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2022.12.22

【#大きな犬と】都会と高原の2拠点生活を、大きな犬とエンジョイ!

【#大きな犬と】都会と高原の2拠点生活を、大きな犬とエンジョイ!

同じ犬でも小型犬と大型犬では、育て方や食事など気をつけたいポイントがちょっと違います。でも世の中にある知りたい情報は小型犬向けが多いのが少々残念…。そんな飼い主さんのために、大きな犬にフォーカスした、最新情報やお役立ち情報を集めて紹介します。(POCHI編集チーム・大きい犬班)



今回のお役立ち情報2拠点生活

東京と菅平高原の2拠点で、ボルゾイとボーダーコリーMIXの元保護犬と過ごす、竹脇献さんと村尾昌美さんのナチュラルライフを紹介します。

暑さが苦手な大きな犬が、高原でのびのび

竹脇献さんと村尾昌美さんとボーダーコリーMIXのアイオナちゃんは、2016年から、東京都心部と長野県菅平での2拠点生活をスタートしました。

菅平の家での、アイオナちゃん専用のベッドスペース

菅平の家での、アイオナちゃん専用のベッドスペース

春から秋にかけての菅平高原でのアイオナちゃんの1日は、竹脇さんとの散歩から始まります。
小鳥がさえずり、木々の葉がそよぎ……、まるで全体がやさしい音楽を奏でているかのような森にのびる散歩道を、アイオナちゃんは走ったり、ときには獣が残したにおいを嗅いだりしながら、気ままに進みます。
散歩後、竹脇さんと村尾さんは、コーヒーとパン、そして家庭菜園で育てたルバーブのジャムなどを庭のテーブルに並べ、ゆったりと朝食。

庭先ではおいしい空気もごちそう

庭先ではおいしい空気もごちそう

「アイオナの運動量が、東京と菅平では全然違いますね。
空気もおいしいし、菅平では大自然の中をアイオナは笑顔で駆け回っています」と微笑む写真家の村尾さんは、ご自身も夏場は菅平のほうが体調が良いと語ります。
「アイオナは、ボルゾイとボーダーコリーのミックスなので、そもそも暑さが苦手。私は仕事の都合で東京の家にいることも多いですが、都内では梅雨入りから初秋まで、アイオナのためにエアコンを24度設定にしてほとんどつけっぱなしです。菅平は、真夏でも最高気温は25度前後なので、冷房いらずで快適ですね」とのこと。

庭で瞑想をする村尾さんのそばで、アイオナちゃんはひとやすみ

庭で瞑想をする村尾さんのそばで、アイオナちゃんはひとやすみ

別荘暮らしではなく、拠点暮らしを選択した理由

菅平の家を、もともと別荘として使用していた竹脇献さんと村尾昌美さん。そこを拠点のひとつにしたのは、竹脇さんがオーガニックハーブの栽培を本格的に始め、ガーデナーになったから。
「2000年代にイングランドのシュタイナースクールでガーデナーとして3年間、野菜とハーブの生産に従事した経験があります。生まれ育った東京に帰国してからも、試しに東京から日帰りできる範囲の郊外でハーブを育てていましたが、最終的には海抜1400mの菅平高原こそ、高温多湿な環境が苦手なアルニカの栽培に理想的だと思い至ったからです。さすがに東京から長野県の菅平へは、気軽に通えませんからね。
ハーブのためだけでなく、自分も心地良くて、3月末から10月末まではほとんど菅平から離れません」(竹脇さん)

「土の微生物を活かす、バイオダイナミックに取り組んでいます」と語る、竹脇さん

「土の微生物を活かす、バイオダイナミックに取り組んでいます」と語る、竹脇さん

竹脇さんが栽培したアルニカとカレンデュラは、バームやオイルなどのオーガニックコスメ(ブランド名“ハイランドレメディーズ”)に姿を変え、販売されています。

大きな犬の遊び場は、大自然のなか

朝食が終わると、竹脇さんは軽バンの助手席か後部にアイオナちゃんを乗せて、20分ほどのところにあるハーブ畑へ。
「途中でコンビニに寄ると、『アイちゃ~ん、おはよう!』と、助手席の窓から顔を出すアイオナに何人もあいさつしにくるんですよ。高原の人気者です」と、竹脇さんは笑います。
畑の入口で車を降りたアイオナちゃんは、すごいスピードで細い自然路を行ったり来たり。ひときわ、うれしそうな表情になります。
「元保護犬だったアイオナを迎える前は、トイ・プードルもいました。その子も、がんばってこの山道を歩いていましたね。アイオナはトイプーより大きいし、しなやかなでダイナミックな動きを、ここでは見せてくれます」(村尾さん)

