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2019.09.26

サトイモのガラクタンを犬の免疫系の健康維持に役立てる方法

最近流行り(?)のタピオカはキャッサバイモから作られていますが、秋に旬を迎えるおいしい野菜のひとつが、サトイモです。日本では稲作が始まるより早く食用として用いられるようになった野菜で、日本人にとっては馴染み深い食材ですね。
煮物にしても、コロッケなどにいれてもおいしいですよね。
そんなサトイモですが、最近では免疫系のサポートをする食物繊維・ガラクタンを含んでいることで再び注目を浴びています。
本日はそんなサトイモとガラクタンについて、犬の食事に取り入れる時のポイントについてお届けします。
犬の手作り食などで里芋を使う時にぜひチェックしてみてくださいね。

サトイモの栄養・基本情報


サトイモはもともと東南アジアが原産といわれていて、同じタロイモ科の作物の中では最も寒さに強く栽培も簡単です。そのため、デリケートな米よりも早く縄文時代には栽培が始まった作物だといわれています。
中心となるひとつの親芋を植えると、周囲にたくさんの子芋や孫芋ができることから、家の繁栄の象徴として縁起物のひとつに数えられています。おせち料理に入れられることもあります。

古代ローマやギリシャなどの地中海地方でも古くから栽培されていた野菜として知られていますが、日本のようにホクホクとした食感やぬめりよりも歯応えが好まれていて、調理方法もフライにしたり、レモン汁でぬめりを取ってから食べるなど、日本とは大きく異なっています。

イモの仲間の中では最もカロリーが低いことで知られていて、犬のダイエットのかさ増し食材としてもオススメです。

免疫の健康維持に役立つガラクタンの取り入れ方

サトイモのぬるぬる成分のひとつが、ガラクタンと言われる物質。正式にはアラビノガラクタンといいます。
水溶性の食物繊維で、ゲル状になる特徴を持っています。腸内細菌のバランスは、細菌たちのエサとなる物質が腸内にどれくらいあるかによって左右されます。サトイモのガラクタンは善玉菌を中心とした腸内細菌のエサとなるだけではなく、過剰な糖分の吸収を抑制するなどの働きも注目されています。

「腸内環境と免疫系の働きに深い関係がある」ということを目にすることも多くなりました。
免疫細胞は骨髄で作られて、その後一度腸管免疫系に集められ、そこで食べ物といっしょに取り込まれた様々な物質に触れることで、外敵と戦うための学習をしていきます。
腸内細菌たちが食物繊維をエサとして活動しその結果放出する物質は、免疫細胞が外敵と戦うための学習を促す働きをします。だから腸管の中の免疫細胞がしっかり外敵と戦えるようにするために腸内細菌のバランスってとても大切。

ガラクタンは、腸内細菌バランスを維持することによって腸内細菌の活動を健全にし、結果的に免疫細胞の成長をサポートする物質なのではないか、と注目されていて、研究が進められている途中の物質です。最近では免疫系の働きを活性化する成分として、日本でもこのアラビノガラクタンを主成分としたサプリメントや薬が使用されるようになっています。

フードのトッピングや手作り食のメニューとして取り入れる際は、皮をむき、あく抜きをして加熱をしてから食べさせるようにしてください。しっかりとあく抜きをすることで、過剰なシュウ酸を取り込んでしまうことを避けることができます。
一口サイズにカットして良く煮込んだり、軽く潰してマッシュポテト風にして食べさせると、ダイエット食材トッピングとしても活躍できそうですね。

おわりに

本日は犬の免疫系の健康維持に役立つガラクタンについてご紹介しました。
腸内環境を整え、健康的な状態を維持するのに役立つ水溶性食物繊維の一種で、腸内環境を整えることで免疫系の働きにもつながります。
お腹の調子を整えることが免疫系にも役立つというのは、あまりピンと来ないかもしれませんが、免疫細胞が最も多く存在しているのは腸内だといわれています。

犬に里芋を与える時には、渋みなどの原因になるあく(灰汁)を必ず抜いてからにしましょう。あくは、体内に蓄積されると膀胱内で決勝になってしまうシュウ酸も含んでいます。シュウ酸は水溶性の成分ですので、しばらく水にさらしておくことシュウ酸の含有量をかなり減らすことができます。