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2025.07.09
運動不足解消エクササイズ~筋肉・体幹・強化トレーニング編~《RETRIEVER + POCHI archive023》
撮影=樋口勇一郎
構成・文=RETRIEVER編集部
「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)
これからの季節、ジメジメ・ムシムシの炎天下の日々が続きます。人間だけでなく犬達にとってもツラい時期。それに伴い、運動不足気味になる犬も多いと思います。 暑くて散歩が難しい時は無理せず、室内エクササイズで筋肉量の低下を防ぎましょう。
まずは知っておこう!運動不足による悪影響
★基礎代謝が下がり肥満になる
活動量が減ると筋肉量も低下します。筋肉量と基礎代謝量は比例しているため、筋肉が落ちれば基礎代謝量も減り、ごはんを食べてもエネルギーとしてしっかり消費されず、余った分は脂肪として体内に蓄積されます。その結果、肥満になるのです。肥満は糖尿病や心血管疾患(心臓や血管に生じる病気)などの発症リスクを高める他、寿命を縮める恐れもあります。
■Check list
✔なでた時に肋骨が確認できない
✔上から見た時に腰のくびれがほぼない
✔(横から見て)お腹から後ろ脚にかけて吊り上がっていない、もしくは垂れている
★運動器系の疾患から将来、寝たきりになることも…!?
運動不足は消化器系の働きを鈍らせるため、便秘の原因になります。また十分な運動習慣がないと、骨や筋肉、関節、靭帯などの運動器系にも悪影響を及ぼし、関節炎や椎間板ヘルニアなどの神経疾患を発症することもあります。こうなると、動くこと自体がおっくうになり、食欲が減退し、ますます運動能力が低下します。最終的には寝たきり状態になることも。
■Check list
✔歩に行きたがらない
✔後ろ脚の筋肉が減り、お尻が小さくなってきた
✔以前より動きが鈍くなってきた
★ストレスがたまり問題行動を起こすようになる
体を動かすと、エネルギーが消費されるだけでなく、ストレス発散にもなります。言い換えれば、活動量が少ないとストレスがたまり、数々の問題行動を引き起こす可能性があるのです。手足や体をしきりになめる、攻撃的になる、 飼い主の留守中にものを破壊するなど、気になる行動をするようになったら、それはストレスが原因かもしれません。
■Check list
✔手足を過度になめる(皮膚炎になるほど)
✔家の中のものを壊す
✔吠え続ける、うなる、噛む
運動をすると、 筋肉を強化でき健康をキープできる
犬の散歩の目安は1日2回、朝夕それぞれ60分程度とされています(大型犬の場合)。しかし、平坦な舗道を歩くだけでは、筋肉が十分に使われていない可能性があります。負荷のかかる運動を加えることで 筋肉が強化され、活動的で若々しくなることもあります。また、シニア犬の場合は現状の健康状態を維持することができます。運動は何歳から始めても遅くはありません。ぜひ積極的に取り入れてみましょう!
Exercise1股くぐり(8の字)
股くぐりは、ドッグダンスなどでもよく使われるワザの一つです。飼い主の股の間をクルクルと8の字にくぐらせますが、実は犬のバランス感覚を養うための立派なエクササイズでもあります。オヤツを上手に使ってスムーズに誘導しましょう。
HOW TO
1.飼い主が大きく脚を広げ、トンネルをくぐるように犬を後方〜正面へと誘導させます。
2.再び後方へと誘導させ、今度は先ほどとは逆方向から正面に誘導。何回か繰り返します。
ここに効く!
■ 四股のバランス
■ 四股の筋力強化
■ 体軸の調節
Exercise2フラフープ越え
四肢をしっかり使う練習。まずはフラフープを床につけた状態からスタートします。犬に輪の中をそのまま通り抜けさせます。これができたら輪を1cmほど床から離し、再び通り抜けを指示します。徐々に床から離していきましょう。ゆっくり通り抜けるのがコツです。
HOW TO
1.犬が十分通り抜けできるフラフープを用意します。オヤツを輪の反対側で見せ、通り抜けたらごほうびとして与えます。
2.ジャンプさせるのは NGです。体幹を使わせるためにも、スローペースでまたがせましょう。輪を床から離すほどに難易度が上がります。
ここに効く!
■ 関節可動域の改善
■ 体幹のバランス
Exercise3トンネルくぐり
腹ばいのまま進むほふく前進は、四肢の筋肉強化、体幹を整えるのにオススメです。この時重宝するのが段ボール箱。犬が腹ばいで通り抜けるのにちょうどいいサイズの ダンボールを見つけたら、さっそく試してみましょう。
HOW TO
1.段ボール箱を用意します。箱を怖がる場合は、オヤツを目の前でちらつかせて、徐々に箱の中へと誘導しましょう。
2.箱の中まで誘導できたらあと少し!オヤツを箱の外でちらつかせて、ほふく前進で箱の中を進ませます。
3.箱の中から脱出できたらオヤツを与えてほめてあげましょう。ゲーム感覚で何度も繰り返し行います。
ここに効く!
■ 関節可動域の改善
■ 四肢の筋力増強
■ 体幹のバランス
出典:『RETEIEVER』Vol.108/「夏の運動不足解消エクササイズ」
*1 監修=うえだゆたか。『麻生獣医科医院』 院長。北里大学獣医学部卒業後、 専門学校の講師などを務めつつ、 茅ヶ崎にある動物病院で 8 年ほど 勤務し臨床経験を積む。1994 年 に『麻生獣医科医院』を開院。 2000 年に新百合ヶ丘に移りリニ ューアル、現在に至る。西洋医学 と中医学(東洋医学)を融合した 中西結合による体のケアを進めて いる。 http://asao.vc/
*2 協力=ホリスティックケア・ カウンセラー養成講座 食事やマッサージ、ハーブなど、 愛犬の心と体の健康のためのさまざまなケアを学ぶ通信講座。 https: //www.hcced.jp/


