• コラム

2026.06.18

【#イベントレポ】レア犬種や美しい姿を見にアジア最大規模のドッグショーへ!

【#イベントレポ】レア犬種や美しい姿を見にアジア最大規模のドッグショーへ!

文・写真=臼井京音

今回のお役立ち情報アジア最大規模のドッグショー

「JKCサクラ・アニュアル・ショー2026」をPOCHI記者が訪れ、犬種ごとの審査や、同ショーの最高峰タイトルであるベストインショー(BIS)選出の様子を観戦。

写真とともに、POCHI記者の体験レポートをお楽しみください!

日本最大級の犬の展覧会は見どころ満載!

2026年3月21日・22日に、国際畜犬連盟(FCI)からアジア地域最大規模の展覧会として承認されている「JKCサクラ・アニュアル・ショー2026」が開催され、FCIにより公認された360犬種のうち、147犬種2047頭が同ショーに出陳しました。
筆者はすべての出陳犬の中の最高タイトルであるBIS(ベスト・イン・ショー)の選出の様子を観戦するため、そして午前中のブリード審査で、街中では見られないような“レア犬種”や美しくヘアセットされた犬たちの姿を見るべく、3月22日に早起きをして東京ビッグサイトに向かいました。

見慣れた犬種でも、美しく整えられた姿でズラリと勢ぞろいしていると圧巻です(写真はゴールデン・レトリーバー)

見慣れた犬種でも、美しく整えられた姿でズラリと勢ぞろいしていると圧巻です(写真はゴールデン・レトリーバー)

犬種ごとの使用リングとタイムテーブルを入場時に配布された「審査進行表」で確認し、見たい犬種のリングサイドへ。
まず目に入ったのは、アイリッシュ・ウルフ・ハウンドです。その名のとおり、まだオオカミが多数生息していた17世紀末まで、アイルランドでオオカミとシカの狩猟で活躍した犬種です。理想体高がオスで81~86cmという超大型犬を間近で見ると、その大きさに圧倒されそうです。

優雅な体躯構成のアイリッシュ・ウルフ・ハウンドの歩様は、とてもなめらか

優雅な体躯構成のアイリッシュ・ウルフ・ハウンドの歩様は、とてもなめらか

アイリッシュ・ウルフ・ハウンドのリングサイドでは、床にぺたんと寝そべっている同犬種も発見! 審査の合間に聞いたところ、性格はとても穏やかだそうです。

リラックスしながらも存在感を放っていた、リングサイドのアイリッシュ・ウルフ・ハウンド

リラックスしながらも存在感を放っていた、リングサイドのアイリッシュ・ウルフ・ハウンド

これまた街中ではほとんどお目にかかれない犬種である、サルーキも出陳していました。
サルーキは中東地域で何千年にもわたり狩猟の名手として用いられてきた、視覚ハウンドの一種。均衡のとれた体躯があるからこそ、スピーディーに獲物を追うことができます。

いかなる毛色も許容されている、サルーキ。耐久性も高い優秀な猟犬です

いかなる毛色も許容されている、サルーキ。耐久性も高い優秀な猟犬です

サルーキより大きく、気高い姿が印象的なアフガン・ハウンド。シルキーな長い被毛をなびかせながら華々しくリングを歩くさまに、筆者もうっとり見惚れずにはいられませんでした。
アフガニスタンの山で生まれた狩猟犬である歴史的背景を感じさせる、東洋的な雰囲気や表情にも心が引き込まれます。

オリエンタルな表情も印象深く、パワーとスピードを兼ね備えた歩様にも魅了されます

オリエンタルな表情も印象深く、パワーとスピードを兼ね備えた歩様にも魅了されます

優れた視覚と走力で獲物を追って捕らえる“視覚ハウンドグループ”を、アイリッシュ・ウルフ・ハウンドから紹介してきましたが、同グループの犬種の中で、イタリアン・グレーハウンドに次いでJKCの犬籍登録頭数が多いのは、ボルゾイ。
原産国のロシアで、オオカミ狩りよりも野ウサギやキツネを追うために活躍しただけあり、歩様審査ではすぐれた俊敏性と持久力を感じました。

ボルゾイの理想体高はオス75~85cm・メス68~78cm

ボルゾイの理想体高はオス75~85cm・メス68~78cm

JKCの新規登録頭数が20頭以下のレア犬種!