車窓から車窓へ、高原を渡る涼やかな風が吹き抜けます

車窓から車窓へ、高原を渡る涼やかな風が吹き抜けます

竹脇さんの畑仕事に必ず同行するアイオナちゃんは、畑に接する森まで少しだけ足を延ばして散策したり、草むらの上でゴロゴロ転がったり、竹脇さんや村尾さんのあとについて畑の中を歩いたり、高原の風に吹かれながらまどろんだり……。
帰路の車の中では、眠ることもあれば、景色を眺めることも。思いのままに、自然と戯れながら1日を過ごします。

ハーブの種を収穫するふたりと一緒に

ハーブの種を収穫するふたりと一緒に

“住む”ようになると、地元の人と仲良くなる

竹脇さんと村尾さんが拠点にしている菅平の家は、森の木々に囲まれた別荘地にあります。
「クマの親子を見ることもありますよ。
別荘が多いとはいえ、定住している人もいます。ここを拠点として暮らすようになってから、地元の人に助けてもらうようになりました。たとえば冬に、不具合を起こした水道管をバーナーで直してもらったり……。色々と教えてもらっていて、みなさんと仲良くなり目先が広がりました」と、竹脇さん。
冬には氷点下20度になる、菅平。東京都心部とは別世界とも言える自然豊かな菅平での生活に慣れるまでは大変だったものの、今では苦労はないそうです。

冬は薪を使い暖炉で室内を暖めます

冬は薪を使い暖炉で室内を暖めます

「野菜も東京より安くて新鮮でおいしいですしね。食費も東京よりかからなくて、菅平での生活も快適ですよ」と、村尾さんは微笑みます。

都会暮らしはネコのように!?

写真展を開催中で東京に数ヵ月間の予定で滞在しているという村尾さんを訪ねると、アイオナちゃんは村尾さんのデスクから少し離れたソファの上でくつろいでいました。

ソファの上から村尾さんを見つめるアイオナちゃん

ソファの上から村尾さんを見つめるアイオナちゃん

「以前、ラブラドール・レトリーバーと暮らしていたこともあるんですが、ボルゾイMIXのアイオナは、ラブラドールとは対照的で全然ベタベタしてこないんですよ」とのこと。
ラブラドールは、村尾さんの布団に入ってきてくっつくように寝ていましたが、アイオナちゃんは布団にも入らず、「眠い時は、かまわないで!」という空気感を漂わせながら、確保した自分のスペースで横になるそうです。
「ラブラドールと違って、家の中では呼んでも来ないですしね(笑)。アイオナは、自分の気分を大切にする子。まるでネコのようです」とも。

村尾さんの作品が並ぶアトリエで

村尾さんの作品が並ぶアトリエで

「東京生活では、友人と会ったり、おいしい料理を食べに行ったり、展覧会や美術展をめぐったり、私には楽しみも多いですね。菅平は東京と違って、健康的な生活ができます」
そう言いながらアイオナちゃんにブラシをかける、村尾さん。
東京でのアイオナちゃんは、部屋でゆっくりネコのように過ごすことが多いとか。トイレタイムを兼ねて庭に出たり、村尾さんと一緒に商店街を散歩したりもします。

東京の居宅の庭での一コマ

東京の居宅の庭での一コマ

「私にもアイオナにも、オンとオフ、どちらも必要ですね。その意味でも、2拠点生活は良いものです」
このように語る村尾さんにとって、東京はオンで菅平はオフの生活、逆にアイオナちゃんにとっては東京がオフで菅平がオンの生活になるのかもしれません。

文・写真:臼井京音





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