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2025.07.28
お散歩に行けない日が続いたら?運動不足&食べすぎを防ぐ"見直しポイント"と栄養の工夫
「猛暑で散歩に行けない…」
「なんだか最近、エネルギーが余ってる感じで、太ってきた?」
そんなとき、カギを握るのは「食事の見直し」です。実は、散歩に行けないおうち時間が増えても、太りにくくする工夫はたくさんあります。 大切なのは、減らすだけの食事制限ではなく、「代謝」や「満足感」を意識した調整です。
本記事では、運動不足による太りやすさの原因から、食事の工夫や栄養サポートまで、犬の健康を守るための見直しポイントを詳しく解説します。
運動不足のまま「いつも通り」食べていると太りやすい理由
運動量が減っているのに食事量を変えないと、消費エネルギーを超え、体重増加につながります。また、おうち時間が長くなるとついついおやつの量が増え、いつの間にかカロリーオーバーになりかねません。
+活動量の減少
犬の1日の消費エネルギーは、大きく分けて 「基礎代謝」+「活動代謝」 です。 このうち、散歩などの運動ができない日が続くと、「活動代謝」が大幅に減ります。一般的に、1日あたり50〜100kcal程度のエネルギーを、散歩などの活動で消費されるといわれています。 この分が減っているにもかかわらず、食事やおやつがいつも通りだと、少しずつカロリーが蓄積されてしまうことが肥満の原因です
特に、避妊去勢後の犬やシニア犬はもともと基礎代謝が落ちているため、運動不足による影響を受けやすいといわれています。
+おやつの増加
運動ができない日は、「退屈そうだから」「少しは楽しみを」と、ついついオヤツの回数や量が増えがちですが、与えすぎるとカロリーオーバーにつながってしまいます。 とくに市販のオヤツは、小さくてもエネルギーが高いものが多く、積み重ねが肥満の原因になりやすいです。 「ごほうび」や「しつけ用」のオヤツも、1日の摂取量として計算に入れてみてください。
食べすぎサインを見逃さない!飼い主が気をつけたいこと
犬がフードやおやつを欲しがる姿はかわいいものですが、注意点があります。
犬は人間と違って、満腹感が鈍い動物です。そのため、飼い主が量を管理しなければ、過剰摂取になる可能性が高まります。
【確認したいサイン】
✓ フードのパッケージ記載の給与量をオーバーしていないか?
✓ トッピングやおやつ、ご褒美を「別枠扱い」にしていないか?
✓ ただの「退屈しのぎのごはん」になっていないか?
「欲しがる=足りない」ではないことを意識したいですね。
カロリー調整の基本|やりすぎず、栄養はしっかり
運動不足だから食事量を減らす必要があるといっても、いきなり量を減らすのは正しい方法ではありません。 満腹感が得られず、ストレスになったり、必要な栄養素が不足したりするリスクがあります。
次の3つの方法で、満足感と栄養をキープしながら、自然にカロリーダウンに取り組みたいですね。
方法1エネルギー密度が低い野菜をトッピング
低カロリーで食物繊維が豊富な野菜を使えば、ボリュームアップして満足感が出ます。
【おすすめ野菜】
● かぼちゃ:加熱して一口サイズに
● ブロッコリー:加熱して小房に分ける
● きゅうり:皮を薄くむく
必ず加熱し、食べやすいサイズに細かくしてから与えましょう。
方法2低脂肪・高タンパクの食材に置き換え
脂肪の少ないタンパク源を使うことで、筋肉量はキープしつつ、カロリー調整ができます。
【おすすめ食材】
● 鶏ささみ
● 白身魚(タラ、カレイなど)
おやつで与える肉やフードの一部を、脂肪とタンパク質の量を意識した食材に置き換える形で取り入れることがコツです。
方法3おやつを栄養補助として考える
「食べる楽しみ」をなくすのではなく、質を見直すことがポイントです。
【おすすめのおやつ】
● 代謝を助けるビタミンやミネラル補給もできるオヤツ
● 噛みごたえのある乾燥野菜や干し肉
● 時間をかけて食べられるガム類
おやつを「ご褒美」としてではなく、「補助栄養源」と捉えると、選び方も変わってきます。
代謝を助ける!「代謝サポート栄養」とは
単に減らすのではなく、代謝を助ける栄養素を取り入れることで、太りにくく、健康的な体を保ちやすくなります。
★ビタミンB群
糖質や脂質、タンパク質を効率よくエネルギーに変えるためには、ビタミンB群が欠かせません。運動量が減ると代謝も落ちやすくなりますが、ビタミンB群を摂ることで代謝のサポートが可能です。
豚肉やレバー、玄米などに多く含まれており、日々の食事に取り入れると代謝維持に役立ちます。
★タウリン
タウリンは肝臓の解毒機能をサポートし、エネルギー代謝にも関与する栄養素です。特に魚介類(マグロ、カツオ、イカやタコなど)に豊富で、食事からの摂取が難しい場合はタウリン配合のサプリメントもあります。
活動量が落ちたときでも、体の中で効率よくエネルギーを使えるように適量を補いたい成分です。
★オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
オメガ3脂肪酸は、代謝をスムーズにしながら体内の炎症を抑える働きがあります。動きが減った犬は体内の代謝バランスが乱れがちですが、オメガ3脂肪酸を摂ることで調整をサポートします。
オメガ3脂肪酸は皮膚や被毛の健康維持にも重要で、サーモンオイル、亜麻仁油、えごま油などの良質な脂質源から摂取可能です。
★L-カルニチン
L-カルニチンは、脂肪をエネルギーに変える際に必要なアミノ酸の一種です。とくにシニア犬や運動量が少ない犬では、脂肪燃焼の効率が落ちやすくなるため、意識的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
サプリメントや、L-カルニチンが添加された専用フードからの摂取が有効です。太りにくい体作りをサポートします。
体重が増えない工夫|「食べる楽しみ」はそのままに
太らせないために「食べさせない」ではなく、「工夫して楽しませる」という視点が大切です。
Point13~4回の分食にする
食事の回数を1日3〜4回に分けることで、空腹時間が長くなりすぎず、満腹感を持続できます。血糖値の急激な変動を防ぎ、代謝も安定しやすくなります。
また、食事の回数が増えることで、犬にとって「楽しみ」が増え、ストレスの軽減や食べすぎ防止にもつながります。
Point2ゆっくり食べる仕掛けを導入する
早食いを防ぐことで、満足感が高まります。
【おすすめグッズ】
➤ ノーズワークマット
➤ 知育トイ(中にフードを詰めるタイプ)
➤ フードを小分けにして部屋のあちこちに隠す「宝探しごはん」
これらは頭も使うため、精神的な刺激=エネルギー消費にもつながります。
まとめ
運動できない日が続いても、「代謝を助ける栄養」と「食事の工夫」で体重管理は可能です。量を減らすだけでなく、質や与え方を見直すことが大切です。
体調や体重の変化をこまめに記録しながら、犬の健康を守っていきましょう。


