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2019.10.29

犬の故事成語・ことわざ講座 ~楊布の狗(ようふのいぬ)~

人々と長く過ごしてきた犬たちは、さまざまな形で私たちの文化にも関わって来ました。昔の人々から伝えられてきた言い回しや表現にも、犬たちが登場します。そこには「犬って○○だよね」という昔の人々が犬たちに抱いてきた印象やイメージなどが反映されています。
昔の人々が見てきた犬たちの姿を映す鏡として、犬たちが登場する故事成語やことわざ、慣用句を紹介します。

~楊布の狗(ようふのいぬ)~

楊布の狗(ようふのいぬ)

《出典》
中国の古典 『韓非子』説林篇


《意味》
普段とは違う格好をしていると、嗅覚が優れた犬たちも混乱して飼い主とそうでない人をすぐには見分けられなくなるように、見た目が変われば内面も変わると思われること。

どういった場面で使われる?

犬たちは私たち飼い主のことを良く見ていて、その表情の変化やちょっとしたしぐさからも様々な情報を読み取っています。時には、ニオイからもさまざまなことを推測したり、読み取っているとも言われています。なにか、視線を感じる…と思って振り向くと、犬が「じぃー…」っと自分を見つめていた、ということがよくありますよね。
そんな犬たちですら、私たち飼い主が普段とは全く違う格好をしていたりすると「あれ?あれ?」と少し戸惑うような表情を見せることがあります。

「楊布の狗」の言葉の元になったお話では、とある犬の飼い主がいつものように白い服を着て出かけたのですが、途中雨に降られてしまったので、出先で買った真っ黒い服で帰宅すると犬は「あれ?」と飼い主をすぐには見分けることができなかったのだとか。

ハロウィンの日にはさまざまな仮装をする人が多くいます。仮装の度合いによっては、犬たちが混乱して普段とはちょっと違う反応を見せるかもしれません。そんな時には「楊布の狗」という言葉を思い出してみてくださいね。