- コラム
2025.05.22
フィラリア予防の春から始めたい!犬と飼い主の肝臓ケアに役立つ季節の食材

寒さの厳しい冬を乗り越え、春は体が「切り替えモード」に入る季節で、寒暖差の激しいこの時期は犬も飼い主も内臓にかかる負担が増えるといわれます。
とくに春からワクチン接種やフィラリア予防、ノミ・ダニ対策といった「お薬シーズン」でもあり、肝臓にかかる負担が大きくなりやすいタイミングです。
本記事は、春からはじめたい肝臓ケアを意識した食材や習慣を、犬と飼い主の両方の視点で紹介します。
春に意識したい「肝臓を労わるケア」
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、不調があっても症状を感じにくいとされます。しかし、肝臓の働きは非常に重要で、まさに体のフィルターともいえる働きを担っています。
✓代謝の調整
✓有害物質の解毒
✓栄養素の合成や貯蔵
フィラリア予防の春をタイミングに、肝臓の負担を軽くする手助けとして、“冬に溜め込んだ老廃物からリセット”を意識してみませんか。
肝臓をサポートする栄養素
肝臓をサポートする栄養素は、ビタミンや食物繊維などがあげられます。
家庭では、肝臓をいたわる栄養素を意識的に食事に取り入れる工夫で犬の健康管理に役立てることができます。
★ビタミンB群
ビタミンB群(B1・B2・B6・B12など)は、エネルギー代謝を円滑にする働きがあり、食べたものを効率よくエネルギーに変えるサポートをします。
とくに春からは、冬と比べて活動量が増え、体が動き出す季節と言えます。
エネルギー消費量も増えるため、代謝のスムーズな切り替えが肝臓の負担を手助けするポイントとなります。
また、ビタミンB群は神経機能を安定させる働きもあり、季節の変わり目の寒暖差やストレスによる疲労やイライラ対策にも役立つ栄養素。ビタミンB群は水溶性なので、毎日の食事からこまめに摂っても体内に蓄積されません。
★ビタミンC

ビタミンCは、強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去して細胞を守る働きがあります。
春は、花粉や黄砂、気温の変化などで体にストレスがかかりやすく、知らず知らずのうちに活性酸素が増加しやすい時期です。また、ビタミンCは、肝臓の解毒酵素の働きを助ける役割もあり、薬や食品添加物のスムーズな代謝(分解・無毒化)をサポートします。
犬はビタミンCを体内で生成できるため、食事での摂取が必須ではないものの、ストレスがかかる予防の春からの健康維持にビタミンCが役立ちます。キャベツやブロッコリー、パプリカなどからも摂取できるため、春~夏野菜を意識的に取り入れることがおすすめです。
★食物繊維

意外にも水溶性食物繊維は肝臓の健康維持をサポートしています。
水溶性食物繊維が胆汁と結合し肝臓での再吸収を抑制したり、糖の吸収を緩やかにしています。
他にも、腸内の善玉菌を増やすことは、免疫力の向上や代謝の活性化にもつながりますね。
春から夏にかけては気温の変化で腸の動きが不安定になりがちなので、お腹のためにも水溶性食物繊維を含むキャベツ、海藻類などがトッピングにオススメです。
★スルフォラファン

スルフォラファンは、主にブロッコリーやブロッコリースプラウトに含まれる成分で、肝臓の解毒酵素を活性化し、体内の毒素をスムーズに排出するサポートをします。また、抗酸化作用にも優れ、細胞の老化を防ぎ、春から夏の健康管理に適した成分です。
春から始まる薬の服用や気候・環境ストレスもあって、これから肝臓はフル稼働する季節になります。スルフォラファンも肝臓の働きをサポートする栄養素。犬も人も季節の変わり目を元気に乗り越えるためのお役立ち成分です。
ブロッコリーは加熱すれば柔らかさも簡単に調整できるので、細かく刻むなど犬の食事のトッピングに活用しやすい野菜です。
春におすすめの犬にもOKな食材3選
ここからは、犬と一緒に楽しめる肝臓ケアを意識した食材を管理栄養士がピックアップ。
+キャベツ(特に春キャベツ)

春キャベツはやわらかく甘みもあり、犬にも与えやすい野菜です。ビタミンCや食物繊維に加え、消化を助ける酵素や胃粘膜の保護にも期待しました。
与え方のポイント
✓生ではなく加熱(蒸す・茹でる)して細かく刻む
✓1食に少量(トッピング程度)を目安に
※生キャベツはガスが溜まりやすいため、与えないようにしましょう。
+ごま(すりごまで少量)

ごまに含まれるセサミンやゴマリグナンで、抗酸化作用や肝機能の維持に期待。ビタミンEやカルシウムも豊富です。
与え方のポイント
✓焙煎すりごまを使用
✓小型犬で1日ひとつまみ(約0.5g)程度にとどめる
✓必ずすりごまにして吸収率UPを
+ハーブ

肝臓の働きのサポートに使われるハーブとしては、ダンデライオン(たんぽぽ)、ミルクシスル、ネトルなどがあげられます。健康を気遣う犬用サプリメントやフードにブレンドされていることがあります。POCHI ベーシックシリーズやエイジングケアシニアシリーズにも、ブレンドハーブが配合されています。
春におすすめの健康ポイント

+犬は「予防薬の季節」
春は、肝臓に負担をかける薬が重なる季節です。
✓フィラリア予防
✓狂犬病・ワクチン接種
✓ノミ・ダニ予防薬
とくに高齢犬や肝臓の弱い体質の犬にはケアしたい季節です。
日頃のフードにトッピングとして、肝臓の代謝機能を手助けする栄養素が含まれる春キャベツ、ごま、腸内環境を整える野菜をプラスし、ダメージを和らげたいですね。
+飼い主は「疲れやすい季節」
春から夏にかけては人間も、体の疲れを感じやすい季節です。「朝がだるい」「胃が重い」「肌が荒れやすい」などのサインは、肝臓疲労や代謝低下の可能性があると思います。
朝、白湯にレモンやショウガを加えて代謝を高めたり、春キャベツやごま、菜の花、せりなどの苦味のある香味野菜で乗り切りましょう。また同時に、糖質や脂質の摂りすぎを見直すこともポイントです。
まとめ
春からは犬も人間も肝臓の負担が増えはじめる季節なので、肝臓にやさしい食材を取り入れたケアが大切。春から夏野菜で家族全員で一緒に、肝臓ケアを意識していきましょう。