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2021.12.08

美味しいドッグフードの条件とは?ペット栄養管理士が原材料を調べました

美味しいドッグフードの条件とは?ペット栄養管理士が原材料を調べました

粒タイプのドッグフードを探すときに犬の食いつきが良いものを見つけたい、と考える方は多いですよね。犬の食いつきが良いもの、もっと良いものをと探し回っていると、ふと犬にとって「美味しいフードってどんなもの?」という疑問がモヤモヤと浮かんでくることってありませんか?

犬が美味しいと感じる粒タイプのドッグフードを作ろうと、これまでもさまざまなドッグフードメーカーが研究を重ねてきました。
今回はペット栄養管理士がドッグフードを選ぶときに役立つ犬の味覚のことから、美味しい粒タイプのドッグフードとはどんなものなのか、考察してみました。

犬が美味しいと感じるドライフードの条件とは?

犬は人間よりも味覚が鋭くないといわれています。それは人間と比較して味覚に関する感覚器である味蕾(みらい)が少ないためです。
味蕾は舌の表面にある器官で、口の中に入った食べ物が持っている成分や刺激を「味」という情報に変換して脳に届けます。

犬の味蕾は約1,700個といわれていて、人間が約6,000個の味蕾を持っていることと比較すると約1/3です。しかしこの味蕾の数が人間と比較して少ないからと言って犬が人間と比較して1/3ほどしか味覚を感じられないかというと、そうではありません。

人間でもそうですが、「おいしい」「おいしそう」と感じる時に大きく影響するものの一つに「におい」という要素があります。
ご存知の通り、犬の「におい」を感じることができる能力は非常に高く、犬の臭覚力は人間の3,000倍から10,000倍と言い、特定のにおい(脂肪酸等の臭い)では、人間の100万倍以上とも言われています。ですから、犬の感じる「おいしさ」にはにおいという大きな要素が人間以上に影響していると考えられています。

また、それに加えて食感も嗜好性に影響する重要な要素といわれていて、粒の大きさや形、柔らかいか固いかなども犬の好み・嗜好性に関係します。

犬が感じる美味しさに影響するポイント1 アミノ酸

少し前までは、犬が感じることができる味覚の中で「塩味」がもっとも強く感じられ、塩味の強さが嗜好性に影響するという意見がありました。

しかし、研究が進むと、犬が美味しいと感じる要素として重要なものの一つはアミノ酸だと考えられるようになってきています。

犬の味覚を細かく調べるために、アミノ酸を水に溶かし、同じアミノ酸を溶かした水でも濃度の違う2種類の水をつかって「犬はアミノ酸の量が多い水と少ない水のどちらを選ぶのか」を調べる実験が行われました。
この実験の結果としてすべてのアミノ酸で犬たちはよりアミノ酸の量が多く「甘味やうま味」が感じられるものを選ぶことが分かったそうです。
この実験から、犬はアミノ酸の量の変化からも味わいを感じられるということが分かったのです。

アミノ酸の中には、エビやほたてのうま味の元であるグリシン、チキンや魚、一部の豆に含まれているスレオニン、シジミなどの貝類などに含まれているアラニン、豚肉のプロリン、かつお節や牛乳に含まれるセリン、微生物によって作られるグルタミン酸などがあります。
第一原材料はアミノ酸バランスの良い動物性タンパク質の肉や魚と表記されているものを選ぶのが、おいしいフード探しではポイントのひとつになります。

犬が感じる美味しさに影響するポイント2ドッグフードのにおい

次に注目したいのが、ドライフードのにおいです。非常に優れている犬の嗅覚ですが、中でも脂肪酸のにおいを検知する能力は前述のとおり優れているといわれています。
警察犬は、この脂肪酸の香りをにおいに微妙な違いを感じ取り、追跡や捜査を行います。(日本警察犬協会のHPより)

このことを考えると、犬の嗜好性にも脂肪酸のにおいが影響している可能性も高そうです。
脂肪酸と言えば、犬の大好きな肉や魚にも豊富に含まれています。原材料として使用される食材で考えてみると、生肉や生魚のほうが嗜好性が高いといわれる傾向には、アミノ酸と食材が本来持っている脂肪酸が上手く組み合わさっているからなのかもしれません。
また、食材に含まれる脂肪を抽出したチキンオイルやフィッシュオイルなどは嗜好性を高めるもののひとつになります。

一方で、犬の鋭い嗅覚は脂肪酸が酸化することで発生する酸化臭も敏感に感じ取ります。
ドッグフードメーカーは酸化を防ぐために遮光性や気密性を高める工夫を凝らしたパッケージを作ったり、抗酸化成分を配合するなどの努力を続けていますが、酸化は開封した瞬間から始まるので、徐々に強くなっていく酸化臭を敏感に犬は感じています。その酸化臭が好きな犬もいるようですが、健康のことを考えると開封後はなるべく早めに食べきれるサイズを選ぶようにしてくださいね。

犬が感じる美味しさに影響するポイント3食感

次にドッグフードの嗜好性に影響するポイントとして注目したいのが食感です。
食感に影響するといわれているのが、ドライフードの粒サイズや粒の固さ、粒の形などです。
多くの場合、小型犬用として販売されるドライフードは粒が小さめ、大型犬では粒が大きめという傾向がありますが、小型犬でも粒が大きいドライフードが好きな子もいますし、大型犬でも粒が小さいものが好きという子もいます。粒の形や硬さも犬の好みによる部分が非常に大きいので、まずは試してみないとわからないというのが実際のところといえます。
ですが、これまでに気に入って食べていたドライフードの傾向や、オヤツの好みなどから固めのものが好きなのか、小さめのものが好きなのかをある程度想像することができますので、犬の好みを振り返ってみてください。

まとめ:うちの子の「おいしい」ドッグフード探しのポイント

ドッグフードの嗜好性に影響する大きなポイントとして、「アミノ酸」「脂肪酸」「食感」がありました。「アミノ酸」と「脂肪酸」は原材料による影響が大きい部分でもあります。
もちろん原材料がすべてではありませんが、犬が好きなオヤツをヒントにして、主原料をチェックしてみるのも一つの方法です。
鶏肉系のオヤツが大好きな犬であれば、チキンを主原料として使用しているドライフードを、魚のオヤツが好きな子には、魚を主原料として使用しているものを選んでみてください。
その中でも、「フレッシュミート」「生肉」はより嗜好性が高い傾向にあるので、生肉を使用しているフードがオススメです。
健康のためにドッグフードの原材料をチェックしていくと、犬に与えたい栄養や成分につい注目してしまいがちですが、「おいしさ」についてのドッグフードチェックは、健康の基本である「食べる」を満たすためにも大切な要素になります。ぜひ、うちの子の"好み"を日々観察してみてください。