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2020.06.03

抗酸化成分・抗酸化ビタミンとは?活性酸素、フリーラジカルとの関係について

抗酸化成分・抗酸化ビタミンとは?活性酸素、フリーラジカルとの関係について

私たちと一緒に暮らしている犬は、人間の数倍のスピードで歳をとっていきます。できれば犬には長く元気で過ごしてほしいものです。
そこで飼い主ができるエイジングケアの一つとして、細胞の老化と深く関係している「抗酸化力」を補っていくことがあります。抗酸化物質と呼ばれる成分にはいくつか種類がありますが、おなじみの栄養素、ビタミンの中にも「抗酸化ビタミン」と呼ばれる栄養素があります。ここではビタミンの仲間がどのように抗酸化力に影響するのかをご紹介します。

「活性酸素」「フリーラジカル」とは

抗酸化の話題に必ず登場する活性酸素。活性酸素は、もともとは体内に取り込まれた酸素の一部。侵入者であるウイルスや雑菌などを倒すためにも働き、犬の免疫機能の一部ともされています。
また、活性酸素の中でも、対をなしていない電子(不対電子)を持つ原子や分子をフリーラジカルと呼びます。フリーラジカルは、不安定で常に安定した状態になろうとして他の細胞を傷つけやすいという性質を持ちます。
とくにダメージを受けやすいのは細胞の表面を覆う細胞膜。細胞膜にはリン脂質と呼ばれる脂質が含まれていて、酸化しやすい脂質が過酸化脂質となり、連鎖的に細胞が老化し、老化の原因となってしまいます。

犬の細胞の入れ替わりや新陳代謝を考えると、細胞がある程度傷つけられることも必要な仕組みではあるのですが、細胞を再合成する力が衰えたシニア犬には、フリーラジカルによる攻撃は細胞の酸化=老化を進めてしまいます。

電子や分子など、少し科学的な話になってしまいましたが、フリーラジカルによって引き起こされる細胞の老化は連鎖してしまうこと、そしてシニア犬は細胞を再合成する力が落ちているため、過剰に作られてしまった活性酸素・フリーラジカルが悪さをするのをなるべく抑えることが健康維持には大切だということですね。

抗酸化ビタミンっていったい何?

前置きが長くなってしまいましたが、ここで活躍するのが抗酸化ビタミンです。抗酸化ビタミンには、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2などがあります。

脂溶性ビタミンは、細胞膜の成分であるリン脂質という「脂の膜」の内部にはいることができます。そして、細胞の内部でフリーラジカルによって酸化させられてしまう細胞に代わって酸化されることで、細胞の酸化=細胞の老化を防ぐことができます。

一方、ビタミンCは水溶性なので細胞膜の中に入ることはできませんが、フリーラジカルを捕まえて無害化することができる栄養素。犬の細胞が実際に傷つけられる前に、ダメージを抑える働きをするのがビタミンCなのです。
さらに面白いことに、細胞膜のリン脂質に代わって酸化したビタミンEをビタミンCが再生し、再び抗酸化物質として活用できる形にできるのだそうです。
犬の体内で栄養のリサイクルが行われている、と考えると生命のすばらしさを感じます。

ビタミンEとそれをサポートするビタミンCの力を借りて、酸化ストレスを抑えていくことは、エイジングケアなどの犬の健康管理のポイントとなり食事から積極的に取り入れたいところです。

そしてビタミンB2は、フリーラジカルを分解することができます。また、細胞の成長を促す働きも持っているので、フリーラジカルによって細胞が傷ついた後に新しく生まれた細胞が健やかに育つようサポートしてくれます。
抗酸化力、そして細胞の再生の両面でうれしい栄養ということができますね。

DOG's TALK

ビタミンA、ビタミンCとビタミンE、そしてビタミンB2などの抗酸化ビタミンを含むさまざまな食品をバランスよく摂取することでフリーラジカル、活性酸素と戦うことができるんですね。抗酸化力、とひと言でいっても栄養によってどのように抗酸化力を示してくれるのか、微妙に違っていることもあります。様々な個性があるのはちょっと面白いですね。

おわりに

犬の細胞の老化と関係しているといわれる活性酸素、フリーラジカルと抗酸化ビタミンについてご紹介しました。犬の健康に役立つ抗酸化ビタミンですが、もちろんそれらだけを摂取していても効果は出ませんし、さまざまな栄養をバランスよく摂取することで体調は整っていきます。

また、活性酸素やフリーラジカルが細胞を傷つけるのは、過剰でなければ細胞の代謝や生まれ変わりに必要な働きのひとつです。こちらも適切に働いてくれることを意識して、活性酸素やフリーラジカルを過剰にしてしまう原因となる強い紫外線を長時間浴びることや強いストレスなどを避けていくことも、エイジングケアとしては大切。

ビタミンAの前駆体であるβカロテンを豊富に含む緑黄色野菜、ビタミンCが多いのはかんきつ類以外には、ブロッコリー、イチゴ、そしてさつまいも、ビタミンEは豆類や植物性オイル、B2なら鶏レバーやチーズがあります。とくにシニア犬には加齢による機能の衰えがありますから、毎日の食事でプラスして補いたいですね。

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