな血流を心がけることで、全身に酸素や栄養が行き渡りやすくなり、冬の冷え対策や活動量の維持にも役立つ点がビーツに含まれるNO(一酸化窒素)の大きなメリットです。
✔食物繊維で腸内環境をサポート
加齢とともに腸のぜん動運動は弱まり、シニア犬では便秘や下痢が起こりやすくなります。ビーツは水溶性と不溶性、両方の食物繊維をバランスよく含んでおり、腸内環境を整えるのに適した食材です。
これらの食物繊維は善玉菌のエサとなるプレバイオティクスとして働き、腸内フローラを良好に保つ手助けをします。腸内環境が整うことは免疫機能とも深く関わるため、体調を崩しやすいシニア期の健康維持に欠かせません。
ビーツが冬にこそおすすめな理由
ビーツは血流、抗酸化、腸内環境といった面から冬の弱点を補える野菜で、季節性のケア食材として取り入れやすいです。
★寒い季節は血流が悪くなる
寒くなると血管は収縮しやすく、体の末端まで血液が行き渡りにくくなります。シニア犬は特に体温調節能力が低下しているため、四肢の冷えや関節のこわばり、痛みが悪化しやすい傾向があります。ビーツに含まれるNO(一酸化窒素)は、血流を意識した食事に加えたい成分です。
★冬は免疫力が低下しやすい
冬は寒さや日照時間の減少により、免疫力が落ちやすい季節です。さらにシニア犬では、免疫低下で腸内環境の乱れが起こりやすくなります。ビーツは腸内環境を支える食物繊維に加え、抗酸化成分やビタミンやミネラルも含んでおり、免疫を多方面からサポートできます。
★旬の時期が冬
ビーツの国産品は、冬から早春にかけて旬です。寒い地域で育ったビーツは、寒さに耐える過程で甘みが増し、栄養価も高くなる傾向があります。旬の食材は栄養が充実しているだけでなく、味も良いため食べやすさに期待できるのもメリットです。「旬を食べる=栄養価が高い」という考え方は、シニア犬の食事にも取り入れたいポイントです。
ビーツの与え方とおすすめレシピ
+蒸しビーツを細かく刻んでトッピング
ビーツは蒸すことで栄養の流出を抑えやすく、シニア犬にも与えやすい調理法です。茹でるよりも水溶性栄養素の損失が少なく、甘みも引き出せます。加熱後は必ず細かく刻み、フードに少量トッピングしましょう。大きいままだと消化の負担になりやすいため、「噛まなくても飲み込めるサイズ」を意識することがポイントです。
+ビーツ×さつまいもピューレ
ビーツとさつまいもを合わせたピューレは、抗酸化作用と腸内ケアを同時にサポートできる組み合わせです。さつまいもは、ビーツの抗酸化成分と相性が良いとされています。なめらかなペースト状にすることで、噛む力が弱くなったシニア犬でも食べやすく、食欲が落ちがちな時の補助食としても活用できます。
+スープ仕立てにして冬の水分補給にも
冬は飲水量が減りやすく、シニア犬では脱水や血流低下につながることがあります。ビーツをスープ仕立てにすることで、スムーズな血流を意識しながら水分補給も同時に行えます。ミキサーなどで細かくしたビーツを煮て薄味に仕上げ、いつものフードにかけて与えるのがおすすめです。体を内側から温めながら摂取できるため、冬に最も実用的な与え方といえるでしょう。
まとめ
冬に旬を迎えるビーツは、抗酸化作用による老化予防、一酸化窒素によるスムーズな血流の維持、食物繊維による腸内環境サポートが期待できる、シニア犬にとって心強い野菜です。さらに、旬の時期は栄養価やおいしさも高まります。適度に取り入れながら、シニア犬の健康維持に役立つ食材として、ぜひこの冬の犬のごはんにトッピングしてみてみませんか。


