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2022.08.24

【#大きな犬と】ラブラドゥードルとのサステナブル都会ライフとは?

【#大きな犬と】ラブラドゥードルとのサステナブル都会ライフとは?

同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、最新情報やお役立ち情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)



今回のとっておき情報都心部でのサステナブルライフ

かつてはゴールデン・レトリーバー、現在はラブラドゥードルと東京都心部で暮らすドッグトレーナーの田辺三由紀さん。ペットロスがきっかけで現在のラブラドゥードルと出会ったという田辺さんの、都会派サステナブルライフをご紹介します。

喪失感から立ち直らせてくれたラブラドゥードルとの出会い

「わぁ~! うちの子ったら本当におてんば娘なんだから」と、東京都内の公園でラブラドゥードルの5歳のカオちゃんに微笑みかける田辺三由紀さんは、5年前は悲しみの涙に暮れる毎日でした。
「多頭飼育をしていたのですが、ゴールデン・レトリーバーのバルトに次いで、グランパー・スパニエルのうららが14歳で旅立ってしまって。食欲も失い、泣いてばかりで激しいペットロス状態に陥りました。見かねた夫が、うららと同じ被毛の配色のオーストラリアン・ラブラドゥードル(AL)を犬舎のホームページで見つけて、我が家に迎え入れることになったんです」

三由紀さんがコンパスの軸のようになって、カオちゃんがグルグル周回

三由紀さんがコンパスの軸のようになって、カオちゃんがグルグル周回

そもそも三由紀さんがグランパー・スパニエルを選んだのは、セント・バーナードに似ているからだとか。
「私、大型犬が大好きなんです。セント・バーナードが憧れですが、さすがに歩道も狭い都心部で気軽に飼える犬種ではないなぁ、と断念。そこで目を付けたのが、セント・バーナードを小さくしたような外観のグランパー・スパニエルでした。体重30kg台なので、私でも将来は介護ができるだろうと」
ラブラドゥードルを選んだのも、老犬介護のことを考えたからだといいます。
「実家から私と一緒に嫁ぎ、がん(悪性腫瘍)を発症して8歳でこの世を去ったゴールデン・レトリーバーのケネディは46kg、バルトやうららも30kg以上ありましたから、やはり介護は大変でした。
なので飼い主が40代になって迎えるにあたり、次は抱っこがラクで介護でも骨が折れない犬種にしようと話し合っていたんです。カオは体重15kgなので、小柄な私でも扱いやすくて、しょっちゅう抱っこしています。おかげで、うらら同様の甘えっ子に育っています(笑)」

ホワイトを貴重に、レモン色やオレンジ色のマーキングが入ったカオちゃんの毛色は、グランパー・スパニエルにそっくり

ホワイトを貴重に、レモン色やオレンジ色のマーキングが入ったカオちゃんの毛色は、グランパー・スパニエルにそっくり

健康に気遣った都会のドッグライフ

カオちゃんと三由紀さんの1日は、毎朝3時から始まります。
「冬も夏も、朝4時から2時間ほどの散歩が日課です。都内中心部ですが、早朝は人通りも車通りも少なくてとても静か。小鳥のさえずりも響いています」
四季の移ろいを感じる公園をめぐったり、川沿いの遊歩道をのんびり歩いたり……。三由紀さんにとって、朝の散歩タイムはカオちゃんとのかけがえのない時間です。

春から秋にかけての散歩前には、三由紀さん手作りのアロマ虫よけスプレーで蚊の襲来をガード。
「精製水と無水エタノールをスプレーボトルに入れ、レモングラスやゼラニウムなどのカオちゃんが好きそうな香りで、でも虫が嫌うアロマオイルを選んでブレンドしたりして加えてできあがり。もちろん、私も使っています」
スプレーボトルをリユースすることは、ゴミの削減にもつながっています。

