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2020.01.27

犬の「とってこい遊び」は野生時代の記憶に刻まれていた?犬の進化の謎[#今気になるトピックス]

「犬たちが持っている素晴らしい能力は、野生のオオカミも発揮している」とスウェーデンの研究グループが発表しました。今回研究対象となったのは、異なる3匹の母親から生まれたオオカミの子ども13頭。

研究チームは、オオカミと犬の違いと共通点を探るため、それぞれのパピーを生後10日から飼育していたそうですが、特別な訓練などは行っていません。しかし、13頭のうち3頭が、犬たちがするのと同じように「投げたボールを回収し、持ってくる」いわゆる「とってこい」ができたのだとか。誰から教えられたわけでもなく、何度もそのパピーたちは投げたボールを持ってきたことが記録されました。

犬たちと暮らしていると、ごくごく当たり前のことなのですが、この能力は人間にとって非常に役立ってきました。捕まえた獲物を回収する、レトリーブの能力です。しかし、自然の中で狩りを行う野生のオオカミたちは「とってこい」をする必要はないはずです。そのため、犬たちが人間と暮らすようになってから、この能力を身に付けるようになったと考えられていたのですが、どうやら違っていたようです。

今後、この能力を持ったパピーたちは犬の進化の歴史と、犬が持っている素晴らしい能力をより詳しく知るための鍵となっていくはずです。

DOG's TALK

私たち人間が、どうして犬たちと一緒に暮らすようになったのか、そして犬たちはどんな場面で活躍してきたのか、そのことが分かれば犬たちの素晴らしい能力をもっと引き出すことが出来るようになるかもしれません。
ちょっぴり意外だったのが、この「とってこい」が得意な犬種にレトリバー系の犬たちがいますが、レトリバー系の能力はオオカミにも備わっているということ。レトリバーたちは、盲導犬や聴導犬、介助犬などとして今も私たちに寄り添ってくれています。
オオカミ時代から持っている能力を最大限活かして活躍してきたのが、レトリバー系の犬たちだとすると、私たちに寄り添い、サポートする能力もオオカミ時代からあったのかも……なんて想像が膨らみますね。