シニア犬たちの目をのぞき込んでみると、目の輝きが違ったり白く濁って見えることがあります。これが家庭で気付ける白内障のサインひとつ。
白内障は年齢を重ねていった犬にはよくみられ、そう珍しいことではありません。でも、できることなら犬にはいつまでも快適に過ごしてもらいたい。そこで、今回は犬の白内障が起きる仕組みとケアに役立つアイテムをご紹介していきます。

犬の目の白内障の仕組みを知ろう

犬や人間が持っているとても繊細で緻密な目は、常に光の刺激を受けている部分です。

犬の白内障が起きるのは、目の中でもレンズのように光を集める役割を持っている水晶体という部分です。水晶体はその名の通り、水晶のように透き通っていて厚みを自在に調整することで目の奥の網膜と呼ばれる場所で像を結びます。水晶体は、犬の目の視覚にとって非常に大切な部位なのです。

また、目の中でも最初に光を受ける部分のひとつでもあるので、日差しが強くなり紫外線が降り注ぐ時期になると、水晶体にもたくさんの紫外線が集まるようになります。
水晶体はほかの体の部位と同じく、タンパク質から作られているのですが、紫外線によるダメージを受けて細胞が傷つくと、徐々にタンパク質が変質し透明度が失われていってしまいます。

健康的な若い犬であれば、紫外線を浴びて水晶体の細胞が傷ついても、すぐに新しい細胞と入れ替わり、きれいなままの状態を維持することができます。しかしシニア期になると、新しい細胞を合成する力が低下したり、細胞の老化を進める活性酸素を除去する力が低下することで、水晶体の細胞の代謝が上手く行われず、徐々にタンパク質の変質が進んでいき、水晶体が白く濁っていってしまいます。この状態を白内障と呼びます。

※もっと詳しく白内障と治療について知りたい方へ　→犬の白内障は予防できる？手術はできるの？解説します！【#獣医師コラム】

犬の白内障。健康的な眼のためにできることって？

動物病院での犬の白内障の治療としては、水晶体そのものを人工のものに変える手術による治療があります。しかし、シニア期の犬たちの体には麻酔を使っての手術は負担が大きく、なかなか眼のために手術に踏み切るケースはそう多くはありません。だから、普段から白内障を年齢ケアのひとつと捉えて、日ごろから目の健康に役立つ成分を積極的に取り入れてみませんか。

水晶体が濁っていってしまうのは、細胞のタンパク質が紫外線や活性酸素によって変質してしまうことが原因なので、細胞の酸化を防ぎ、活性酸素を除去する抗酸化成分を継続して摂取することが役立ちます。

・代表的な抗酸化成分
ビタミンE、ビタミンC、βカロテン、フラボノイド、カテキン、セサミン、クルクミン、カロテノイド、リコピンなど

また、瞳の抗酸化という点で特に注目されているのはルテインという成分です。

白内障などの瞳の年齢対策に、オススメのサプリメント

早めに抗酸化成分やルテインなどが含まれているサプリメントを始めることが瞳の年齢ケアとしてオススメです。
もちろん、すでに白内障の症状が出ている犬にも役立つ成分です。予防だけではなく、症状の進行を抑制するためにも瞳ケアのサプリメントは役立ちます。
犬は感覚の中で最も嗅覚に頼っているといわれていますが、やはり空間認知能力は視覚に頼っている部分もあるので、健康的で楽しいシニアライフを続けるためにも、犬のかわいい大きな目を守りたいですね。少しずつできることから始めてみてはいかがでしょうか。

おわりに

本日は犬の白内障が起きるメカニズムと白内障予防に役立つ成分、そしてオススメのサプリメントについてご紹介しました。
犬の大切な感覚器である視力。犬は私たち人間とアイコンタクトを取ることで情報共有することも可能だといわれています。犬と飼い主にとって目と目を合わせることもとても重要なコミュニケーションといえるのかもしれません。
そんな犬たちとのコミュニケーションを守っていくためにも、白内障の予防はルテインなどの成分を含むサプリメントを上手く取り入れ、継続して行っていきたいですね。