天真爛漫なところがカオちゃんのチャームポイント

天真爛漫なところがカオちゃんのチャームポイント

散歩から帰宅すると、カオちゃんのごはんタイム。
「食事に関しては、腸内環境を整えて身体の免疫力を高めることを意識しています。たとえば、ナットウキナーゼを含む納豆、腸内環境を整える作用がある酵素たっぷりのリンゴなどは、積極的に与えていますね。
あと、善玉菌の餌になると言われるヨーグルトも、必ず寝る前に毎日食べさせています」
カオちゃんのごはんは1日3回ドライフードが2割で、その上に肉類や魚類など毎日異なるタンパク源と、旬の茹で野菜などをトッピング。食材は家族の食事用と共有し、なるべく廃棄する部分が少なくなるようにも気を遣っています。

「我が家は一軒家。もし震災や水害などで避難所生活になった場合、決まったフードしか食べられないのは困ります。なので、どんな食べ物でも大丈夫になるように子犬期から気を配って育てました」
カオちゃんは、好き嫌いもなくなんでも喜んで食べるそうで、おいしそうに食べる姿を眺めるのも三由紀さんがしあわせを感じるひとときだと言います。

ジャンプ力も抜群のカオちゃんは、肥満とは無縁のヘルシーボディ

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ドッグトレーナーとして犬のしあわせを願って

田辺家にとって4代目の犬となるカオちゃんは、田辺家史上もっとも甘やかされているとも。
「先代のうららと先々代のバルトとは、ジャパンケネルクラブ(JKC)が主催する家庭犬訓練試験を受けました。けれどもカオちゃんとは、のんびりゆったり過ごしたいので、ガツガツとなにかに挑戦することは考えていません。もちろん、日常生活に必要なマナーは身につけさせたいので、必要最低限のトレーニングは行っていますが」とのこと。

現在は東京都中央区の動物との共生推進員、そしてドッグトレーナーとしても活躍する三由紀さんがドッグトレーニングを学んだきっかけは、2代目のバルトくんでした。
「温厚で落ち着いていた1代目のケネディの面影を、いつも追い求めていたんですよね。『なんで、バルトはこうなのよ!』『ケネディはこんな強く甘噛みしたことないのに』と戸惑ううちに“育犬ノイローゼ”に近い状態に陥ってしまって……。
夫に指摘されて『バルト、ママはいつも比較してたね。ごめんね』と反省。そして、バルトとの信頼関係を深めようと決心して、トレーニングを始めたんです」

家庭犬訓練試験での脚足歩行(ハンドラーの横を歩く)を思わせる、田辺さんの散歩での一コマ

家庭犬訓練試験での脚足歩行(ハンドラーの横を歩く)を思わせる、田辺さんの散歩での一コマ

トレーニングを始めてから、三由紀さんはバルトくん本来の良さがどんどん見えてきました。
「人との協働作業に喜びを感じるレトリーバーとしての充実度も、トレーニングによって上げられたと思います」
バルトくんとの信頼関係を深められた結果、JKC家庭犬訓練試験で満点を獲得し、CD1(家庭犬初等科※初級レベル)に一発で合格しました。

「やんちゃで手のかかる大型犬だったバルトがいなかったら、今の私はいません。これまで3頭の大型犬たちに心から感謝しています」
このように述べる三由紀さんは、大型犬を飼い続けたくても体力的に自信がなくなったシニア世代に、ラブラドゥードルやゴールデンドゥードルはおすすめだと言います。
「これまでの子たちは抜け毛の掃除も大変でしたが、プードルの血が入っているラブラドゥードルは抜け毛も少ないし、体重も軽いですし扱いやすいですね。
そしてなにより、やっぱり性格的に、陽気でフレンドリーなレトリーバーらしさもたっぷりですから笑顔が絶えない毎日ですよ」
そう言いながら三由紀さんが投げたボールを、カオちゃんはジャンピングキャッチしては、何度も三由紀さんのもとに運び届けていました。
田辺夫婦とヘルシーライフを送るカオちゃんの笑顔もまた、今日も都内で弾けていることでしょう。

ボール遊び大好き! ママもパパも大好き!

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ライター:臼井 京音



 

 

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