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2025.12.22
冬は生命エネルギーを温存して温かく過ごすことが肝心《RETRIEVER + POCHI archive045》
イラスト=macco
構成・文=RETRIEVER編集部
「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)
冬は「腎気」を温存し体を冷やさないこと
※青い線→助ける動き、赤い線→妨げる動き
中国の二十四節気では、月初めの「立冬」から約3カ月が冬とされ、季節の変わり目となる立冬前後は、人も犬も体調を崩しやすい時期です。中医学では冬を「閉蔵(へいぞう)」の季節と呼び、エネルギーを消耗しないよう静かに過ごす時期と考えられています。そのため冬の養生には、人も犬も「腎気」を守るため体を温めることが最も大切です。暖房器具や湯たんぽを好む場合は、寒さを感じている証拠なので、心地よい方法で温めてあげましょう。足先が冷たい時は、血行が悪くなっている可能性があり、内臓や関節の不調につながる前に温めることをオススメします。
万物は5種類の元素「木火土金水」から成るという中国の自然哲学「五行説」。陰陽説とも融合して、五元素は互いに陽(青い矢印)と陰(赤い矢印)の関係にあります。さらに、季節や臓器が当てはめられ、養生法に役立てられます。
シニアの冬の養生 -寒い冬はまず温めること-
■ 自然な温かさの湯たんぽ
最近では、電子レンジ対応や電気式など便利なものもありますが、オススメなのはやはりお湯を入れるタイプです。自然な温かさが心地いいでしょう。いずれにしても、使う場所や犬のサイズに合わせることと、厚い生地のカバーは必須です。湯たんぽの注意点は、低温やけど。シニア犬は皮膚が弱くなっていたり、寝たきりの場合もあるので、適温での使用を。
■ 足湯
足湯に浸かると、ほっとすると同時に、体が温まるのを感じます。そんな経験を犬にも自宅でさせてあげましょう。足先が冷たくなっていたら、適温(41度ぐらい)の湯に2〜3分ほどつけて、ついでに肉球をマッサージし、血行促進を。お風呂に入れるよりは、手軽で全身を温めることもできるのでオススメです。
■ 冬は黒い食材をプラス
冬が旬で、薬膳的に「腎」の機能を補う効果のある野菜として、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツがあります。
その他、冬の色である「黒」の食材も取り入れたいところです。例えば、海苔、黒豆(ゆでる)、黒米(炊く)、黒ゴマ(する)、黒キクラゲなどを、ゆでて細かく刻んだ野菜とともに、フードに少しずつトッピングするだけで大丈夫です。
■ 外気浴で「気」を取り込む
朝一番の、まだ空気が汚れていない時間帯に、その新鮮な空気に触れることを「外気浴」といいます。朝日を浴びることで、セロトニンという神経伝達物質(別名・幸せホルモン)が発生し、脳を活性化する働きがあります。冬は日の出時刻も遅くなるため、そのころに外気浴を兼ねて犬の散歩に出れば、いい「気」を取り込めます。
出典:『RETRIEVER』vol.110/「冬は生命エネルギーを温存して何よりも温かく過ごすことが肝心」
*1 監修=石野孝、相澤まな|いしのたかし。『かまくらげんき動物病院』院長。麻布大学大学院獣医学研究課程終了。日本ペットマッサージ協会理事長。最新の西洋医療と伝統的な東洋医療を融合させた動物達に優しい治療を行なっている。/あいざわまな。『かまくらげんき動物病院』副院長。麻布大学大獣医学部卒業。日本ペットマッサージ協会理事。ホリスティック医療を得意とし、治療に取り入れている。著書に『犬のツボ押しBOOK-ワンちゃんの病気予防と健康管理に-』(石野院長と共著、医道の日本社)他、多数。


