- コラム
2025.10.06
犬と楽しむ秋のお月見|芋名月・栗名月・豆名月にあわせた手作りおやつ&レシピガイド
10月6日は「中秋の名月」。日本には昔から「芋名月」「栗名月」「豆名月」と呼ばれる風習があり、月を愛でながら秋の味覚を楽しむ文化が息づいています。
犬と一緒にお月見を楽しむときも、人と同じ食べ物をそのまま与えるのは危険な場合があります。食材の特性を理解し、犬に合わせた調理を工夫することで、安心して秋の恵みを分かち合えます。ここでは、犬と一緒に味わえる秋の食材と、手作りおやつのアイデアを紹介します。
芋名月|里いもはNG?秋の根菜ごはんレシピ
里芋は秋が旬の食材ですが、犬にはおすすめできない理由があります。その理由と、根菜を活用した犬のご飯を合わせてご紹介します。
+犬に里いもはNG!?理由と代用食材
里芋は犬に与える際、注意が必要な食材の一つです。
里芋には、シュウ酸カルシウムと呼ばれる成分が含まれており、尿石のリスク要因になる可能性があります。また、下痢や口腔炎などかゆみが引き起こされる場合もあるとされます。
少量であれば問題ないとはいえますが、里芋の代わりに、じゃがいもやさつまいも、かぼちゃなどを用いることがおすすめです。
シュウ酸が多く含まれるほうれん草と同様に里芋を茹でるとシュウ酸は減少しますが、犬に与えるリスクは完全にはなくならないため、あえて選ばなくてもよい食材です。
★秋におすすめ!消化サポートに役立つ根菜ごはんレシピ
秋の味覚を取り入れた犬用ごはんは、さつまいもとにんじん、さらに少量のれんこんを柔らかく煮込んだ「秋の根菜煮」がおすすめです。根菜には、食物繊維やビタミンC、カリウムがバランス良く含まれています。基本的に根菜類は消化に負担がかかりやすいため、柔らかく煮て少量ずつ与えてください。
❏ 便秘気味な子やダイエット中にもおすすめ
さつまいもやかぼちゃに含まれる水溶性食物繊維は腸内環境を整える働きがあります。さらに満腹感を与える効果もあるため、肥満気味の犬やダイエット中の犬にも適しています。米や小麦などの炭水化物を多く含む食材よりも、低カロリーでありながらお腹を満たせる食材であるため、秋の根菜は食いしん坊の犬や穀物アレルギーがある犬の強い味方になるでしょう。
栗名月|栗はOK?おやつと注意点
栗といえば秋というイメージが強いですよね。
栗も犬に与えても問題ない食材の一つです。栗に含まれる栄養素や与える際の注意点を解説します。
+栗は「少量・加熱・無味」であればOK
栗は完全に皮と渋皮を取り除き、加熱した実をつぶして少量与えるのであれば、犬もおいしく食べられる食材です。
渋皮部分には、アクやタンニンが多く含まれるため、取り除くことでより安心して与えられます。
+栗の栄養素とメリット
栗に含まれる栄養素は特徴的です。
とくに、本来加熱すると壊れやすいビタミンCですが、栗にはデンプンが豊富に含まれるため、直接熱に触れにくく、ビタミンCが壊れにくい特性があるとされます。
また、カリウムやマグネシウムが豊富で、疲労回復や体調維持を助ける効果が期待できます。さらに食物繊維も含まれており、お腹の調子を整える働きにも効果的です。
実際にドッグフードの原材料として利用されることもあり、犬にとっても栄養価の高い食材です。
★栗を使った犬用おやつレシピ
栗は犬用のおやつにもアレンジできます。
たとえば、加熱した栗とかぼちゃを米粉と豆乳でまとめた「栗とかぼちゃのミニ団子」は、やわらかく仕上がり食べやすい一品です。また、栗とさつまいもを豆乳でなめらかにした「栗きんとん風ペースト」もおすすめです。
どちらのレシピも砂糖などの甘味を加えず、素材そのものの自然な甘さを活かすことが大切です。
■注意点も忘れずに
ただし、栗を与える際には注意も必要です。
市販の甘栗やモンブランクリームは砂糖や脂肪、添加物が多く含まれているため犬には不向きです。また、栗は糖質が高い食材であるため、与えすぎると肥満の原因になります。
とくに小型犬には喉に詰まらせる危険もあるため、ペースト状にして与えると安心です。
豆名月|大豆製品のメリットと注意点
豆腐や納豆(ひきわり納豆)など、犬にも与えられる大豆製品は複数あります。
大豆製品を与える際のメリットと注意点を解説します。
+犬に豆類はどう?加熱・加工でOKに
犬に豆類を与える場合は、そのままではなく加熱や加工することが重要です。
とくに生の大豆には、皮があり消化に負担となります。
豆腐やおから、加熱した大豆ミートなどの加工済み大豆食品であれば、犬もおいしく食べられる食品です。ただし、大豆アレルギーを持つ犬に与えることは避けた方が良いでしょう。
+大豆の栄養価とおすすめの理由
大豆は良質なタンパク質を多く含みながら脂質が少ないため、犬の健康維持に役立つ食材です。
さらに、イソフラボンは抗酸化作用を持ち、シニア犬の体をサポートしてくれます。
おからは低カロリーでありながら食物繊維が豊富で、腸内環境の改善にもつながります。またおから自体、大豆から豆乳を絞ったときに残る「しぼりかす」であるため、見た目はパサパサに見えますが、実際には生おからの約65〜70%が水分です。
口に入れると粉っぽさよりもしっとりした食感があり、喉に詰まりにくく与えやすいのも利点です。
★犬用豆レシピのアイデア
大豆製品を使ったレシピの一例は、さつまいもとおからを組み合わせて作る「ふんわりボール」です。
やさしい食感で消化に優しく、おやつに適しています。また、豆腐に米粉と野菜を混ぜて焼き上げた「豆バーグ」もおすすめです。ヘルシーで栄養バランスも良く、食事の補助にもなります。
■与え方のポイントと注意点
大豆食品を与える際は、調味料を加えないで加熱することが前提です。また、大豆製品ばかりに偏ると栄養のバランスを崩すため、主食との組み合わせを意識することも大切です。
初めて与える場合は少量からスタートし、体調に変化がないかを観察しましょう。
まとめ
秋の味覚は魅力的ですが、人間と同じ食べものをそのまま犬に与えると危険なこともあります。お月見の季節をきっかけに、芋・栗・豆の特徴を理解し、犬に適した食材を工夫して、秋の実りをおいしく楽しみましょう。



