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2021.07.08

犬は骨が好き?それってなぜ?犬と骨の関係について考える

犬は骨が好き?それってなぜ?犬と骨の関係について考える

「犬が大好きなものってどんなもの?」と想像したときに、皆さまはなにを思い浮かべるでしょうか?

「飼い主」「散歩」といったものや「お肉」など、その子によって好みの傾向はあると思いますが、犬と一緒に暮らしていない方は有名なキャラクターやアニメなどの影響で犬は骨をくわえていたり、掘って埋めたりするので「骨」を犬が好きなものとして思い浮かべる人が意外に多いかもしれません。
でも、今の時代に犬と一緒に暮らしている私たちにとって「骨は犬に与える時に注意が必要なもの」という程度で大好きなものの上位にはいることはもしかしたら少ないかもしれません。

「犬は骨が好き」というイメージ通り、本当に好きなのでしょうか?そして、犬にとって骨は危険なものかを改めて考えてみました。

犬は骨を好んで食べるの?

野生で暮らしてきた犬の仲間であるオオカミやハイエナなどの動物は、動物の死体を残さず食べる掃除屋(スカベンジャー)としての役割を持っています。
獲物を捕らえた肉食動物が優先的に食べるのは栄養豊富な内臓、そして肉です。固い腱や骨といった部位は残り、肉食動物たちが残した「食べ残し」を掃除屋の動物たちが食べることが多くあります。
そのため、犬の仲間は骨などをかじる機会は多かったと考えられていて、骨を消化することはできるというのが一般的な考え方です。

ただし、骨を主食のように食べていたのかと疑問が残ります。骨を構成する成分はカルシウムやリンなどのミネラル類ですが、これらの栄養素は直接犬のエネルギー源になるようなものではなく、主食としていたとは考えにくいですよね。
犬に骨を与えていたというスタッフは、体調は変わらなかったものの、ウンチが白っぽくなり、ポロポロになったと話しています。これは骨に含まれる大量のカルシウムが、必要な量だけ吸収され、残りがウンチとして出ていたためだと考えられます。

カルシウムやリンはあまり吸収されない一方で、骨に付着している肉や腱、骨髄などには犬が好むタンパク質や脂肪が含まれています。こういったものを食べるために、野生の犬の仲間たちが骨をかじっている姿がたびたび見られます。
イメージとしては、焼肉の骨付きカルビや骨にまぐろの中落(骨にこびりついている身をこそぎとったもの)が近いですね。

骨髄に含まれる豊富な栄養について

骨髄は骨の中心にある器官で、固い骨と比べると柔らかくなっていて、血液や細胞を作る細胞がギュッと詰まっています。犬も人間も、すべての哺乳類の血液はこの骨髄で作られています。毎日絶えず大量の血液を作り続けている骨髄には、血液細胞の材料となるタンパク質やビタミン類、ミネラル類、脂肪酸、酵素が集められていて、もっとも栄養の濃度が高い部分のひとつになっています。

厳しい自然の中で生きていた犬の仲間たちは、狩りが上手く行かないことも多かったようですが、そんな時には他の肉食動物が残した動物の骨を噛み砕き、中の骨髄を食べることで栄養補給をしていたといわれています。
この時の名残で、犬は骨を噛むことが好きな子が多いのかもしれません。

ちなみに、骨を煮ていると脂が出ることがありますが、これは骨自体が油分を含んでいるのではなく、骨髄に含まれる油分が染み出したものです。

■ 犬だけではなく、人間にとっても貴重だった骨髄

犬の仲間にとってのごちそうだった骨髄ですが、実は私たち人間の祖先にとっても非常に大切な栄養源だったそうです。
太古の人類も動物の骨を砕き、中に含まれる骨髄からタンパク質やミネラル類、ビタミンなどを補給していました。
骨髄が人間にとって大切だった理由には、栄養価以外にも理由があったと考えられていて、それは保存性が非常に高いということ。研究によると、固い骨に覆われている状態であれば、骨髄は最大9週間も栄養価を損なうことなく保存できたことが分かっています。

食糧事情が悪く、食事を確保することも難しかった古代の人類の祖先にとっても、骨髄は非常に大切な食糧のひとつだったのです。

犬に骨を与える時に注意するべきポイント

世間一般で言われているように、犬は骨をかじるのが好きな傾向があるようですが、注意したいポイントは犬の歯の状態と骨の誤飲の2つあります。特にパピーや小型犬では注意が必要な場合があります。

 

■歯が欠けてしまう・割れてしまう可能性がある

野生の犬の仲間は骨をかじって中の骨髄を食べる行動を見せますが、現代の小型犬の歯は、骨のような固いものをかじることに慣れているかというと、決してそうではないのです。
そのため、大きな骨のような固すぎる物をかじらせていると、犬の歯が割れてしまったり欠けてしまうという事故が起こることがあります。

犬は骨自体を味わっているというよりも、骨についている腱や肉を食べているのですし、歯が欠けてしまうほど固い骨は与えない方が安心です。また、犬がかじって楽しむために食べやすい大きさに加工している商品も登場していますので、与えるのであればそういった商品を使うのがオススメです。

 

■骨を誤飲してしまう可能性がある

骨をかじっている内に、犬が骨を誤飲してしまう事故が多く起きています。砕けた骨を飲み込んだら、消化に時間がかかったり、犬の消化器は骨を十分に分解できずに消化不良を起こしてしまったり、鋭く割れた骨が消化器系を傷付けてしまう可能性はあります。

犬が夢中になっているようであれば、事故を防ぐためにも飼い主が取り上げる必要があります。

おわりに

骨は犬が興味を持ちやすい食材だといえます。
ただ、犬が喜んで食べるからと言って人間の食べ残した骨を与えてしまうと歯が割れたり、誤飲するなどの思わぬ事故につながるケースもありますので、慎重に判断しましょう。
犬が噛み砕きやすくなっている加工が施されている骨も販売されていますので、そういったものを与えるのがオススメです。
また、繰り返し何かを噛むことで犬に楽しんでもらうことが目的であれば、骨をかたどったローハイドガムなどもあります。