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2022.03.31

犬の肥満の判断基準は?体脂肪率を意識してドッグフードを選んでみよう

犬の肥満の判断基準は?体脂肪率を意識してドッグフードを選んでみよう


犬が肥満体形にならないよう体重管理を行っている飼い主は多いと思います。犬の肥満は関節トラブルと密接な関係があることで知られていますが、そのほかにも肥満によっておこる病気のリスクは獣医さんや先輩飼い主さんの話の中によく出てくると思います。
とくに高齢になれば代謝が落ちてなかなか痩せにくくなるので、若いうちから適切な体重を維持することが長生きの近道として重視されています。

ところで皆さんは、どんな方法で体型の確認をしていますか?体重をチェックする、BCS(ボディコンディションスコア)を確認するほかに、犬の体脂肪率を測るという方法もあります。

今回は、犬の体脂肪率と体脂肪率が高めの犬のための食事選びのポイントについてご紹介いたします。

体脂肪率で見る犬の肥満

日本臨床獣医学フォーラム(JBVP)ととある企業が、5,000頭を超える健康な日本の家庭犬の体脂肪率測定を実施した結果、4頭に1頭が肥満であることが判明したというデータがあります。年齢や犬種を問わず調査が行われた結果とのことで、お散歩で挨拶を交わす4頭のうち、1頭は肥満…、結構多いですよね。

体脂肪率はその名の通り、体にどれくらい脂肪がついているかを示す指標ですが、犬の体脂肪率はどれくらいが適切なのでしょうか?

犬の適切な体脂肪率は30%以下、というのが大方の獣医師の見解です。一方、日本で暮らす犬全体の体脂肪率も約30%程度といわれています。
この数字は全年齢、全犬種の平均値で、若い犬(1歳)の平均値は26.5%まで下がります。
犬でも、年齢が上がると体脂肪率が上がることが分かりますね。
ただし、高齢になってからグンと上がるのではなく、4~5歳ころから平均値が30%に近付くので、大型犬ではアダルト世代から、小型~中型犬ではまだまだ元気な中年期からすでに体脂肪率が上がりやすくなります。

また、犬の体脂肪率は避妊・去勢手術を行うことでも上がりやすくなります。避妊・去勢によって代謝が低下するためと考えられています。体脂肪の上昇率も、避妊・去勢を行っている犬の方が大きく上がる傾向にあるので、注意が必要です。

体脂肪率のチェックで分かること

犬の体脂肪率は「どれくらい脂肪がついているのか」を数字で示した数値です。同じ犬種、同じくらいの体重の犬であっても筋肉の付き具合で体脂肪率に差が出ることがあります。
ドッグフードの給与量の目安などでは、体重を基準に算出している場合も多く、体重に合わせた食事の量を与えていたはずなのに、体脂肪率をチェックしたら肥満の範囲に入っていたということも起こります。
また、内臓脂肪などは犬の見た目などからは分かりにくいので、体脂肪率を計測することで初めて肥満と分かったケースもあります。
体脂肪率を調べることは、体重チェックやBCSの確認だけでは分からない肥満のリスクを察知するのに適した方法なのです。体重の計測やBCSのチェックと合わせて確認することでより詳細に犬の健康状態を知る助けになります。

肥満傾向の犬のフード選びのポイント

体重、BCS、体脂肪率と様々な項目でチェックを行った結果、犬が肥満傾向にあることが分かった場合、ドッグフードを選ぶときにはどのようなことを意識するべきなのでしょうか。


体脂肪率が気になる犬のためにドッグフードを選ぶなら、現在与えているフードより、脂質とカロリーが低いものを選べばよいということになりますが、できればタンパク質量は落さず、今まで与えていたフードと同等のものになるようにしたいですね。

 

■エネルギー代謝に役立つ成分も取り入れよう!