ここからは、2025年1~12月までの1年間にJKCの血統データに新規に血統登録され、血統証明書が発行された「犬種別犬籍登録頭数」が20頭以下の、日本では珍しい犬種を紹介します。

まず、2025年の犬籍登録頭数が3頭と少なく、筆者も知らなかった犬種はアザワクです。
視覚ハウンドグループの仲間で、何千年も昔にアフリカのサハラ砂漠の壁画に描かれていたアフリカン・サイトハウンドの子孫だとのこと。ガゼルや野ウサギなどを狩ったり、ハイエナやライオンを撃退したりと、遊牧民にとってなくてはならない存在でした。1968年にヨーロッパに最初の血統が渡り、そこからアザワクは世界に広まっていきました。

スリムながらも猟犬らしい筋肉が備わっているアザワク。理想体重はメスで15~20kg・オスで20~25kg

スリムながらも猟犬らしい筋肉が備わっているアザワク。理想体重はメスで15~20kg・オスで20~25kg

アザワクは砂漠の砂を想像させる毛色をしていて、四肢に白い班をともなっている外貌が特徴です。

1頭のみの出陳で、2025年の犬籍登録頭数も5頭というジャーマン・ハンティング・テリアも、筆者は初めて見ました。
その名のとおりドイツで誕生した多才なテリアで、高い狩猟本能を備えていて水が好き。性格は勇敢で社交的、落ち着いていて訓練を入れやすいそうです。
その性質が外観からも感じられ、快活にリングを歩いていました。

ジャーマン・ハンティング・テリア。出陳犬の毛色はダーク・ブラウン&タン

ジャーマン・ハンティング・テリア。出陳犬の毛色はダーク・ブラウン&タン

次も1頭のみの出陳で、2025年の犬籍登録頭数も5頭なのが、ダンディ・ディンモント・テリア。イタチのように長いボディと短い脚が特徴なのは、作出の過程でダックスフンドの血も入っているから。ポンポンのような耳先の飾り毛も印象的でした。

ダンディ・ディンモント・テリアは、勇ましさと忍耐強さを兼ね備えています

ダンディ・ディンモント・テリアは、勇ましさと忍耐強さを兼ね備えています

2025年の犬籍登録頭数が13頭のベドリントン・テリアも、耳先の飾り毛が目を引きます。それもそのはず、ダンディ・ディンモント・テリアの血も加えられて作出されたとのこと。ただこちらは長脚テリアで、優美な姿でリングを軽やかに歩いていました。

ベドリントン・テリアの体躯は、しなやかで筋肉質。毛色はブルーが代表的ですが、レバーやサンディ(薄いベージュ)も公認されています

ベドリントン・テリアの体躯は、しなやかで筋肉質。毛色はブルーが代表的ですが、レバーやサンディ(薄いベージュ)も公認されています

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、2025年の犬籍登録頭数は16頭。オスの理想体重が18~20.5kgと、テリアグループの犬種の中では大きいほうです。かつては農場を荒らす害獣を駆除したり、カワウソやアナグマの狩猟など困難な作業をこなしたりと、幅広く優秀さを発揮していたと伝わっています。
リングを歩く姿からも、その勇敢で活発な性質が感じられました。

