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2026.08.05
犬の「好き」は楽しみながら増やそう!《RETRIEVER + POCHI archive076》
イラスト=テメル華代
構成・文=RETRIEVER編集部
「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)
■ “古典的条件づけ”と“オペラント条件づけ”
犬のトレーニングでは、“古典的条件づけ”と“オペラント条件づけ”という、「正の強化」を組み合わせるのが一般的です。まずは、トレーニングや合図に対していい印象を持てるように、ごほうびを使って学習を進めます。具体的には、無条件に犬が喜ぶ食べ物やオモチャなどと一緒に、ほめ言葉やクリッカーなどの二次的な指示を繰り返し与えることで、指示だけで犬をほめられるようになります。
近年では、飼い主の笑顔も、犬にとって価値のあるごほうびだと考えられています。ほめる時は笑顔を添えることで、より効果的に犬のやる気を引き出していきましょう。
“パブロフの犬”でおなじみ!好き+αの条件反射古典的条件づけ
「クリッカーを鳴らす→オヤツを与える」を繰り返すことで、犬は「クリッカーの音=うれしいことが起きる」と学習します。
関係のない「合図」と犬にとっての「報酬」をセットにして繰り返すことで、犬はその二つを関連づけて記憶し、合図だけでもうれしいと感じるようになります。これを古典的条件づけといいます。
例えば、掃除機を怖がる犬には、掃除機を出している間だけオヤツを与え、片づけたらオヤツも終了させます。これを繰り返すと「掃除機が出てくる=オヤツがもらえる」と学習し、苦手なものの克服にも役立ちます。大切なのは、必ず「合図→報酬」の順番で与えることです。「合図→報酬」の間隔が空くと、犬は何に対するごほうびなのか理解しにくくなるため、できるだけ短い間隔で行いましょう。
うれしい or うれしくない 行動の結果から犬自身が学習するオペラント条件づけ
オペラント条件づけとは、犬自身の行動の結果によって、その行動が増えたり減ったりする学習です。犬のしつけでは、行動の直後に起こる「結果」が重要となり、行動の後に何かを与えることを「正」、取り除くことを「負」といいます。その結果、行動が増えることを「強化」、減ることを「弱化」と表します。
例えば、オスワリや適切な場所でのトイレなど望ましい行動を増やしたい場合は、ごほうびを与える「正の強化」が有効です。一方、飛びつきや噛みつきなど望ましくない行動を減らしたい場合は、犬が求めているものを与えない「負の弱化」を活用します。
■〈正の強化〉うれしい結果×行動が増える×与えられる
いわゆる「ほめて伸ばす」トレーニング方法。犬が望ましい行動をした直後にごほうびを与えることで、犬はその行動をするといいことがあると理解し、何度も繰り返すようになります。代表的なものが、クリッカーの音とごほうびを関連づけた後に行う、クリッカートレーニングです。
一方、犬が失敗した時には叱るなどの対応はせず、反応しないことが大切です。「トイレでオシッコをしたらオヤツがもらえた」という経験を繰り返せば、犬はその行動とごほうびを結びつけ、トイレで排泄する頻度が増えていきます。
■《負の強化》うれしい結果×行動が増える×取り除かれる
犬の行動の直後に不快な刺激を取り除くことで、「その行動をやめると不快な状況が終わる」と学習し、望ましい行動の頻度を増やす方法です。例えば、犬のお尻に優しく下向きの力をかけ、オスワリの姿勢になった瞬間に力を緩めることで、犬はオスワリするとお尻を押さえられることが終わり楽になる、と学びます。
■〔正の弱化〕うれしくない結果×行動が減る×与えられる
犬の行動の直後に、犬にとってうれしくないこと(罰)を与えることで、望ましくない行動の頻度を減らすこともできます。これは、望ましくない行動をすぐにやめさせられますが、それは学習ではなく、驚きや恐怖による一時的な行動の抑制にしかなりません。また、飼い主への恐怖心を抱き、それゆえに攻撃性が高まるなどの可能性もあり、現代のトレーニングでは一般的ではありません。
■{負の弱化}うれしくない結果×行動が減る×取り除かれる
犬の行動の直後に、犬にとってうれしいことを取り除く(取り上げる)ことで「その行動をする→損をする」と学ばせ、望ましくない行動の頻度を減らす方法。飛びつき、噛みつき、要求吠えなど、犬が何か(飼い主の関心、食べ物など)を得たいための行動を減らしたい時に効果的です。叱るのではなく無視をして、犬自身に考えさせるのがポイントです。
出典:『RETRIEVER』 vol.122/愛犬の「好き」は楽しみながら増やそう!
*1 監修=和田美帆(わだみほ)。獣医師。日本獣医畜産大学(現・日本獣医生命科学大学)卒業。2003年に「ファミリー動物病院」(現・千葉どうぶつ総合病院)を開業し、現在副院長、動物行動診療科医長。2011年に「犬と猫の学校 amie」設立、2015年に獣医行動診療科認定医取得。


