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2025.08.25
夏のケアに!青魚の栄養で夏バテ&食欲不振を防ごう
暑い夏は、犬にとっても体力が消耗しやすく、食欲が落ちたり、疲れが溜まりやすかったりする季節です。
「頭がよくなる」ともいわれる青魚は、夏の体調管理や食欲維持に役立つ成分が豊富にふくまれています。
本記事では、青魚の栄養や効果、与えるときのポイントを、ペット栄養管理士の視点でわかりやすく解説します。
魚に含まれる栄養素の魅力
魚は良質なタンパク質を含む食材です。とくに青魚は、必須脂肪酸であるオメガ-3系脂肪酸が豊富に含まれ、夏バテや食欲不振の改善にも役立つといわれています。
+必須脂肪酸(EPA・DHA)
青魚には、オメガ-3系脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれています。犬の体内では合成できない「必須脂肪酸」であり、食事からの摂取が必要不可欠です。EPAは血液をサラサラに保ち、血栓の形成を抑える働きがあるほか、体内の慢性的な炎症を和らげる抗炎症作用も期待されます。また、DHAは神経細胞の膜構成成分として重要で、脳の機能維持や記憶力や学習能力に関与します。
シニア犬では、認知症予防や脳機能サポートの面でも有用です。DHAとEPAは皮膚の保湿バリア機能にも関わっているため、アレルギー体質や皮膚トラブルが気になる犬にも取り入れたい脂肪酸といえます。
+良質なタンパク質源
魚は、肉と同じく動物性タンパク質を豊富に含む優れた栄養源です。タンパク質は、筋肉や皮膚、被毛、内臓、ホルモンなど、体の構造と機能を維持するために欠かせない基本成分で、中でも動物性タンパク質は消化吸収に優れているため、胃腸が敏感な犬やシニア犬にも比較的負担が少なく取り入れることができます。とくに暑さで体力が低下しやすい夏には、エネルギーを無駄なく効率的に利用できるこの「良質なタンパク質」が重要です。
+ビタミン・ミネラルも豊富
魚はビタミンやミネラルの供給源としても優れており、夏場の体調管理に欠かせない微量栄養素が豊富に含まれています。たとえばビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯の健康維持に重要なビタミンです。
また、セレンはEPA・DHAと組み合わせて摂取することで、相乗的に免疫力の維持や老化防止といった抗酸化力を高められます。さらに、青魚に多いタウリンは、心臓や肝臓、目の健康を保つアミノ酸に似た働きをする重要成分です。心筋の収縮力を助け、心臓の働きを安定させるほか、肝機能のサポートや胆汁の分泌促進にも関与します。
夏におすすめの青魚3選
青魚を選ぶ際も季節にあわせることがおすすめです。ここでは3種の青魚を紹介します。
★アジ
アジはDHAが豊富で、脳や神経の健康維持に役立ちます。身がやわらかく骨も比較的取りやすくて、消化にもよいことが特長です。
焼き魚や蒸し魚にして、ほぐしてから与えるとよいでしょう。
★イワシ
イワシは、骨ごと与えやすいためカルシウムやビタミンDの補給にも適しています。成長期の犬や高齢犬の骨サポートに役立ちます。
無塩煮干しや粉末タイプも活用しやすいため、普段の食事にトッピングするのもおすすめです。
★サバ
サバは、EPAとDHAが豊富で、皮膚や血管の健康、代謝機能をサポートします。脂肪が多く嗜好性が高いため食いつきアップに役立つことから、夏の食欲が低下している際には重宝するので、活用したい食材です。
ただし脂質が多く、肥満の原因にもなりうるので、与えすぎには注意しましょう。
アミノ酸・イノシン酸が食欲を高める理由
青魚にも豊富に含まれるアミノ酸の一種であるイノシン酸は、食欲増進の効果が期待できます。
■うま味成分が鍵