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、頑丈で力強い体を持っています

アイリッシュ・ソフトコーテッド・ウィートン・テリアは、頑丈で力強い体を持っています

複数犬クラスからも目が離せない

ドッグショーでは、複数犬クラスの審査も見ごたえがあります。
“複数犬ブレースクラス”は、同じ犬種・バラエティーで所有者が同一であるオスとメス各1頭によるチームが出場し、繁殖パートナーとしての適性をはじめ、個体の質がより高く、より良い犬が繁殖できそうなペアであるかが審査されます。
同じ犬種・バラエティーで繁殖者(ブリーダー)が同一である3頭以上5頭以下のチームが出場する“複数犬ブリーダーズクラス”では、犬種のタイプを失わず、質が良い犬の繁殖ができているかが審査基準になっています。
1頭の父犬または母犬、3頭以上5頭以下のその子犬(第1世代のみ)からなる4頭以上6頭以下のチームが出場するのが、“プロジェニークラス“。犬種のタイプ、相似性、子犬の優位性、健全性などが審査され、父犬または母犬よりもさらに質の良いタイプを繁殖できているかも重視されます。

ノーフォーク・テリアの、複数犬ブレースクラスと、複数犬ブリーダーズクラスの審査の様子。まばたきも忘れて、じっくりと複数の犬を見ずにはいられません

ノーフォーク・テリアの、複数犬ブレースクラスと、複数犬ブリーダーズクラスの審査の様子。まばたきも忘れて、じっくりと複数の犬を見ずにはいられません

全犬種の中からのベスト1の選出を観戦

さて、今回のショーの2日目は、犬種ごとのブリード審査のあとに、1から10まである犬種グループごとに行われる“グループ審査”で勝ち残った犬の中から、“複数犬クラスベストインショー”と“ベストインショー”が決まるファイナル審査があります。ベストインショー(BIS)はまず、ベビー、パピー、ジュニア、ベテランの4つの年齢層から1頭ずつが選出されます。

ベストインショーの最終審査の様子。リング内だけでなく観客席も緊張感があふれています(写真:長谷部かおり)

ベストインショーの最終審査の様子。リング内だけでなく観客席も緊張感があふれています(写真:長谷部かおり)

そして、最後は「JKCサクラ・アニュアル・ショー2026」の最高峰タイトルであるベストインショーを決める審査へ。審査後、大勢の観客が見守るなか4席から順にアナウンスされていきます。3席、2席と発表され、最後に1席で呼ばれた犬種は、ジャック・ラッセル・テリアでした。
観客席からは歓声と拍手が鳴り響き、出陳者や出陳犬を会場一丸となってたたえていたのが印象に残っています。

BISに輝いたオスのジャック・ラッセル・テリア、MONAMOUR BEYOND AND ABOVE(写真:長谷部かおり)

BISに輝いたオスのジャック・ラッセル・テリア、MONAMOUR BEYOND AND ABOVE(写真:長谷部かおり)

目をキラキラと輝かせ堂々とした姿を見せていた、多くの出陳犬の姿も忘れられません。
みなさんもぜひ、楽しさと感動にあふれるドッグショーを訪れ、BISの選出まで観戦してみてはいかがでしょうか。



ノーリッチ・テリアの触審の様子(上)、日本テリア(下)

ノーリッチ・テリアの触審の様子(上)、日本テリア(下)

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル

■ 文・写真:臼井京音

profile_202506.jpgドッグライター・ジャーナリストとして、20年以上にわたり世界の犬事情を取材。現在は犬専門誌『Wan』をはじめ週刊誌、Web媒体、会報誌等で情報発信を行う。以前は『愛犬の友』誌、毎日新聞の連載コラム(2009年終了)などでも執筆。著書に『うみいぬ』『室内犬の気持ちがわかる本-上手な育て方としつけ方をアドバイス!』がある。
現在は元野犬の中型犬と暮らす。歴代愛犬のノーリッチ・テリア2頭と同様にボールを追いかけることが喜びで、趣味はテニスとバレーボールと写真撮影。パリやNYで撮影し自宅暗室で焼いたモノクロ写真は、ドッグリゾートWoof、ペットショップP2などのインテリアにも使用されている。