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2020.02.27

犬の歯石ってなぜできるの?歯石取りは家でやるべき?

犬の歯石ってなぜできるの?歯石取りは家でやるべき?

犬のお悩みで多いものは、デンタルケアに関するもの。日本で暮らしている犬たちの多くが、シニア期以降に何かしらの口腔トラブルで悩むともいわれています。
とくに歯周病は、進行すると歯周組織を溶かしてしまい、あごの骨の骨折や副鼻腔などに穴が開いてしまうなど、さまざまなトラブルの原因となり、心臓病のリスクのひとつともいわれています。シニア犬たちの健康管理にはデンタルケア、歯周病予防はとても大切です。
歯周病の前段階として、歯の周囲に歯石が付いている状態には注意が必要です。

そんな犬のデンタルケアの基礎知識として、良く使われる言葉である「歯石」ができるメカニズムや歯周病の予防に役立つ情報を原因を踏まえてご紹介します。

犬の歯石ができる原因とは?

犬の歯や歯茎にこびりついてしまう歯石。犬の口臭もひどくなるので、そのニオイがきっかけで見てみたらびっしり茶色の歯石が付いている…ということになります。そのまま放置していると、歯石はどんどん固くなってしまい自宅でのケアでは対処が難しくなることも。

歯石は、食べ物を食べた後の食べかすを栄養として繁殖した「歯垢」や「プラーク」と呼ばれる細菌の塊が歯の表面に付着することから作られ始めます。歯垢の約75%が菌、そして約20%は菌が作り出した粘着物質で構成されているといわれています。

やがて大きくなった細菌の塊は、唾液に含まれているカルシウムやリンなどを取り込んで沈着し、どんどん固い塊として歯に張り付き成長していきます。この状態が歯石、と呼ばれるものです。

歯石は顕微鏡で観察すると、表面が凸凹していて表面により多くの歯垢が留まりやすくなっていることが分かります。一度歯石が付いてしまった歯は、そこからさらに歯石ができやすい状態を作り、これが菌の繁殖する原因となって歯全体を覆うような形でどんどん大きくなっていってしまいます。

犬に歯石が出来てしまったら?

歯の表面に付着した歯石は、口内の環境をより細菌たちが繁殖しやすい環境に変えて、どんどん歯石を大きくしていきます。これにより、歯を支えている歯肉(歯ぐき)や歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる歯を支える骨を細菌が酸で溶かしていくことで、歯肉がはれたり歯周組織が破壊される歯周病が引き起こされます。

歯周病のサインとしては、口臭がきつくなる、歯がぐらつく、歯ぐきから出血するなどがあります。犬がシニア期に入ったら、定期的に動物病院で歯の様子をチェックしてもらい、早め早めの対策をしていくことで、犬の負担を減らしていけるはずです。

歯石が取れて綺麗になったら、ぜひともその状態を維持したいところですよね。

基本的な犬たちの歯石予防は、なんといってもハミガキです。今、スプレータイプのものや乳酸菌の働きによって口腔内のケアをするものがあります。歯垢を付きにくくするサプリメントなどもオススメです。

歯石対策に。オススメアイテムご紹介

犬用ハミガキ

デンタルケア系サプリメント

歯石取りは家でできるの?

家で犬の歯石取りができるアイテムも販売されていますが、基本的には歯石取りは動物病院で行うようにしてください。
犬の歯石を取るためにスケーラーと呼ばれる器具を使用することがありますが、歯石が大きくなってしまっている状態でスケーラーを使用すると、腫れた歯ぐきを傷付けて出血してしまい、細菌が全身に回ってしまうリスクがあります。シニア犬の歯のお手入れをする際は慎重に行う必要があるので、「歯石取りは動物病院で」「その後のケアは自宅で」行うほうが安心です。