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2026.06.18

よい姿勢=幸せで長生き!?犬も姿勢はメンタルヘルスに影響するの?《RETRIEVER + POCHI archive067》

よい姿勢=幸せで長生き!?犬も姿勢はメンタルヘルスに影響するの?《RETRIEVER + POCHI archive067》

イラスト=花島ゆき
構成・文=RETRIEVER編集部

「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)

■ 犬も姿勢はメンタルヘルスに影響する?

姿勢が悪いことで心身にさまざまな影響が及び、それがメンタルヘルスとも関係していることは、人間ではよく知られています。それでは、犬の場合も同じことがいえるのでしょうか。動物行動学を専門とする獣医師の和田美帆先生に聞きました。

人間と犬では歩行姿勢や知能、生活習慣が違います

体と精神には密接な関係があり、人間では姿勢の悪さがメンタルヘルスに影響を与えることが、さまざまな研究で明らかになっています。動物行動学を専門とする獣医師の和田美帆先生によると、その一因として自律神経のバランスの乱れが挙げられるそうです。姿勢が悪いとお腹が圧迫され、内臓や横隔膜の動きが制限されることで呼吸が浅くなり、自律神経に影響を及ぼすことがあります。人間では、自律神経失調症や、重度の場合はうつ病につながるケースもあるといいます。

ただし、犬の場合は人間とは体の構造が異なります。人間は二足歩行で立っているため、横隔膜の上下運動が重力の影響を受けやすい一方、犬は四足歩行で、横隔膜は前後に動きます。そのため、姿勢の悪さが呼吸や自律神経に与える影響は、人間ほど大きくないと考えられています。

犬のメンタルヘルスに大切なのは痛みの管理

人間では、気分が落ち込むと背中が丸くなるなど、姿勢にメンタルの状態が表れることがあります。一方、犬の場合は少し異なるようです。動物行動学を専門とする獣医師の和田美帆先生によると、犬はまだ野性味が残る動物のため、不安やストレスを感じた時には、ふさぎ込むというよりも警戒心が強まる傾向があるそうです。そのため、メンタルが不調な時には、うつむくのではなく、全身に力が入って体がこわばるような状態になることがあるといいます。

また、不安から攻撃的な行動を取ることもありますが、それは自分の身を守るための正常な反応です。しかし、そのたびに人間から罰を与えられ続けると、犬は「何をしても無駄だ」と学習し、無気力な状態になることがあります。これを「学習性無力感」といい、反応が乏しく、生きる意欲を失ったような状態になるようです。そこまでメンタルが崩れると、人間のうつ病のように、うつむきがちな姿勢になる可能性もあるといいます。

股関節形成不全や関節炎などで理想的な姿勢を取れない犬もいますが、姿勢が悪いこと自体が不幸につながるわけではありません。適切な体重管理や運動、痛みのケアを行えば、たとえ理想的な姿勢でなくても、犬は幸せに暮らすことができるのです。

出典:『RETRIEVER』 vol.121/犬も姿勢はメンタルヘルスに影響するの?

*1 監修=和田美帆(わだみほ)。獣医師。日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)卒業。2003年に「ファミリー動物病院」(現・千葉どうぶつ総合病院)を開業し、現在副院長、動物行動診療科医長。2011年に「犬と猫の学校 amie」設立、2015年に獣医行動診療科認定医取得。