イノシン酸は魚や肉に多く含まれるうま味成分で、食欲を刺激する香りと味を持ちます。夏バテで食事を残しがちな犬にも食欲を増進させる効果が期待できるため、青魚も積極的に取り入れてみてください。
■食いつきアップの工夫
ドライフードに青魚を少量ほぐした青魚を加えるだけでも風味が増し、食いつきがよくなります。煮汁やスープにしてかけると、香りが立つので、嗜好性アップに。手作りの食事を作る際にも取り入れやすい方法です。
血行促進で夏の冷え対策にも
冷房の効いた部屋で過ごすことが多い犬のために、夏でも冷え対策をして、ケアしたいところです。
!意外と多い犬の冷え
室内で冷房が効きすぎている環境に長時間いると、床に近い場所で過ごすことが多い犬は、足先やお腹などが直接冷気の影響を受けやすく、体温の低下が起こりやすくなります。冷えは、血流の滞りや代謝の低下を引き起こし、疲れが取れにくくなったり、免疫力が落ちたりする原因です。とくにシニア犬では、夏場の「冷え対策」は見落とせないケアポイントの一つです。
!EPAによる血流改善効果
EPAは、血小板の凝集を抑えて血液の流れをスムーズにする作用があります。毛細血管まで十分に酸素と栄養素が運ばれ、体温調整や細胞の代謝を円滑にしてくれます。血行の改善は、手足や内臓の冷えが和いだり、内臓機能や免疫機能の低下を防いだりと、夏バテによる体力低下を予防する効果が見込めます。
青魚の与え方と注意点
夏のケアに青魚はおすすめですが、むやみに与えることは控えたいところです。青魚を与える方法についてご紹介します。
★与え方のポイント
犬に青魚を与える際は、必ず加熱調理をおこないましょう。生魚には、寄生虫のリスクがあるほか、消化に負担をかける恐れもあります。
また、人間用に味付けされた加工品(塩焼き、干物、味噌煮など)は、塩分や香辛料が犬にとって良くないため避けてください。
さらに、小骨が鋭い場合は、口腔内や喉、食道、胃腸を傷つけてしまうリスクがあるため、骨を丁寧に取り除いてから与えましょう。犬用に販売されている無塩の煮干しや手軽なレトルトも便利です。
★手作り派にも!簡単調理例
手軽にできるおすすめの調理法は、青魚のレトルトです。
レトルトは簡単にほぐれるものが多く、ドライフードのトッピングにしたり、白湯や野菜スープと混ぜてふやかしごはんにしたりするなど、アレンジができます。
香りが立つことで食いつきも良くなり、夏バテ気味の犬にも役立ちます。
★酸化と保存に注意
青魚に含まれる脂肪は酸化しやすいため、調理後は必ず冷蔵または冷凍で保存しましょう。酸化した脂は、消化不良や下痢、長期的には内臓負担や炎症の原因になるため避けたいですね。冷蔵の場合は、2日以内に使い切るのが目安です。長期間保存したい場合は、1食分ずつ小分けにして冷凍することで、鮮度と栄養を保ちながら長く使えます。解凍後は再冷凍せず、加熱してから与えてください。
★量と頻度の目安
青魚は栄養価が高く、嗜好性もある反面、脂質も多めなので与えすぎには注意が必要です。必要摂取カロリーの約10%をトッピングや補助食として取り入れるとよいでしょう。
✔ 小型犬(体重5kg前後): 週2〜3回、ティースプーン1〜2杯(5〜10g程度)
✔ 中型犬(体重10〜15kg前後): 週2〜3回、大さじ1杯(15〜20g程度)
まとめ
青魚は、犬の体に必要なタンパク質やEPA、DHA、ミネラルなどが豊富で、夏バテや食欲不振対策に適した食材です。スムーズな血流の維持や免疫サポートも期待でき、冷えや疲労のケアにも役立ちます。犬の健康を支えるためにも、適切な量と方法で青魚を日々の食事に取り入れてみてください。調理や保存の注意点を守って、夏の健康をサポートしていきましょう。
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