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2026.05.07

日常のギモンから犬の心の動きを知ろう1《RETRIEVER + POCHI archive059》

日常のギモンから犬の心の動きを知ろう1《RETRIEVER + POCHI archive059》

イラスト=花島ゆき
構成・文=RETRIEVER編集部

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

■ 行動に対する素朴なギモンから犬の心の動きを理解する

人間と同じように、豊かな感情を持つ犬。 ただ、カラダの仕組みや習性は人間と異なる部分もあるため、飼い主が犬の気持ちを理解できないことも。 日常の行動に対する素朴なギモンから、犬の心の動きの特徴を理解しよう!

なぜあんなに「食欲」が底なしなの?

猫の獲物はネズミなどの小動物で、捕獲の機会が多いといわれています。一方、犬の祖先であるオオカミの獲物は主に大型獣で、必ずしも毎日食べられるわけではありませんでした。そのため犬には、食べられる時にできるだけ食べておこうとする習性が残っています。人が与えただけ食べてしまう犬も多いため、犬の健康を守るには飼い主が食事量を管理することが大切です。また、食事が1日1回だと血糖値の変動が大きくなり、空腹によるイライラの原因にもなります。成犬の場合は、1日2〜3回に分けて与えるようにしましょう。

なぜ朝起きただけで100年ぶりに会ったみたいに「喜ぶ」の?

理由の一つは、犬が感情をそのまま素直に表に出す動物だからです。人間は、行動や感情をコントロールする脳の大脳新皮質が発達しているため、さまざまなことを考えて感情を表に出さないことがあります。しかし犬は、「飼い主が起きてこれから楽しいことが起こりそう」といった喜びが、しぐさや行動にストレートに表れます。さらに犬は、もともと仲間と一緒に暮らす社会的な動物です。そのため一人でいると寂しさや不安を感じやすく、飼い主が帰宅すると大喜びます。仲間と再び一緒になれることが、犬にとってとてもうれしいことだからです。

興奮すると、よく何かを「くわえる」のはなぜ?

飼い主の帰宅時や散歩の前後など、興奮している時に、近くにあるものをくわえて振り回したり、走り回ったりすることがあります。これは、興奮した気持ちを落ち着かせるために、別の行動をして自分なりに興奮を解消しようとしているためです。人間の子どもが何かを手に持つと落ち着くことがあるように、犬も何かをくわえることで気持ちを落ち着けようとしています。ご飯の前にクルクル回ったり、散歩から帰ってきた時に家の中を駆け回ったりするのも、同じような理由から見られる行動です。

食後に顔をマットに「こすりつける」のはなぜ?

食後に、口のまわりを拭くようにマットやベッドに顔をこすりつける犬がいます。これは、興奮した時に物をくわえたり、走り回ったりする行動と同じで、ご飯がおいしかったという気持ちの高ぶりを自分で落ち着かせようとしている可能性があります。また、口のまわりに食べ物がついていたり、何か違和感があったりして、気になってこすりつけていることも考えられます。もしこの行動が長く続く場合は、口の中や口のまわりに異常がないかを確認してあげると安心です。

出典:RETRIEVER vo.120/「日常のギモンから レトリーバーの心の動きを知ろう」

*1 監修=水越美奈(みずこしみな)。獣医師。日本獣医生命科学大学獣医学部獣医保健看護学科教授。日本獣医動物行動学会会長。優良家庭犬普及協会常任理事。7年間の動物病病院勤務後、アメリカで獣医行動治療学を学ぶ。監訳書『犬と人の絆:なぜ私たちは惹かれあうのか』(緑書房刊)他。