犬の体重や体脂肪率が増えてしまう背景には、食事などから摂取するエネルギー量が、日常生活や運動によって消費されるエネルギー量を上回ってしまっていることがあります。
そして、犬の消費エネルギー量は年齢を重ねるごとにどんどんと減っていってしまい、より一層太りやすい・痩せにくい体質へと変わっていくので注意が必要です。

低脂肪フードのチョイスに加え、体重管理のワンステップとして、エネルギーの消費・代謝をサポートする成分を意識的に取り入れることもおすすめです。

L-カルニチンとBCAAアミノ酸
筋肉の合成やエネルギー代謝に深く関係するBCAAアミノ酸、脂肪の燃焼に深く関係するのがL-カルニチンです。

BCAAアミノ酸は一般的に肉や魚に多く含まれ、L-カルニチンはラム肉に含まれています。普段私たちが手軽に入手できる食材から取り入れるのは難しいかもしれませんが、アミノ酸バランスが優れた生肉や生の魚を使用していながら、L-カルニチンを含むドッグフードなら、「POCHI ザ・ドッグフード エイジングケアシリーズ」です。すべてのフードに脂肪の燃焼に不可欠のL-カルニチンを配合しています。もちろん、フレッシュで美味しいお肉を第一原材料として使用していますので、アミノ酸バランスもばっちりで、タンパク質30%、脂質10%、306キロカロリーと脂肪分を低く抑えています。(※エイジングケアシリーズ ラムは10.5%)

■犬が美味しく食べてくれる、それが無理なく続ける秘訣

犬の体重管理のための食事選びで、意外と見落としてしまいがちなポイントが「犬が最後まできれいに食べてくれるか」ということ。犬の体重管理を行っている最中の飼い主心理としては、やはり「体重を減らしたい」「これ以上太らせるわけにはいかない」という気持ちになってしまいがち。でも、犬が気に入って食べてくれなかったり、フードを残してオヤツを食べたがったりするようでは、本来の目的からズレていってしまいます。だから、犬が喜んで食べてくれる美味しさは重要。
生肉(生魚)を使用するなど原材料に工夫があれば嗜好性も期待できます。体重管理を行うためのフード選びの際には、使用されている原材料にも注目して選んでみてください。

とくに体重管理用の療法食では、脂質やカロリーを厳密に管理するために、ミートミールが使用されることが多いです。ミートミール自体は、栄養バランスのブレがほとんどなく栄養管理をする上では非常に役立つ食材なのですが、やはり美味しさでは生肉にはかないません。そのため、美味しいものが大好きな犬は療法食や体重管理を意識したフードで露骨に食いつきが悪くなってしまう、ということもあります。

POCHIのエイジングケアシリーズは、第一原材料として生肉・生魚を100%使用。犬の食欲を刺激して、低カロリーで低脂肪、なのに美味しいフードを実現しました。これまで、体重管理用のフードを試したけれど、犬の食いつきが悪く悩んでいた、という飼い主さんにもオススメです。

おわりに

回は、犬の肥満チェックの項目としての体脂肪率の測定と、犬の「隠れ肥満」が分かった時のフード選びのポイントについてご紹介しました。犬の体脂肪測定は、人間ほどメジャーになっていない印象があります。
ですが、犬の体脂肪率を測定することで、体重などだけでは見えてこない犬の肥満や健康状態が判明することもありますので、機会があれば測ってみてください。
体重管理が必要な犬のフード選びについては、POCHIでご紹介しているコンサルティングサービスも活用してみてください。

DOG's TALK

POCHIのペット栄養管理士 岡安

ペット栄養管理士です。犬ぞりやフリスビーなど、犬とできるアクティビティが好き。大型犬を見るとテンションが上がります。

ペット栄養管理士について

*1 2002年5月より実施されている、「ペット栄養管理士」の認定試験に合格した、犬や猫の栄養学の専門家です。栄養・健康増進及びペットフードの品質向上等に関する会員相互の知識、技術の向上を目的に1998年6月に設立された一般社団法人日本ペット栄養学会によって認定されている資格です。 日本ペット栄養学会

ちょっとブレイク ポチっとクイズ

DOG's TALK

問題

犬も体脂肪率を調べることができる?〇か×、どっち?

正解

犬も専用の機械を使って体脂肪率を図ることができます。
犬の適切な体脂肪率は30%以下、というのが大方の獣医師の見解です。一方、日本で暮らす犬全体の体脂肪率も約30%程度といわれています。
この数字は全年齢、全犬種の平均値で、若い犬(1歳)の平均値は26.5%まで下がります。高齢の犬ほど全体的に体脂肪率が上がりやすい傾向にあります。