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2021.07.20

【#大きな犬と】大型犬に優しい動物病院 訪問記(ゼファー動物病院:東京都八王子市)

【#大きな犬と】大型犬に優しい動物病院 訪問記(ゼファー動物病院:東京都八王子市)

同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、遊びや食事や健康といった暮らしの情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)


今回のお役立ち情報「健康」

東京都八王子市にあるゼファー動物病院には、関東全域から大きな犬の飼い主さんが多数訪れます。上條圭司院長は愛犬であるイングリッシュ・マスティフの繁殖歴もあり、超大型犬に関する治療実績が豊富で、大型犬が受診しやすい環境を整備しているからです。そこで上條獣医師に、大きな犬に理想的な動物病院選びのポイントを教えていただきます!

駐車場や診察台などハード面をチェック

大型犬も受診しやすい動物病院を見つけられれば、大きな犬との生活がより快適になることでしょう。
上條圭司獣医師は、動物病院のホームページや、場合によっては電話をして、次の点が確認できれば安心材料になると言います。

安心ポイント(1)駐車場がある

ワクチン接種や健康診断で訪れるならば、病院近くのコインパーキングからも大きな犬を歩かせられますが、体調の悪い大きな犬を抱えたりカートに乗せて待合室まで連れて行くのは容易ではありません。大きな犬と通う動物病院には、駐車場が併設されているのがベストです。
専用駐車場がない場合、コインパーキングが隣接しているかをチェックしておきましょう。


安心ポイント(2)診察台が大型犬に対応可能

診察室に、大きな犬が載れる診察台が設置されているかも確認事項のひとつ。
ゼファー動物病院では、自動昇降機能がついた大型の診察台を使用しています。大きな犬でも低い位置から診察台に載りやすく、昇降時の機械音も静かなので安心です。


大きな犬も乗りやすい大型の診察台

大きな犬も乗りやすい大型の診察台

安心ポイント(3)レントゲン検査台、手術台、入院設備が大きい

多くの動物病院には、レントゲン検査室、手術室、入院室などがあります。
若齢期でも健康診断や去勢・避妊手術の際に、これらを大きな犬が利用する可能性があります。
ゼファー動物病院では、超大型犬でも載れるレントゲン検査台をはじめ、手術台や入院用個室なども超大型犬まで対応が可能です。

レントゲン検査台を操作する上條院長

レントゲン検査台を操作する上條院長

安心ポイント(4)プラスアルファの設備も大きな犬が使いやすい

ゼファー動物病院には、大きな犬も使いやすい室内運動スペース、リハビリルーム、大型犬用のウォーキングマシンなどがそろっています。
というのは、上條獣医師が股関節形成不全、靱帯断裂、肘関節形成不全などの関節疾患の手術を得意としているため、関東各地から大きな犬が手術やリハビリを目的に訪れるからです。 これはゼファー動物病院の特徴でもありますが、どの動物病院でも、大きな犬が使いやすい様々な設備が整っているに越したことはありません。


ゼファー動物病院2階、大型犬入院室に隣接している室内運動スペース。写真は、上條院長と愛犬のコビーちゃん

ゼファー動物病院2階、大型犬入院室に隣接している室内運動スペース。写真は、上條院長と愛犬のコビーちゃん

大きな犬の受け入れ実績などソフト面をチェック

イングリッシュ・マスティフ、ラブラドール・レトリーバー、コーイケル・ホンディエと暮らしている上條院長は、診察をしてくれる獣医師が、大型犬や超大型犬の病気に関する知識と治療実績が豊富かどうかも確認したいポイントだと語ります。


安心ポイント(1)大きな犬の治療実績が多い

担当獣医師が、大型犬種の病気について理解が深いのはもちろん、大きな犬の扱いに慣れていて、治療経験が豊富であることは大きな安心材料になります。

どんな獣医師にも得手不得手があるのは当然のこと。なので遠慮せず「大きな犬は診慣れていますか?」などと獣医師に聞いてみて、飼い主さんはその答えで判断するのも良いでしょう。


安心ポイント(2)スタッフが大型犬を扱い慣れている

診察が苦手な大きな犬が暴れないように、獣医師や看護師が複数名で犬を押さえるようなケースもなくはありません。大勢に囲まれると、犬の緊張度と恐怖心がかえって高まる恐れがあります。

初めての動物病院では、獣医師や動物看護師が気持ちに余裕を持ってなごやかに犬を扱っているかを見てみてください。安心感を持って、愛犬が身を委ねられるスタッフがいるのが理想です。


愛犬のチュッパくんの歯をチェックする上條院長

愛犬のチュッパくんの歯をチェックする上條院長

腹腔鏡手術で大きな犬に負担の少ない避妊や胃固定を実施

ゼファー動物病院では、大きな犬の飼い主さんには、腹腔鏡を使用した避妊手術をすすめています。
その理由は、開腹手術よりも腹腔鏡手術のほうが犬に負担が少ないから。
腹腔鏡を用いる場合、直径8mmのスコープが入る程度の約1cmの穴を、腹部に3ヵ所開けるだけで手術ができます。
日帰り入院で、傷も早期に治ります。

また、大きな犬はハイリスクな宿命にある胃拡張胃捻転症候群の予防になる“胃固定術”を、多くの飼い主さんは避妊・去勢手術の際に依頼するそうです。「体重100kgを超えるうちの犬も、自らが腹腔鏡手術で胃固定を行いました。多頭飼育をしていて、出産をさせた母犬のマスティフには胃固定術をしなかったのですが、食後に数時間運動を控えるといった胃捻転の予防策を行っていても、母犬は中年期に胃捻転を起こしてしまい……。胃固定による予防の大切さを実感しました。腹腔鏡を使用した胃固定術は、開腹せずに腹壁と胃を糸で固定するもので、術式も進歩しています。胃固定を行っても、100%胃捻転を予防することはできません。けれども、胃固定をしておけば胃捻転のリスクを下げられるので、ぜひ大きな犬のために前向きな検討をしてあげてください」と、上條獣医師は語ります。

みなさんも、ハード面でもソフト面でも大きな犬がかかりやすい動物病院を、この記事のチェックポイントなどを参考に探してみてくださいね。

ライター:臼井 京音



取材協力

*1 大きな犬が得意な専門医 『ゼファー動物病院』

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