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2026.04.01

犬のおやつも運ぶ!100年以上続くNZの郵便船をご紹介~南半球のDog's letter~

犬のおやつも運ぶ!100年以上続くNZの郵便船をご紹介~南半球のDog's letter~

世界の様々な地域に順応して暮らしている犬たち。
ところ変われば犬とのライフスタイルも変わります。日本とはちょっと違う?!共通してるかも?!と思える目新しいドッグライフ情報。今回は、貨物船や観光船として100年以上続くNZの郵便船についてご紹介します。

DOG's TALK

この記事を書いた人:グルービー美子

この記事を書いた人:グルービー美子

ニュージーランド・オークランド在住のトラベルライター。JAL機内誌やガイドブック「地球の歩き方」などに寄稿。子供の頃から柴犬と暮らし、現在はサビ猫のお世話係。趣味はサーフィン。

入り江の奥の僻地へ郵便物を届ける海の配達人

陸路でのアクセスが難しい海に面した集落へ郵便や荷物を届ける海上運送・郵便船。ニュージーランドには英語でメールボート(Mail Boat)と呼ばれる郵便船が今も現役で稼働しています。何やら犬との関りもあるというこの郵便船をご紹介します。

複雑なリアス式海岸に集落が点在

ペロルス・サウンド内のビーチに寄港

ペロルス・サウンド内のビーチに寄港

ペロルス・メールボート

ペロルス・メールボート

郵便船が運航されているのは南島最北部のマールボロ・サウンズ地方。太古の渓谷に海水が流れ込んでできた入り江が無数に点在しているエリアで、リアス式海岸の一種です。マールボロ・サウンズの海岸線は全長150kmに及び、陸地のほとんどは深い森林に覆われた丘陵地帯。陸路が発達しにくいため、生活の道として海路が活用されてきました。郵便船の歴史も古く、1919年からサービスが開始されたと記録されています。

郵便船のひとつ、ペロルス・メールボート(Pelorus Mail Boat)はマールボロ・サウンズ地方にある小さな町ハブロックを拠点に、 同地方のペロルス・サウンドへ物資を運ぶ定期便。週3回、3つの異なるルートを運航しています。

寄港地で犬たちがお出迎え

寄港地の桟橋で犬がお出迎え

寄港地の桟橋で犬がお出迎え

郵便船は朝10時にハブロック港を出発し、ペロルス・サウンド内の寄港地を巡って郵便物などの配達・回収を行い、午後3時30分~4時30分頃に帰港するというスケジュール。郵便船が寄港地の桟橋に着くと、集落の住民たちが荷物の受け取り・発送のために集まってきます。その多くが犬などのペット連れ。配達員は桟橋に荷物を降ろす傍ら、顔なじみの犬たちと触れ合えて嬉しそうです。

「郵便船はドッグフードやおやつも運んでくるから、犬たちもそれをわかっていて歓迎してくれるみたい」そう話す配達員。中には届いたおやつを食べるのが待ちきれず、その場で飼い主さんにねだって封を開けてもらう犬たちも。

さらに、羊やヤギ、ニュージーランド固有の豚クネクネピッグを連れてやってくる人の姿もあります。一般的には家畜に分類される動物ですが、ニュージーランドではペットとして飼育する人も少なくないのです。郵便船はこうした動物のための物資も届けてくれます。

観光船や旅客サービスも人気

航行中にイルカが見られることも

航行中にイルカが見られることも

郵便船は貨物の輸送手段ですが、近年は観光船も兼ねています。配達員は物資を届けるだけでなく、航行中にマールボロ・サウンズ地方の自然や歴史を解説するガイドの役目も兼任。ほぼ1日がかりののんびりしたクルーズで、マールボロ・サウンズ地方の絶景や僻地ののんびりとした暮らしが垣間見えると好評な様子。海上ではオットセイやイルカといった野生動物と遭遇することも珍しくないそうです。

郵便船はこれ以外に旅客サービスも行っており、ペロルス・サウンドにある人里離れた宿泊施設に泊まったり、トレッキングルートを歩いたりする人が移動手段として使うのにも便利。自転車やカヤックも搭載可能で、犬連れの乗船もOKです。


100年以上続く伝統的な郵便船。のどかな僻地で暮らす犬たちにも会えるメールボートに、機会があったらぜひ乗船してみてくださいね。

犬も乗船できる

犬も乗船できる

取材・写真強力

*1 Pelorus Mail Boat https://www.themailboat.co.nz/