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2025.09.18
上手に取り入れてもっと健康に!犬のための薬膳入門《RETRIEVER + POCHI archive032》
写真=今井卓
構成・文=RETRIEVER編集部
「RETRIEVER」は、ゴールデン、ラブラドール、フラットコーテッドを中心とした、レトリーバー種の専門誌。
陽気で明るい性格は家族に笑いをもたらし、豊かな表情は言葉が通じなくてもコミュニケーションを可能にしています。
何と言っても、人間に対する愛情がとても深い。そんな犬種との暮らしを紹介する「RETRIEVER」さんの素敵な記事をピックアップしてPOCHIバージョンでご紹介。
犬種が違っても読めばきっと皆さんのドッグライフがより充実したものになるはずです。(POCHI編集チーム)
■ 薬膳とは
中医学では、すべての食物に心身に与える働きがあると考えられています。その働きを知り、季節や体質に合わせて積極的に取り入れたり食べるのを控えたりすることによって、カラダを整えていくのが「薬膳」なのです。そして薬膳は、人だけでなく犬の食事にも取り入れることができます。犬の健やかな暮らしのために、薬膳を知っていきましょう。
薬膳を知るキーワード5つ
キーワード:1「気」、「血」、「水(津液・しんえき)」
動物のカラダは「気」、「血」、「水(津液)」で構成されていると考えます。生命活動を維持して活動させるエネルギー源が 「気」、全身のすみずみまで栄養を運び、体に潤いを与える赤い液体が「血」、血以外の体液で全身に潤いを与えるのが「水(津液)」です。この三つのバランスが取れていることで、健康な状態が保たれているとされます。
キーワード:2「陰陽」
中医学では、すべてのものは「陰陽」に分けられると考え、自然界に存在するものは、女と男、夜と昼など、相反するもののバランスが取れていることが大切だと考えます。
キーワード:3「五行」
五行とは自然界や動物のカラダを「木」、「火」、「土」、「金」、「水」という五つのグループに分ける考え方です。それぞれのグループには季節や五臓などが含まれ、互いに変化し影響し合い成り立っています。
キーワード:4「五臓」
薬膳では「腎」、「肝」、「心」といった言葉が出てきます。これはカラダの臓器を示すものではなく、それぞれの気を貯蔵する場所として、「肝」、「心」、「脾」、「肺」、「腎」を「五臓」といい、生成された気・血・水などを貯蔵して生命機能を担う働きをしています。
キーワード:5「五性」
食物にはカラダを温めたり、冷やしたりする性質があります。この性質は「熱」、「温」、「平」、「涼」、「寒」の「五性」に分類され、温熱性の食物はカラダを温め、寒涼性の食物はカラダを冷やします。また、平性の食物はカラダを温めることも冷やすこともしないので、あらゆる体質の人や犬の常食に向く食物といえます。
犬の体質・状態を知るキーワード5つ
キーワード:1「陰虚」タイプ
血や水(津液)など、カラダに潤いを与える液体をまとめて「陰液」といいます。陰液が不足すると、カラダの中に熱が発生します。それにより、皮膚の乾燥、ノドの渇き、ほてり、便秘などが起きやすくなります。
■Check!
✔ 若いころに比べて暑い季節が苦手になった
✔ 便が規則的に出ず、便秘がち
✔ 水を飲む量が少ない
キーワード:2「気虚」タイプ
気は生命活動の源になるエネルギーです。消化吸収の低下によって気が十分につくれなかったり、強いストレスで過剰に消耗したりしてしまうと、気が不足します。気虚になると、 疲労や倦怠、冷えやだるさ、食欲不振や下痢などさまざまな症状を引き起こし、年を重ねるほど気は不足していきます。
■Check!
✔ 寝ていることが増えた
✔ カラダが冷えている
✔ 下痢や軟便になりやすくなった
キーワード:3「気滞」タイプ
気は全身を滞りなく巡っているのが正常な状態でストレスや心身の疲労で気の流れが滞ると、カラダのいろいろな部分に不快を感じるようになり、腹部が張ってオナラやゲップが出る、ノドのつかえ感、イライラ、集中力の低下、不眠などの症状が現れます。散歩などの運動が不足することによって気滞が生じることもあります。
■Check!
✔ オナラやゲップがよく出る
✔ ストレス状態が続いている
✔ イライラして怒りっぽい
✔ 触られるのを嫌う
キーワード:4「血虚」タイプ
疲労やストレス、偏った栄養などでつくり出される血の量が不足したり、大量出血などをすると、血虚になります。また、皮膚が乾燥しやすく、毛もパサつき抜き、爪も割れやすくなります。老化や暑さ、寒さも血虚の原因になり得ます。
■Check!
✔ カラダが冷えている
✔ 肉球がかさついている
✔ 眠りが浅く安眠できていない
キーワード:5「血瘀(けつお)」タイプ
冷え、ストレス、偏食、睡眠・運動不足などで全身を巡っている血の流れが滞った状態をいいます。皮膚や粘膜が黒っぽく変色することもあります。カラダが凝り、ケガをしやすくなったり、だるさを感じたり。瘀血(おけつ)の原因として、気滞と血虚が起きている可能性が高いでしょう。
■Check!
✔ カラダに凝りがある
✔ 運動が不足している
✔ 皮膚や粘膜が黒っぽく変色している
今日からさっそく取り入れよう!タイプ別オススメ食物
体質タイプごとのおすすめ食物をご紹介します。
「陰虚タイプ」のコには…
➤ 白キクラゲ・エリンギ・リンゴ
「気虚タイプ」のコには…
➤ キャベツ・ヤマイモ(長芋)・麹の甘酒
「気滞タイプ」のコには…
➤ ミカン・パクチー(コリアンダー)・シソ
「血虚タイプ」のコには…
➤ 黒豆・黒キクラゲ・ヨモギ
「血瘀(けつお)タイプ」のコには…
➤ チンゲンサイ・クランベリー・酢
出典:『RETRIEVER』vol.118/「レトリーバーのための 薬膳入門」
*1 監修=油木 真砂子 ゆうきまさこ。愛玩動物看護師、中国中医薬研究促進会認定 国際中医薬膳師、テリントンTタッチプラクティショナー、優良家庭犬普及協会認定グッドシチズンテストサブジャッジ。日本中医食養学会第66回学術研究発表会および設立25周年記念学術大会要旨集に犬の食餌に関する小論文を掲載。
*2 FRANCESCA Care Partner https://ameblo.jp/francescacarepartner/
*3 Instagram @francesca_carepartner


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食物を取り入れるとき…
それぞれの食材は細かく刻むなどで食べやすく調理・工夫して与えてくださいね。


